水も滴る…
春も3月末になると暖かい日が多く、みいちゃんはいつも一番よく陽が当たるところで寝ている。
顔を近づけるとお日様の匂いがした。
美紀は直射日渉を浴びてスヤスヤ眠っているみいちゃんのお腹に手を当ててみると、みいちゃんは暖かく心地良かった。
「ちょっと買い物に行ってくるね。お留守番お願いね。」
美紀は駅前のお店がまとまっている商店街のようなところに行った。
そして駅近くのお店に入ろうと振り向くと、渉に似た人が駅の改札口吸い込まれていくのが見えたような気がした。
(あれ渉?)
渉は朝いつもの時間に家を出ていったはずで今頃仕事中のはず。
こんなところにいるわけがない…。
他人のそら似だと思って薬局へと入っていった。
夕方には家に発達した夕立雲で、ひどい雷が鳴り響いた。
窓の外が俄に昼間のような明るさになり、直後に地響きがするほどの雷鳴が轟く。
驚いたみいちゃんはびっくりして暴れて、美紀が抱きしめるとみいちゃんの心臓はドクドクと大きく波打っていた。
「大丈夫、大丈夫…。」
美紀は自分が怖いのも我慢してみいちゃんを励ましているとドアが開いて
「ただいま。大丈夫か」
玄関で渉の元気な声がした。
「おかえりなさい。」
美紀はみいちゃんを抱いたまま玄関へ行くと、そこには水が滴るほどずぶ濡れになった渉が立っていた。




