第56話「ラフマニノフの悲劇」
ラフマニノフはショパンといつもの海に来ていた。
ピンクの水着を着たラフマニノフが、黒の水着を着たショパンと一緒に、海水浴を楽しんでいた。
売店でラフマニノフはコーヒーを選んでいると、ある男が近づいてきた。
「久しぶりだな、ラフマニノフ」
ラフマニノフ「うん?? お、お前は……」
その男の名はパオロ・クルーガー。
ラフマニノフに敵意を持っている危険人物だ。
パオロ「お前、ショパンと組んで経営している音楽学校はだいぶ、順調なようだな?? お前に殺された俺の妹が見たら、何というかな?」
ショパン「誰だ、お前。妹をラフマが殺した?? どういうことだ?? 何があったんだ??」
ラフマニノフ「お前にだけは会いたくなかったよ。こんな広い霊界で、まさか、こんなバカンス中に出会うとはな」
パオロ「お前が幸せそうなことが憎い!お前が憎い!妹がどんな思いでいるか、わかっているだろう」
ラフマニノフ「その話はするな!一番思い出したくない過去だ!」
パオロ「この世で一番の罪はなんだと思う?それは、忘れることだ!!!」
パオロは、ラフマニノフに殴りかかった!!!
ショパンはその拳を手で受け止め、パオロの攻撃を防いだ!!!
ショパン「僕のラフマには手を出すな!!!」
パオロ「お前は知らないんだ!ラフマニノフの非情さを!俺の妹は、こいつに、こいつに……」
パオロは泣き出した。
ショパン「ラフマにどんな過去があったか知らないが、今のラフマは情があるいい奴だ!だから、こうしてバディを組んでいるんだ!!!」
ラフマニノフ「俺を殴ってくれ!パオロ。それで気が済むのなら」
パオロ「なんでお前はショパンと一緒になってるんだ?お前を愛した俺の妹が、毎日、お前を忘れられずに泣いているんだぞ?よく平気な顔で、海水浴になんて来れるな?俺はお前を許さないからな!絶対に!!!」
ショパン「ラフマを殴らせるなんて絶対にさせない!きっと恋愛でもして、合わずに、別れたのを逆恨みされているんだろ?ラフマ??」
ラフマニノフ「いや、少し当たっているが、違う!俺は本気でその妹を愛していた!だが、音楽の道とその妹のどちらかを選ばなくてはならなくなり、俺は音楽の道を選んだんだ!!」
ショパン「そうか。でも、ラフマに罪はないよ!夢を捨てられなかっただけなんだから。恋愛と音楽、どちらを選ぶかって言われたら、僕だって音楽をとるよ!!!その妹って誰なの?」
ラフマニノフ「お前も会ったことのある人物だ!」
パオロ「バイオレットだ!!!バイオレットはラフマニノフを好きだった。ラフマニノフも本気でバイオレットと愛し合っていたはずだった。だが、ある日、二人は破局を迎えた。ラフマニノフが一方的に振ったんだ!!!理由を俺はまだ聞いてない!!!だが、どんな理由があるにせよ、俺には許せない!バイオレットは俺の大切な妹だ。大事な最愛の妹だ!その妹がショックのあまり、毎日泣いている!ラフマニノフが憎いんだ!!!」
ショパン「バイオレットって、、、ラフマにいきなりキスして、僕が注意した、あの子だよね」
ラフマニノフ「夢を捨てきれなかったんだよ!!!それに、バイオレットに夢中になったお偉いさんに目をつけられ、バイオレットと別れなければ、音楽学校の未来はない。ショパンにも危害が及ぶだろうって脅迫されたんだ。エキスパートピアノを守るため、ショパンを守るためにも、俺は、バイオレットと決別することを選んだんだ」
パオロ「そのお偉いさんって誰だ?俺が殴ってやる」
ラフマニノフ「それは言えない!!!口外したら、本気で俺たちは潰されるだろう」
ショパン「霊界最高の権力者であるシナメルドに何とかしてもらえないのか?トモダチになったし」
ラフマニノフ「それは、無理だ。シナメルドよりも数十段上のお偉いさんだ!!!」
パオロはラフマニノフを一発軽く平手打ちした。
パオロ「言えよ!!!ラフマニノフ!!!言え!!!誰だ!誰なんだ!」
パオロは今にもラフマニノフを殺しそうな勢いで、胸倉を掴んだ。
ラフマニノフ「ミヤザワトモヒデ。宇宙の神だ!!!」
パオロ「なんだと……」
パオロは急に勢いがなくなった。
ラフマニノフ「無理だろ?宇宙の神が相手じゃ。誰も逆らえないからな!」
パオロ「よりによって、何の理由でそんなことしたんだ?バイオレットを宇宙の神に奪われただと?」
ラフマニノフ「ミヤザワトモヒデはバイオレットを妻にするらしい」
パオロ「そんな、、、バイオレットはラフマを愛しているのにその宇宙の神に邪魔されているってことか??」
ラフマニノフ「バイオレットは嫌がっていたが、トモヒデは強引に従わせているんだ!!!権力でな!」
パオロはその場に崩れ落ちた。
俺たちが勝てる相手ではない!!!
では、どうすればいいんだ?
確かに宇宙の神と結婚すれば、玉の輿で、バイオレットはとても大きな力を得る。
しかし、バイオレットが本当に愛しているのはラフマニノフだ。
真実の愛を大事にしてほしい。
バイオレットが一番幸せな道を歩んでほしい。
ラフマニノフ「仕方なかったんだ。こればかりは。逆らえなかった!俺も泣いたさ!泣き腫らした。ショパンに気づかないところで、いつも泣いていたんだ。バイオレットを忘れたくてショパンと志事に夢中になっていたんだ」
パオロ「そうだったのか、お前に悪いことした。何も知らずに俺は、お前ばかり憎んでいた」
パオロは気が動転して、しばらくその事実を受け入れることができなかった。




