第17話:飛鳥のデートは命がけ? ~激マブな乙女と、距離感がバグる午後~
「……はぁ、やっとメンテ(休日)か。この時代のブラック労働、マジでエグいって」
難波のオフィスを抜け出し、俺は一人、都の市場を歩いていた。
すると後ろから、聞き慣れた鈴のような声がした。
「海斗さん! お一人で、お散歩(視察)ですか?」
振り返ると、そこには私服姿の車持娘がいた。
いつもより少し気合の入った(お洒落な)衣装を纏った彼女を見て、俺の心拍数(CPU負荷)がいきなりレッドゾーンに突入する。
「あ、車持娘……。あぁ、ちょっと気分転換しようと思ってさ」
「でしたら、私が案内します。この近くに、美味しい『おこし』を売る出店があるんです」
自然と始まった飛鳥デート。
現代のカフェ巡りとはいかないが、海沿いの難波は風が気持ちよくて、彼女との距離がいつもより近い(ゼロ距離)。
「……あの、海斗さん。海斗さんの世界には、私のような女子はたくさんいるのですか?」
ふとした瞬間に彼女が聞いてきた。上目遣いの破壊力、これマジでサーバーダウン(気絶)するレベルだわ。
「えっ? あー……。いや、君みたいな激マブ(絶世の美女)は、現代でもめったにいないよ。……マジで」
「げきまぶ……? よく分かりませんが、褒めてくださったのですね」
彼女が頬を赤らめ、俺の袖をちょこんと掴む。
なにこれ、最高のご褒美かよ。
しかし、そんな甘い空気(幸せなパッチ)を切り裂く影があった。
「海斗ぉ! 貴様、こんなところで何をしているッ!」
背後から飛んできたのは、脳筋アタッカーの子麻呂だ。
しかもその後ろには、なぜか仏頂面の鎌足までいる。
「……海斗、デート(密会)の最中に済まないが、緊急の不具合だ。中大兄様が、新しい衣装の『ドレスコード(官位制度)』について意見を聞きたいと仰せだ」
「今じゃなきゃダメ!? 鎌足さん、あんた空気読みなよ!(KYかよ!)」
俺の叫びも虚しく、飛鳥のラブコメ回は「強制シャットダウン」の危機に。
車持娘はクスリと笑って、俺の手のひらに小さな包みを握らせてくれた。
「これ、約束の『おこし』です。……続きは、また今度(次回アップデート)」
耳元で囁かれた甘いボイスに、俺の理性がフリーズ(完全停止)したのは言うまでもない。
【今回の学習ポイント:古代の食とコミュニケーション】
おこし: 実は日本最古の菓子の一つと言われており、この時代にはすでに存在していた。お米や粟を固めたもので、当時の人々にとっては貴重なエネルギー源だったんだ。
衣通姫伝説: 絶世の美女を指す言葉として使われる。車持娘のような高貴な女性は、普段は簾の奥にいて姿を見せないのが基本だったから、一緒に歩くのは現代の「公開デート」以上に衝撃的な出来事だったはずだぞ。
官位: 鎌足が言っていた「ドレスコード」のこと。この後、冠位の色によって役職やランクを分ける「冠位十二階」のアプデ版がどんどん進んでいくことになるんだ。




