2+1のシアワセ
「危うく足を踏まれるところだったな。」
渉はみいちゃんに声をかけて玄関を出ていった。
(あとは、子どもが二人いたら完璧。)
みいちゃんは、のそのそと立ち上がりあくびをしながらキッチンへと戻っていった。
美紀がキッチンへ行くと、みいちゃんが自分の皿の前で待っていて美紀を見るなり「ニャー」とご飯を催促した。
「はいはい、ちょっと待ってね。」
美紀は言ってから、自分の口調がちょっと母に似てきた…と思った。
渉を送り出して、美紀はみいちゃんにご飯をあげて
自分がご飯を食べて、実家から少しずつ送っていった引っ越し荷物をほどいて
口座の名義変更などの手続きをして…
美紀は一日中忙しく働いて、その合間にカレーを作って…
6:00には渉が帰ってくるだろうと思っていたけれど、6時を過ぎても渉は帰ってこなかった。
ホットカーペットの上でヘソ天で眠っているみいちゃんを見ていた美紀も睡魔に襲われた。
そして、いつの間にか寝てしまった。
ガチャリという音にビグッとして目を覚ましたのは、渉が帰ってきた時で7:00だった。
居間に入ってきた渉には、あちこち派手に白ペンキがついていた。
あまりに白いので、美紀は笑ってしまった。
「お帰りなさい。」
「ただいま。いやー、遅くなった。前の家とそんなに変わらないんじゃないかと思ってたけど、いやー、遠くなった…。」
「ご苦労さま。」
「先に風呂入ってくるね。」
「うん、その間に用意しておくね。」
美紀は渉と2年ほど付き合ったが、今までの交際期間自分は実家暮らし、渉は寮暮らしだったため、美紀はずっとこういう生活に憧れていた。




