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第40話 千里眼

剣とウィンドローテがぶつかり合ったとき、剣は角度を変えて真上へと持ち上がった


「なんだ!これは!」


捉えたと確信していたイザークは突然自分の意思とは裏腹に真上へと持ち上がった剣をみて驚愕した


なぜならこのような魔法を彼はこれまで見たことがなかったからだった


【オリジナル魔法なら隙を作れる!】

【たとえ相手が騎士団の人でも、僕の剣は届く!】


"魔法付与(エンチャント)・岩"


そして流れるようにリアは剣を抜いてその横腹に重たい打撃を剣の面の部分を風圧で加速させながら繰り出してイザークは壁へと激突した


「かはっ、!」


そしてそのままリアはまた走り出して立ち上がることの出来ない彼の前を通り過ぎた


「大丈夫か!?」


後から続いたヘイスがその場から動かない彼を見て血相を変えながらやってきた


「俺は大丈夫だから、追え!」


壁にめり込んで頭から血を流しながらもイザークはリアの向かった方向を指差して叫んだ


ヘイスはイザークと目が合い、軽く頷くとその前を通りかかるとリアの背中をその目に捉えた


"爆音衝撃波(ソニックブーム)"


リアの手から真空波が放たれ、雷鳴のような破裂音が耳を刺した


その音に思わずヘイス立ち止まりながら、イザークは座り込みながら耳を強く塞いだ


「くっ、!」

「どこだ!?」


思わず狼狽えてしまったためか、完全にリアの姿を2人は見失った


「きっとフィオラのところに行こうとしてるんだろう…」

「イザーク、フィオラはどこにいる?」


ヘイスのその問いにイザークは数秒黙り込んで考えた


「はぁ、仕方ないか…本当は言っちゃ駄目なんだけどな…」

「あのフィオラだったか?彼女は地下室にいる。地下のどこかはわからないけど、少なくとも地下への階段は一つしたないし、出入りは警備員に常に監視されている。」


「なるほどな、だが…」


そう言うとヘイスはイザークの頭に手をかざした


"生命の寿(ライフ・ライフ)"


「立て。傷は治したぞ」


ヘイスは右手を差し出した


「まだ働けってことね。」

「はいはいわかったよ。彼を止めるぞ」


イザークはヘイスの手を取って立ち上がり、2人は地下室への入り口を目指した


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【あの棘は下の階から飛び出てきた。ここは1階、つまり一階の床よりもさらに下から伸びていると言うことは地下!】


廊下を走り回りながらリアは辺りを見回している


【あそこの部屋の真下の位置にフィオラがいるとすれば…】


さらに走り続けてとある看板の前で足を止めた


「館内案内図?」

「これなら…えっと、地下への道はと…」

「これか?でもここって…」


リアの目線の先、それは一つの小さな階段だった

そしてさらにその区域はこうも書かれていた


「職員以外立ち入り禁止…」


だからなんだと言わんばかりにリアは再び走り出してその場所を目指し始めた


いくつか角を曲がって道ゆく人々の間を縫うように抜けていって鉄格子の扉の近くに警備員が立っているのが見えてきた


「あそこだ…あの鉄格子の先が立ち入り禁止の場所…」

「そしてその先に…」


"白煙(スモーク)"


一体が真っ白な白煙に包まれて辺りが白一面の景色へと変貌した


「な、なんだ!」


他の職員や警備員が平常心を失っている中、その隙をついてリアは鉄格子の扉の先へと静かに進んでいった


「よし、次はこのまま突き当たりを左にずっと行けば階段だ!」


リアはまわりに注意を払いながら、職員に見つからないように静かに進んでいく


「ねぇ…リア」


静かに囁くような声がした

声の発声元はクレアのいる宝石からだった


「どうかした?クレア」


周囲を見て人がいないことを確認して小声でリアは応答した


「空間の権利で移動すればいいじゃない」


「あ、」


リアはその一言にポカンとして空いた口が塞がらなかった

しばらく思考停止した後、ブンブンと頭を振って正気に戻った


「じゃあとりあえず、フィオラの周りの状況を見てみよう。」


"千里眼(せんりがん)"


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


少し前・・・この部屋にて・・・


「この部屋はなに、?」


頭の傷の修復もままならないまま、突然この部屋に入れられた


「正しき器にするための'調教'よ」

「今から私はあなたの全力を壊して壊して壊して壊して!」

「あぁなにもできない、なんて無力なんだろう、って思い知らせてやるんだよ!」


そう怒号を挙げると彼女はフィオラのお腹を思い切り蹴り抜いた


「こほぉっ、!!」


そのままフィオラは向かいの壁に叩きつけられた


【なに、これ、お腹が、…】


フィオラは青ざめた表情で瞳孔も震えていた


「死に、たくないっ、!!」


"真紅ノ棘(クリムゾンソーン)"


いつもの色とは違う、より深い紅い色をした薔薇の茎とその棘のような形をしたものがしなるように何本も部屋に張り巡らせて一心不乱に暴れ始めた


しかし突然部屋の陣が光り始めた


彼女に当たるはずの一撃一撃が彼女に触れようとすると即座にボロボロと塵になってしまう、そしてそれは部屋の陣に当たるものも同様にだった


【どうなってるの、!当たらないなんてっ、!】

【こうなったら、もっと、もっと、押して押しまくれ!】


より本数が増えて勢いを増し、より強く叩きつける


すると天井から小石が落ちてきてフィオラの頭に当たった


「なに、?」


フィオラが見上げるとそのうちの一本が天井に触れて、そしてその陣を突き抜けた、ほんの先っぽだけ飛び出した瞬間、またボロボロと崩れ落ちてしまった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「はぁ、はぁ、!」

【あれから全然、破れない、!】


「あら?まだ抵抗するの?もう吸血鬼の魔法を使うにも血が足りないでしょうに?」


蝋燭の部屋から移動し連れて行かれたのはさっきの部屋と大きさもそう変わらない


唯一違うところがあるとすれば2つ片方は'臭い'だった、フィオラは本能的に感じることができた、それは吸血鬼だからこそだった


そしてもう一つ、それはこの部屋の壁、床、天井に描かれている丸い陣だった、その円の周りにもさまざまな記号などが描かれていた


【この血の匂い、1人や2人じゃない、何十人もの匂いが重なってるほどに濃い…】


【それよりもこの女はなに!?】

【私の魔法が全然効かない、、】


"血の剣(ブラッディソード)"


中に5本もの血の剣が一斉に目の前の短い茶髪の女性に向かって鋭く速く放たれた


「だから無駄なのよ」


彼女に剣先が触れるかに思った瞬間にその剣はボロボロと崩れ落ちてしまった


「出力も落ちてるじゃない?最初の一撃目のやつを連発さえ出来れば話は変わったのにね〜?」


煽るような口振りで彼女は鋭い眼光を息切れが止まらないフィオラに送った

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