甦る…
もうだいぶ昔、まだ自分が子供の頃だった頃、親戚がパチンコに狂った。
自分のお金を全て使い果たし、会社の給料、そしてボーナスまで嘘をついて前借りをして、全部使い込んだ。
それでやめておけばまだ良かったのに、それでもお金が足離なくなると、消費者金融にお金を借りた。
その時点でもうだいぶ悪い結末が待っているのに、その親戚は消費者金融にお金を借りられなくなると、ヤミ金にまで手を出した。
ヤミ金に借りたお金は利子だけでもものすごい金額が増えていった。
そして、ついにお金がどこからも借りられなくなると、その借金をした親戚は美紀の両親など、他の親戚たちの電話番号などを闇金に告げてどこかへ逃げてしまった。
すると、行き場をなくした借金取りがどんどんと美紀の家にやってきた。
「金返せ。」
と怒鳴りながら、ドアを叩かれたこともあったし、近所に
「借りた金を返さない」
という悪い噂を流されたこともあった。
あまりの恐怖に警察に通報すると、今度は無言で家の横に車を止めてい座った。
借金は、借りた本人以外に返す義務は無いが、この人たちがいなくなるならお金を返そう…と親戚一同で会議を開いたが、相手の提示金額は親戚たちが分担しても支払えるものではなかった。
そしてある日、ついに耐えかねた美紀の父が弁護士と警察に通報して、借金取りが美紀たちの前に現れる事はなくなった。
そんな昔の頭の中に甦った。
「美紀…美紀?」
「やめて、パチンコなんてやめて…。」
普段あまり大きい声を出さない美紀の声に渉は驚いて、一歩後ろに退いた。
「ごめん、もうやらないよ。…それで、また仕事を探すよ。」
「少しの間なら、今までの貯金を崩して二人食べていけるから。ね…」
「ごめん」
まるで土下座をするように大きく頭を下げた。




