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となりの君が、遠く見えた日 雪野怜央の視点

この作品は、chatGPTのAIによって、作者のプロンプトを基に作成した物語です。

「空の色に似た想い」を雪野怜央の視点から描いています。

家が隣で、窓から見える向こうの部屋に灯る明かり。

それが、俺にとっての日常だった。


月島歩夢。

幼馴染で、同級生。誰にでも優しくて、嘘がつけないやつ。

気づけば、いつからかその笑顔が特別になっていた。


でも、言えなかった。

「好きだ」なんて、言った瞬間、今までみたいには戻れない気がして。

だから俺は、“隣の席”を守ることにした。



春の終わり。教室の空気が少し緩み始めた頃、転校生が来た。


「花輪優羽です。よろしくお願いします。」


その声に、歩夢が少し驚いたように目を丸くした。

瞬間的に嫌な予感がしたのは、きっと俺の勘が鋭かったからだ。


眉目秀麗、頭も良くて、性格も悪くない。

なのに驕らず、人懐こい。

……なんなんだよ、完璧すぎるだろ。


でも、不思議とウマが合った。

部活帰り、買い食いしながらくだらない話をしたり、

昼休みにノートを貸し借りしたりしてるうちに、自然と「親友」と呼べる距離になってた。


歩夢のことを除けば、な。



ある日、放課後。体育館裏でふたりで話してる時、優羽が言った。


「なあ、雪野くん。月島さんのこと、好きなんだろ?」


図星を刺された俺は、何も言えなかった。

答えるのが怖かった。

言えば、すべてが動いてしまう気がした。


でも、優羽はそれ以上何も言わなかった。ただ、優しく笑ってこう言った。


「いいな。そういうの、ちゃんと想えるって。」


なんだよ、それ。

ずるいくらい、まっすぐで、あったかい。

そりゃ、歩夢も惹かれるわけだ。



文化祭の準備でにぎわう教室。歩夢は、花輪と一緒に笑っていた。

俺の心は、ちょっとずつ削れていった。


でも、決めてた。

歩夢が笑ってるなら、それでいいって。


ただ、その夜。

歩夢が、俺に言った。


「最近、話す時間、減ったよね。……私、何かした?」


胸が苦しくなった。

何もしてないのに、俺の方が勝手に離れていってた。


それでも言った。

というより、こぼれ落ちた。


「歩夢のことが、ずっと好きだった。」


歩夢は、驚いた顔をして、それから笑った。


「そっか……ありがとう。」


返事はそれだけだった。

でも、不思議と、心が軽くなった。



文化祭当日。劇の中で、俺は台詞をアドリブに変えた。


「好きな人の隣にいられるのが、一番の幸せだと思う。」


そう言ったあと、ふと歩夢を探した。

客席の中に、ちゃんと彼女がいて、まっすぐ俺を見ていた。


そして、終演後。歩夢が隣に来た。


「ねぇ、今日の劇、すごくよかったよ。」


「ああ、ありがとう。……最後のセリフ、アドリブだった。」


「“好きな人の隣にいられるのが一番の幸せ”ってやつ?」


「うん……あれ、本当の気持ちだから。」


歩夢は何も言わずに、俺の手を取った。


「私も、そう思う。」


まるで夢みたいな瞬間だった。

でも、これはちゃんと現実だった。



いつだって“隣にいるだけでいい”と思ってた。

でも、勇気を出して言葉にしたら、

歩夢は、ちゃんと応えてくれた。


空の色が、少しだけやさしく見えた。

となりの君が、もう遠くなかった。



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