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みいちゃんが教えてくれた…  作者: めぐみ千尋
第4章 老夫婦と猫

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会話復活…

愛子は撮られた写真を見ながら猫に


「あなた、結構美猫ね。」


と言った。


猫はわかっているのかわかっていないのか、何枚も写真を撮られたのが恥ずかしいのか、愛子の顔をジーと見てから愛子のもとから逃げ出した。


「写真加工して、チラシできるようにしとくよ。」


達は手を振るようにスマホを上げて家の中へ入っていった。


愛子の足元では、さっき離れていった猫がじゃれている。


(この猫、このまま飼い主見つからなかったらいいのに)


とは思ったものの、猫嫌いの達が猫を飼うことなど許してくれるはずがないのでそんな希望は持てないと思った。


愛子は猫に後髪ひかれる思いで家に入ったが、その後も気になって何度か外に出てみた。


猫は玄関マットの上でくつろいでいたり、コンクリートの上で転がっていたりかわいい姿を見せていた。


(癒されるなぁ。…あ、でも飼い主が決まらなかったらこのまま庭に置いておけるかもしれない…。飼い主がみつかりませんように)


愛子は心の中でそう祈った。



夕飯が出来上がったのに、達はテーブルにいなかった。


いつもだったらテーブルに座って新聞を読んでいるか、ニュースを見ている時間だ。


愛子は階段下までいって


「ご飯です」


と言った。


どれくらいぶりだろうか…。


「2.3分待って」


返事はないかと思ったが、すぐに返事が返ってきた。


写真を加工するのってそんなに時間がかかるのかしらとは思ったが、思っただけで終わった。


数分すると、いつもより少し大きい足音を立てて達がおりてきた。


手を両方とも後ろにやって、なにかを隠している。


達はテーブルにくると、愛子のまえにジャーンとばかりに迷い猫チラシを差し出した。


フルカラーで、写真も大きく綺麗に載っているチラシだ。


どこでこんな技を覚えたのか、連絡先がQRコードで読み込めるようになっていたりして随分と手が込んでいる。


「どうだ?なかなかだろ?」


愛子は内心感心した。


「いいね。」


褒めの言葉が「いいね」だけなのは、猫嫌いの彼がなんとしても猫の飼い主を見つけ出したい気持ちが透けて見えたからだ。


「屋外に貼るものは後でラミネート加工しておくよ。これならきっと見つかるだろう?」


(ほらね…。)


達は嬉しそうな顔をしている。


理由がなんであれ、達の嬉しそうな顔を見たのはいつぶりくらいだろう?


もう思い出せないくらい前だと思う。


と言っても、最近では会話をすることも彼の顔をしっかり見ることもなかったからその分もあるとは思った。


「明日スーパーとか、ペットショップとか公園に貼りに行ってくる」


「ありがとう。」


ご飯を食べ終わると達はいつもリビングのソファーに座ってテレビを見始めるが、今日はすぐに2階へと戻っていった。

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