夜が来た
愛子も家事を済ませてリビングでテレビをつけて番組を見るともなく見た。
22時を過ぎてそのままいつも通り寝ようとしたが、やはり気になるのは猫のこと。
愛子は玄関まで行ってドアを開けたがいなく、表の軒に接している部屋のサッシを開けた。
すると、軒下のたたきのコンクリートの上に猫は丸くなって寝ていた。
(さり気なく箱かやわらかい敷物でも置いておけばよかったなぁ)
その場でしゃがんで顔を見てみたらまるで天使だった。
猫は顔を上げて愛子を見た。
「また明日。」
猫はニャーと言った。
よく話す良い子だ…。
早起きをした愛子、天気が良くて風が強い日だ。
軒に面している部屋のサッシを開けてみたら、昨夜いたところに猫はいなかった。
愛子は急いで玄関へ行ってドアを開けると、猫は玄関マットの横にお行儀良く座っていた。
愛子が玄関へ出ると、猫は近づいてきた。
愛子がしゃがみ込むと猫は、目の前まできてまるで何か言いたげに愛子の顔を覗きこんだ。
大きくて丸くて澄んだ黄色い目を覗き込んでみたが、猫が何を言いたいのかはわからない。
猫はまるで困ったなぁとでもいうように首を傾げて2.3度頭を振った。
背中にチャックがあって、開けたら中からちっちゃい人間でも入っているかのような動きをする猫だ…。




