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みいちゃんが教えてくれた…  作者: めぐみ千尋
第4章 老夫婦と猫

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38/59

タイトル未定2026/02/01 10:38

翌日は雨だった。愛子は、激しい雨音に目を覚まして、縁側の横の部屋の雨戸を開けた。


(いつものたたきなら濡れないから安心)


でも、猫は昨日座っていた敷物の上にも、そのあたりにもいなかった。


愛子は玄関へ飛んでいき、ドアを開けたがここにもいなかった。


(いない)


愛子は傘も刺さずに外へ出て、庭を隅々までひと回りしたが猫はいなかった。


落胆しているといつの間にか、傘を刺されていた。


「心配なのはわかるけど、濡れたら風邪引くよ」


達は全てお見通しのようだった。


「こんな酷い雨なのに、どこにいるか心配にならないの?」


「…うーん。飼い主のところへ帰れたのかな…。」


(…まあ、それが一番いいんだよね本当は…。本人?いや本猫にとってもそれが一番いいんだよね、本当は…)


わかってはいるものの、達に言われると同意しかねる。


(まあ、それがいいんだよね…。あの子にとっては)


「風邪をひく、戻ろう」


がっかりして抵抗する力もなく、愛子は達に押されるようにして戻った。


(私のこと心配することなんかあったのか…)



翌日、昨日の雨が全て洗い流したようなさっぱりした晴天だったが、愛子は縁側沿いのサッシを開けて猫がいないことを確認するとそれ以上は猫を探すのをやめた。


庭は昨日の雨で叩き落とされた葉だらけになっていて、愛子は無様だと思った。


達は朝から盆栽をいじっていても、散らかった庭の状態には興味ないようだ。


愛子は庭を片付けようかと思ったが、遠くから源蔵じいさんの声が聞こえたので、庭はとりあえずそのままにして庭から退散することにした。


この源蔵じいさんは確か歳が80をいくつか過ぎている。家の近くを歩き回っては、会った人を捕まえては誰とでも話す。


そして話し込む、とても話し好きのおじいさんだ。


このおじいさんがこの時刻に来るという事はかなりここで話そうと思っていると思われる。


達は逃げ損ねたようで、達と源蔵の声が聞こえてきた。愛子はそのまま家の裏口から家を出た。


達は一歩逃げ損ねて、源蔵に捕まった。


「今年も柿は豊作だね」


「良かったらいくつか持っていって下さい。あと何日か経ったら」


(余計なことを言わなきゃいいのに)


そう思いながら愛子はそのまま家の裏口から家を出た。

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