第4話:ヘッドハンティングは慎重に。~蘇我氏の中にも話のわかる奴はいる?~
「……で、次はこの人をチーム(一派)に引き入れたいわけね」
俺と鎌足、そして中大兄皇子の三人は、またしても密談中。
鎌足が指差したリスト(木簡)には、蘇我石川麻呂という名前が。
「そう。入鹿の身内だけど、あいつのパワハラ経営(独裁)にウンザリしてる層のリーダーだ」
鎌足は不敵に笑う。現代で言えば、「ブラック企業の専務を、ライバル会社の役員として引き抜く」みたいな、かなりエグいヘッドハンティングの企み中だ。
「でもさ、それってバレたら速攻でクビ(物理的に)じゃないの?」
俺がそう言うと、隣で様子を見ていた謎の美少女が、少し不安そうに俺の袖を引いた。
「海斗さんの言う通りです。もし失敗すれば、皆様の命が……」
「ま、なんとかなるんじゃね?」
俺はカッコつけて言ってみたけど、内心はバクバクだ。
でも、中大兄皇子はやる気満々。
「石川麻呂を味方にすれば、蘇我氏を内側から崩壊(解体)できる。これは国家再建プロジェクト(大化の改新)の要なんだ!」
すると鎌足が椅子から立ち上がり
「よし、じゃあ交渉に行ってくるわ。海斗、お前も『現代人っぽい変なオーラ』で相手を煙に巻く係として付いてこい」
「え、俺、ただのガヤなんですけど!?」
こうして、俺たちは敵陣のど真ん中、蘇我石川麻呂の屋敷へと向かうことに。
果たして、このハイリスクすぎるスカウト(勧誘)は成功するのか?
一方、謎の美少女は、去り際の俺に小さく「お守りです」と、不思議な色の紐(組紐)を渡してくれた。
……これって、告白の前振りと考えていいんすかね!?
【今回の学習ポイント:蘇我石川麻呂】
蘇我石川麻呂: 蘇我氏の一族でありながら、入鹿のやり方に反発し、中大兄皇子側に寝返った人物。
乙巳の変での役割: 暗殺の当日、ある重要な役割(上表文の朗読)を任されることになるが……それはまた後のお話。
権力の内紛: 強大な勢力も、中を覗けば「本家 vs 分家」の対立があった。鎌足はそこを突いて、蘇我氏を二分させた。




