第7話 デートで○○○○
フィオラ視点
ある討伐依頼の最中、フィオラは後ろからリアたちの戦う姿を後衛をしながら見ていた。討伐対象の魔物を殲滅して近くの木陰で一行は休んでいた
【やっぱりリアは凄いなぁ】
とフィオラが心の中で思っていると
「やっぱりリアは凄いなぁ、って思ってるでしょ」
とサイラは話かけてきた
「え!?」
と赤面しながらサイラの方を向いた
「あら、可愛い」
と赤くなったフィオラの顔をみてサイラがいう
「サイラさん!フィオラちゃんをいじめちゃダメですよ!」
「そうですよ、フィオラちゃんはリアのものなんだから」
と戦士のマヤと魔法使いのマルタがサイラに言う
【リ、リアのものだなんて、//】
とさらに顔を赤くして顔をフードと手で隠す
「ありゃりゃ、」
とマルタが戸惑ってしまい
「全く、これだからお兄ちゃんは、」
とマヤはマルタに呆れてしまった
それじゃあ、依頼も終わったから休憩終わったらそろそろ出発するぞ!
一同「はい! おう! えぇ あぁ」
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私とリアがこのパーティに入ってから2週間が経った
私たちは今ナーラという町で旅の資金を集めている
王都まではこういった町で資金集めをしつつ旅をしている。
そんな旅路だが、最初からリアはみんなに溶け込んでいったのだが、私はかなり時間がかかってしまった。
なんなら初めの頃はマヤやハスミのことをリアのことを狙う敵だと思っていた、だけど今はもうそんなことは思わない!
なぜなら2人は私がリアのことを好きだと知って応援してくれたんだ!
そして今!2人がコーティスさんやサイラさんたちを上手く誘導してリアとの2人きりの時間をつくってくれた!ここまでしてくれて敵なわけないでしょ!?
【あぁ、リアと宿の部屋で2人きり、こんな時間久しぶりだなぁ】
と私は思いにふけていた
このパーティでは寝る時はコーティスさんとサイラさん以外の男女は別の部屋で寝るので2人きりになれる時間はほぼ無かった
リアはぼーっとしている私を心配して
「フィオラ?ぼーっとしてるけど大丈夫?」
「ん?え?あ、大丈夫」
【数日ぶりにリアと話したせいかまともにリアと話せる自信がない!】
「もしかして血が飲みたい?」
とリアが左腕を出してきたので
「いや、!そういうわけじゃなくて、!」
と慌てふためいた後にモジモジとしていると
「えっと、その、もしよかったら少し露店でも見に行かない?」
とリアがこんな提案をしてきた
私は頭の回転速度を加速させた
【露店でも見に行かない?→一緒に外に行こう→デート!】
「うん!もちろん行く!」
「じゃあ今からでも行こうか」
と言い2人は最小限の荷物をもち、置き手紙を置いて外に出かけて行った
リア視点
「着いたね」
2人は街の露店が立ち並ぶ通りにやってきた
そこには食べ物や武器、アクセサリーまで大体のものならなんでも取り揃えていた
「リア!私!あれ食べたい!」
そういってフィオラが指さしたのはクレープだった
【なんかこれデートみたいだな】
【?、いやちがう、デートだ!】
と考えていたらフィオラが首をかしげて僕の返事を待っていた
「わかった。何味食べたい?」
といいその店までやってきていちごのクレープを買った
「んー!おいしい!リアも食べてみてよ!」
といちごの乗ったクレープをフィオラはリアの口の前に差し出す
「じゃあ遠慮なく!」
パク!
その瞬間いちごの酸味とクリームの甘さが口の中に広がった
「んー!確かに美味しいね!」
と言って1秒後、フィオラの顔がフードであまり見えないが赤くなっていた
【?どうしたんだろ、】
と考えていると、僕の食べた後のクレープに一口も手をつけていないことに気づいた
【?!もしかして、食べられすぎてショックを受けてる?!】
「新しいの買ってこようか?」
と言ったのだが
「やだ!これがいい!」
と言って覚悟を決めた目をしながら一気に食べてしまった
【??なんだったんだ?】
と思いつつも露店巡りを再開した
フィオラ視点
露店を見ながら歩いていても、それどころじゃない女の子がそこにはいた、私だ
【か、か、間接キ、キス、しちゃった、!、】
自分でも顔が赤くなって耳まで熱くなっているのがわかる
もう頭の中が恥ずかしさと嬉しさ、喜びで、いっぱいになっていた
【?!待って!そもそも私が最初に食べてて次にリアが食べたからリアも、、、!】
と考えてリアの方をチラッと見てみると
なんでも無かったかのようにお店を見ていた
【リアは、そんなに気にしてないのかな、?】
そして2人でその後もいろんな店をまわって歩いていると、一つの店の前でフィオラは足を止めた
「リア、これ見て」
「ん?どれどれ、」
その店を覗くと色々な武器や防具、アクセサリーなんかも置いてあった、そしてフィオラはその中の一つ、銀色の細いチェーンに小さな赤い宝石のような装飾が施されたブレスレットを見つけた
「これいいね!フィオラに似合いそう!」
「買う?」
「いいの!?」
フィオラは目を輝かせながらリアを見た
「え、別にこれくらいなら、」
と言いながら名札を見る
まぁこれくらいならギリギリ買えるな、今週は節約生活確定になるけど・・・。フィオラの笑顔が見れるなら安いもんだろ
「すみません!これください!」
「あいよ!お買い上げありがとうごぜぇやす!」
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それから2人はまた色々な店を見てまわった。その時間は長いようもあるが一瞬にも感じられるほどのとても楽しいひと時だった
リアとフィオラはふと空を見上げて空が赤く染まっていることに気がついた
フィオラの左腕には先程買ったブレスレットが付けられており、フィオラは時々歩きながらも左腕を見て微笑んでいる
「じゃあそろそろ帰ろうか?」
「そうだね・・・もうそんな時間・・。」
とフィオラは少しもの寂しそうに言う
「フィオラ」
リアは俯くフィオラの両手を優しく握る
「またどこか2人で一緒に行こう」
「うん、!」
リアも内心では、あぁもうそんな時間か、と少し寂しく思っていた。
そして彼らは宿への帰路へとゆっくりと歩いてつくのだった。
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後日談 初デート終わり
リア視点
フィオラとのデートが終わり、それぞれの部屋に帰った。リアは部屋に戻ってからずっとどこか上の空だったが、部屋の他の人たちはなんとなく察して話しかけずにいた
【、、、】
【気にしないようにしてたけど、した、よな、?】
そう、僕はつい先ほど、フィオラとクレープ越しに間接キスをした
【、、美味しかったなぁ、】
その時、コーティスが部屋に入ってきた
「よぉ!フィオラちゃんとのデートはどうだった?」
といきなり聞いてきたが、そんなことはどうでもよかった
「なんか上の空だな〜、なにかあったのか?」
と優しく聞いてきた、喧嘩でもしたのか、とでも思っているんだろう、だが違う、なんなら喧嘩の逆だ
「間接キス、しました、」
と正直に話してしまった
「間接キス?」
「はい、」
とコーティスは目を見開いて僕の顔を見てくる
「間接キスで照れるとか、そういうところはガキなんだな!笑」
と煽られたがどうでもよかった
その日、僕は眠れぬ夜を過ごした
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間話 おかしな魔法使い
僕は最近コーティスに剣を教わっている、父親のと比べたらまだまだな実力のはずなのに実戦となるとコーティスは僕と剣の稽古をしている時よりも遥かに強くなっている。
これは僕に対して手加減しているというわけでもない、なんなら本人も強くなっているとは思ってないようだ
なので僕は実戦は集中しているため強くなっている。
ということで片づけていた
しかしある日、依頼で魔物を討伐している時に僕は気づいた。それは僕が足を捻って後衛に下がった時だった
「####」
とサイラがなにか聞こえなかったが確かに何かを呟いたのが見えた、その瞬間コーティスの雰囲気が一気に変わり、一瞬で魔物を討伐した
その後サイラに何をしたのか聞いた
しかし、サイラは何もなかったかのように
「さぁ?なんのことかわからないわ」
と言った
きっとなにか知られたくない事情があるのかもしれないと思った僕はもうなにも言わなかった
「?なに話してたんだ?」
とコーティスが僕たちの間に入ってきた
「いいえ」
「ただ、今日の夕飯はなに食べたいか話してただけよ?」
とサイラが言うので僕も首を縦に振った
「じゃあ!金も入ったことだし、早速なにか食べに行くか!」
とコーティスが言い、その後に僕たちは着いて行った