ふたり+1
「これでどうだ?」
表札をいい感じにセットした渉が美紀の方を振り向くと美紀はニコニコとふざけて後ろから渉に抱きついた。
渉はバランスを崩して「ワッ」と壁に押し付けられる。
二人の声に驚いたみいちゃんが迷惑そうな顔をしてノロノロと立ち上がってゆっくりと二人から遠ざかろうとした。
が、リードが伸びる最大限しか行けずに首を吊った感じになり、不満げな顔でふざけ合う二人を見ている。
「ごめんね。」
渉に謝った美紀は体制を立て直して渉に手を貸し、元の体制に戻ると二人は顔を見合わせて笑った。
そして表札を玄関に取り付ける作業を再開した。
こうして新しい立派な表札はちゃんと取り付けられて、二人と1匹の新しい生活は始まろうとしていた。
今回が美紀にとって生まれて初めての引っ越し、一人暮らし、いや二人暮らし…二人と一匹暮らしとなる。
今まで毎日は一緒にいられなかった最愛の人とずっと一緒にいられる生活にワクワクしている。
昨日ホームセンターで買ってきたカーテン、サイズが合わなく、引っ張って洗濯バサミで止めた。
それでも横幅が足りなくて、大きく空いた隙間から光が漏れていて、その光の眩しい反射で美紀は目を覚ました。
そして、これから大騒ぎしそうな目覚まし時計を止めようと手を伸ばした。
すると美紀と渉の間に丸くなって寝ていたみいちゃんに手が当たり、みいちゃんはビクッとして顔を上げた。
美紀はみいちゃんをそっとなでると、みいちゃんはまた寝なおそうとしている。




