第15話 あなたのことが・・・
リアはフィオラに抱きしめられて心臓の鼓動が速くなるのを感じた
フィオラはリアの胸に耳を当ててその音を聞く
「速いね、」
「いや、うん、」
リアはその瞬間次にフィオラが発するであろう言葉を予測し、そんなこと言われては耐えられないという確信を得た
しかしなにかを言葉を発するより先にフィオラが口を開いた
「どうしてこんなに速いの?私がこうしてるから?」
ブチン!と何かがリアの中で千切れたかのように見えたが理性が一筋残ってなんとか耐えることができた
そんなリアに追い討ちをかけるようにフィオラは
「朝のアレ、またやりたい」
【朝のアレ、?あぁ血が足りないのか】
「血?だったら腕でも、」
腕でもいいんじゃないと言おうとした瞬間、フィオラは近くにあるリアの後頭部を押さえてキスをした
「血は関係なくやりたかったの、」
とフィオラは我慢の限界に達し、リアの顔を見ることができず下を向いて赤面してしまう
「キス、」
とリアがつぶやくとフィオラが動揺する
「いや、!あの、!そうだけど、!」
2人の間に静寂が走った
すると扉の近くから声が聞こえてきた
なんだと耳を澄ますと男と女の声が聞こえてきた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あれ、?なんも聞こえなくなったぞ?」
「ちょっと、コーティス、もう少し声抑えて、」
「まさか、おっ始めたのか?」
「・・・.」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【あの人たち、】
リアがため息を吐いてると
「なにか聞こえる、」
と言いながらフィオラがリアの横から扉を見ようとしてバランスを崩してしまう
「きゃっ!」
リアはすかさずフィオラを右腕で受け止める
そしてフィオラリアの腕の中で顔を赤くして目を逸らす
そのとき、リアはふと思い出した
「フィオラ、そういえば牙は?」
「え?」
フィオラは予想外の展開に頭がフリーズしたがすぐに答えた
「一度牙を抜いて丁度いい大きさに再生させたの」
「ぬ、抜いた!?」
「うん、凄く痛かったけどこれなら歯を見られても吸血鬼だってバレないでしょ?」
そのことにリアは仰天し扉の外からも男の声がした
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「歯を抜いた!?」
バシーン!
「痛ぁ!」
「静かに!、」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
フィオラも思い出したかのように口を開く
「リアも、確か歯、」
「そういえば父さんに殴られて取れたんだった」
「口開けて」
「あー」
「歯を治すのはもうなれたから」
と言ってフィオラは指の腹を少し切って出血させ、リアの頬にその手を添えて歯を再生する
「はい、終わったよ」
とフィオラは頬から手を離す。その手の傷も一緒に治したようで、傷口にひとつついていなかった
「ありがとう」
ふと時計を見るともう夕飯の時間が迫っていた
「フィオラ」
「、!なに、?」
フィオラはドキッとしながらリアの方を向く
「もうご飯の時間だからそろそろ行こう」
「あ、うん、」
2人がそんな話をしていると部屋の外の気配が急に消えた
そして一緒に部屋を出て食堂へ向かった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
全員が集合してまた他愛のない話をしながらご飯を食べる
この2日間、色々なことがあったけどまたこの日常に戻れたことが何よりも嬉しい、だけどそんな日常に今まさに変化が起きている
「リア、口開けて、あーん」
「???」
【部屋が一緒になって、今、明らかに昨日までのフィオラと違う】
【フードも外してるし】
だからといってこんな嬉しい提案を無下にするわけもなく遠慮なく口を開けて"あーん"を堪能する
「あーん」
パクッ
うん、今まで食べたもののどれより美味しく感じる
これ以上の調味料があるだろうか、いやない!
「美味しい?,」
「とても」
フィオラは頬杖をしながら逆の手で僕の皿から食べ物を取って食べされる
そんな光景をまわりのみんなも眺めている
"なんだこのてぇてぇは!?"と
そしてご飯を食べ終わり全員がそれぞれの部屋へ戻っていく
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
リアはあの2人がついてきていないか確認してから部屋へ入るとフィオラが居なかった
【あれ?先に部屋に入って行ったはず、】
部屋をよく見回すとベッドの布団が膨らんでいることに気がついた
「フィオラ?なにやってるのー?」
と言いながら布団に近づいていく布団の目の前にきても出てくる様子がないのでツンツンと突いてみることにした
布団の上からなんとなく何発かつついていると謎の弾力感があり5発目くらいで
「ひゃあ!」
と布団を大きく動かしてながら声が聞こえた
【まさか目ついちゃった!?】
「大丈夫!?フィオラ!」
と布団を引き剥がす
布団を剥がした瞬間、そこには美しい白髪と真紅の瞳をした薄着のフィオラが顔を赤くしながらこちらを向いていた
薄着のフィオラを見た瞬間気絶しそうになったがギリギリ持ち直した、そんな努力も無駄にしてしまうのがそんなフィオラの一挙手一投足であり、言葉であった
フィオラは両手をで布団を手繰り寄せ顔の近くまで持ってきて口を開く
「デザート、たべる?」
とリアの目を見ながら恥ずかしさに溺れながら言った
【誘ってるよな、これ】
【それにしても、】
リアの目線が顔から下へと下がっていき、その年齢にしてはまぁある方のメロンを眺めていたがすぐに気を取り直そうとしたが頭がこの状況に追いつくことができず混乱した
【どうして、急に!?】
【てか、そんなの誰から教わったんだ!?】
【先生はそんな風に育ては気はないけど、これはこれで、】
と色々考えた結果、ここまでのフィオラの行動はこれまでと違く、とてもなんというか、積極的になっているように見える
別に僕は嫌というわけではない、なんなら向こうから積極的にコミュニケーションを取ってくれるのはとても嬉しい
だがここまでとなるとなにも言わない訳にはいかなくなる
「フィオラ」
リアは真剣な表情で布団で目から下を隠すフィオラの手をとる
その手は小さくて細くて色白でとても滑らかな感触だったしかしその手は少し震えており、フィオラの本心をその手が無意識に代弁していた
【怖いんだな、】
リアはフィオラの手を両手で取って目を見て話す
「フィオラ、焦らなくていいんだ」
「そういうことはちゃんと考えて・・」
「まだ僕たちは子供だし、大人になるまでまだまだ時間はある。」
その時、フィオラの目から涙が溢れる
そしてボロボロと泣きながらリアに訴えかける
「私、怖いの」
「もしもリアが私の所から離れて行ったらって思うと、」
「だから、だから、リアが私を置いてどこかに行かないよう、」
リアは泣いているフィオラを抱きしめて言った
「僕はどこにも行かないよ、だから安心して?」
フィオラを顔を上げて上目遣いになる
「本当に?」
リアはフィオラの頬を撫でて親指でフィオラの涙を拭う
「本当だよ」
「だから今日はもう寝よう?」
「うん、」
リアがフィオラの頬から手を離してもう一つのベッドへ行こうとする
「じゃあ、一緒に寝よ、?」
「なんで!?」
突然の申し出に咄嗟に声が出てしまった
「どこにも行かないって言ったんだから、!」
あぁこれは断れないやつだなと思う反面、胸の高まりが抑えられないリアだった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
フィオラ視点
あれから現在、今私たちは同じベッドで寝ています
隣にはリアが寝ていて手を少し伸ばすだけで届く所にいる
ふとリアの方を見ると、これまでの疲れからかすやすやとリアは眠っていた
【私、リアとキス、したんだよね、】
【なんなら、その、ディープなやつも、///】
間接キスならしたことあったけど直接は初めてだった
【それに、そういう事は大人になるまでとか、つまり、もう何年かしたら、///】
フィオラは恥ずかしがりすぎて両手で顔を隠す
【でも今は、】
フィオラは両手を開けてリアの頭を撫でる
【これが一番幸せだから、いいよね。】
そして少女はゆっくりと目を瞑り深い眠りについた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌朝、窓の外はもう明るくなっておりカーテンの隙間から日光がリアの目に差し込む
「う、うーん、」
日光で目覚めたリアは天井を見つめる
恐る恐る右隣に目をやるとスゥスゥと寝息をたてているフィオラがいた
【かわいいなぁ・】
前髪が目にかかっていたので耳にかけてあげようと
ゆっくり髪に触れて耳にかける
【起きてないよな・・?】
フィオラはまだムニャムニャと寝ていた
顔を近づけてそっと髪に触れる
スンスン
リアはフィオラの匂いを嗅いだ
【うん、いい匂い】
その時近づきすぎたのかそれとも触り過ぎたのか、フィオラが目を覚ます
「うー、ん、?」
「え、?!」
【なになに!?この状況!起きたらリアがこんなに近く!】
フィオラはどこか嬉しい反面、物凄く戸惑いながら声を振り絞った
「あの、リア?どうしたの、?」
「ん?僕がこうしたいからだよ」
「あのね、その、そうしてくれるのは物凄く嬉しいんだけど」
と言いながら向かいの壁にかかっている時計を指差す
その時間を見ると既に朝食の時間になっていた
「ハッ!やばいやばい!急いで行かないと!」
ベッドから飛び出て部屋を出ていこうとする
「フィオラ!はやくしないと怒られるよ!」
【まぁ、もう怒られるのは確定なんだけど、】
リアは遅刻には人一倍うるさいエヴァンの説教が目に見えていた
「ちょっと待って!リア!」
フィオラは布団から出た
きていた服は当然のことなのだが昨夜に着ていたちょっと大人っぽい薄着だった
「はぅ!なんでそんな格好!?」
「昨日の夜見たでしょ!///」
「あ、そっか///」
フィオラは急いでいつもの服に着替えてリアと一緒に部屋を出て階段を駆け降り、食堂に着いた
案の定入り口にはエヴァンが立っていたのだが、なぜか普通の顔をして立っていた
【あれ?いつもならすごく重々しい雰囲気を醸し出してるのに、】
【とりあえず行かなきゃ】
「おはようございます、」
「すみません、寝坊してしまいました、」
申し訳なさそうにそういうがエヴァンは怒るわけでもなく
「いや、それよりもはやく席に行こう、」
気まずそうに2人と一緒にみんながいる席に向かおうとする時にリアに小声で話しかける
「リア、その、」
「?なんですか?朝から様子がおかしいですよ?」
リアがそのように問いかけるとエヴァンは足を止めて頭を掻きながらリアの肩をポンとして
「いや、まぁ、ほどほどに、な?」
「え、!?」
どういうことが一瞬わからなかったがエヴァンがフィオラの方に顔をクイっとやったのでなんとなく理解出来てしまった
「いや、!違いますって!」
エヴァンは目を閉じてうんうんと頷くと席に向かって歩き出した
「本当に何もしてないですからー!」
リアも小走りで追いかける、フィオラはリアの最後の言葉以外の会話が聞こえなかったので頭を傾げていた
【?なに話してたんだろ?】




