番外編2話 愉悦の少女
「全く…遠くまで飛ばしてくれましたね…」
遠い森の中。木に引っかかっているボロボロの男がそこにはいた
「私が失敗したとなれば。プルソン様のお手を煩わせることになりますね…」
「ここはどこなのでしょう…」
その時、草を踏み締める音が聞こえてきた
【誰でしょう…】
オロバスは近づいてくる音に警戒心を露わにしていたがその緊張はすぐに解けた
「この音は…あなたでしたか。」
それと同時に肩ほどまでの長さの黄色の髪と瞳をもった15歳ほどの少女が歩いてきた
「ラウムーレさん」
彼の無様な姿をみたラウムーレは真下に立って見上げながら豊かな笑みを浮かべた
「あらら〜?オロっち〜。どうしたの?そんなところで〜?」
「あなたこそどうしてここに?珍しいですね、いつもあの趣味の悪い'楽園'で遊んでいるでしょうに…」
彼女は一切表情を変えることはなかったが、少し嫌な思いをしたのか…
「おじさん〜?言葉に気をつけなよ?私の一挙手一投足がオロっちの命に関わるんだからさ?」
「この私さえも'楽園'へ送るというのですか?」
「んーそれもいいけど、オロっちは優しいからさ〜。」
「楽しむならもっと踊らせないと♪」
「ふふ…それを本人の目の前で言うのですね…」
「目は見えないけどね〜♪」




