第14話 家族想い
コーティスは倒れているソウタを縄で手足を拘束し、サイラとロノアは馬車の方とむかい、そこにいた3人を拘束してソウタの元へ運んだ、馬を従えていた御者の男は拘束せずに大人しくしているよう忠告してその場に留まらせた
リアの血を舐め取っているフィオラは顔の傷もほぼ完治して目がしっかり見えるようになると自らが行なっている行動について自覚を持った
【///、ちょっとコレって、私、やっちゃってる!?】
【でもリアは拒んでる様子はないし、コレって続けていいってことだよね、?】
「いつまでやってるのよ!」
とサイラがフィオラたちの前にやってきて声をかけてきた
「再会できたのはいいけど、ちょっと子供にしてはやりすぎよ、」
【そういうのはもうちょっと大人になってからにしなさい。】
「プハッ」
2人は顔を真っ赤にしながらお互いを見つめた
「えっと、ど、」
「ありがとう、!」
とフィオラはリアを抱きしめて耳元で囁いた
「これが私の気持ち、血は、えっと、ありがとう、」
「あ、え、?」
と混乱しているとコーティスが父さんを引きずりながら連れてきた
「おいフィオラ、コイツに巻きついてる魔法、解いていいぞ」
「手足は縄で縛ったし剣はこの通り没収した!」
「うん、わかった」
といいソウタに巻きついていたトゲ状の縄が辺りに鉄の香りを漂わせて消えていく
その時、後から追ってきていたみんなが追いついてきた
「・・・.」
「気づかないのか?お前ら、」
とソウタが言い、フィオラはビクッとする
しかしコーティスが口を開いた
「気づいてたさ、薄々な、お前がフィオラを連れ去った時に確信に変わった、でもなコイツはもう仲間だし、俺たちはフィオラを信頼してる!その信頼はフィオラ自身が地道に積み上げていったものだ!」
その場にいたコティーズのみんなが首を縦に振った
「最初の頃は怖くて眠れなかったけど」
「普通の女の子なんだなって感じ始めてからはもう怖くもないし一緒の部屋で寝てるし!」
「確かに始めは疑いしかなかったが、今では背中を預けられる立派な仲間だ!」
とマヤとテイルが続いた
「だから私たちはあなたの正体がなんであれ態度を変えるつもりもないし、ずっと仲間のつもりよ」
とサイラはフィオラの頭を撫でる
その瞬間フィオラの目からは大粒の涙が流れた
「私、こんな、いいの、かな、」
「吸血鬼、なのに、」
「いいんだよ、少なくとも、みんなはそんなことでフィオラを悪いって決めつけない、」
と言いながらリアはフィオラを抱きしめる
「うん、ありがとう、!」
とフィオラはリアの胸の中で笑顔に泣いた
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フィオラが落ち着いた頃
「さて、こういうことだか、どうする?」
とコーティスは拘束されたソウタに問いかける
「・・・.」
「リアを呼んでくれ、」
「安心しろ暴れるつもりはない、話があるだけだ、」
「わかったよ」
「リア!こっちに来てくれ」
リアはフィオラを抱きしめている、フィオラはリアの顔を見るために少し上を向きながら
「行ってきていいよ、だけど終わったらまた、抱きしめてくれる?」
「、!もちろん!」
と言って涙跡が残るフィオラを一回撫でてソウタとコーティスの元へ向かった
【尊い、!】
と陰ながらサイラは鼻血を垂らした
そしてリアがソウタとコーティスの元へ行くと
「リア、話がある」
「なんですか?」
「その、すまなかった、俺が間違ってた、吸血鬼だからってだけで討伐しようとしていた、よく考えればわかることだった、」
「ただ、お前が心配でそこまで考えられなかったんだ、吸血鬼と一緒にいるだなんて危険なことには変わりない、だが、お前はあの子と一緒にいる時、俺が見たことのない笑顔を見せるんだ、」
「俺にできないことをあの子は成し遂げてしまうんだ」
「俺は笑わせるどころかお前の意見も聞かないで俺のこうあって欲しいを無理やり押しつけた、その結果、お前をあんなに怒らせて、悲しませて、父親失格だよな、」
「本当にすまなかった、!!」
とソウタは手足を縛られながら頭を地面に擦り付けて土下座をした
リアはそんなソウタに近づいて口を開いた
「顔を上げてください父さん、」
ソウタが顔を上げるとリアは優しく微笑んでいた
「父さんの謝罪は伝わりました、僕のことを心配してくれたこと、とても嬉しく思っています」
「そこでひとつお願いがあります、母さんも聞いてください」
「うん、わかったわ」
「僕はこれからフィオラやみんなと王都へ行って吸血鬼の衝動を抑える術を探します、それが全部終わったら必ずまた会いに行きます、なので待っていてください」
ソウタとクリスの2人は顔を見合わせてお互い頷くとソウタが口を開いた
「わかった、俺はお前を縛りすぎてたんだな、自分がやられて嫌だったことを無意識のうちにやってたなんて、俺は最低だな、笑」
「それがお前のやりたいことなら俺たちはもう止めないよ、お前ならやり遂げられる、なんたって俺の息子なんだからな!お前のその覚悟があればなんだってできる!自信を持って行ってこい!」
「はい!ありがとうございます!」
リアは2人の縄を解き、3人で抱きしめあった
そのとき、馬車の御者をしていた男がきた
「あのー、ソウタさん?」
「あ、、」
ソウタは見るも無惨な姿に変わった馬車を目の当たりにした
「もちろん、弁償します、」
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「あの、私たちは、?」
「師匠!今はいいところなんですから!」
「ほら」
ロノアが2人の縄を解いた
「いいんですか?」
ノースがロノアに問いかけると
「もう敵対の意志はないようだからな」
「僕たちはどうしましょう?」
「そうだなー、本当にどうしよう、!、」
ノースとヨルギスの2人は夜逃げをしてここまで来たので帰る家という家がなかった
「僕たちもやりますか?冒険者」
「え、?」
「いきなりですけどこれまでの旅でノウハウはついてると思うんです、お金を貯めたらお店を始めて、また2人で暮らしたいです」
「ノース、!」
ヨルギスはノースに抱きついて頭を撫でまくってワシワシする
「ちょ、ししょ、」
「可愛いやつだなぁ!このこの!」
「ということで、ソウタ!私たちは冒険者を始めるよ」
ソウタは依然として3人で抱きしめあっていた
「て、聞いてないし、」
「はぁ、」
ヨルギスがため息をついているとロノアとコーティスが近づいてきた
「あんたは戦えるみたいだけどこのガキは戦えんのか?」
「うっ、」
ノースが痛いところを突かれたように一歩引き下がる
「図星だな、よし!」
コーティスはヨルギスに話しかける
「なぁあんた」
「なに?」
「コイツに訓練をつけたいんだがいいか?」
「どうしてそんな、あなたたちには関係、」
「男が戦えないで女の後ろに隠れてるだけなんてダサすぎるだろ?」
「それに俺たちもしばらくは金稼ぎのためにこの町にいるつもりだしな」
「いいよな?ロノア?」
「あぁ、依頼の後でいいならな」
「ありがとうございます!」
とノースは2人に頭を下げる
「おう!」
【コイツ、リア並みに育ちがいいな、】
「まぁノースがそこまでいうなら、いいよ」
「それじゃあ明日の、、、」
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その後僕は家に帰って僕の帰りを待つ両親を見送って宿屋に向かった、気づいた時にはもう夕方になっていて宿屋の前にはフードを被ったフィオラが立っていた
「リア、!おかえり!」
「うん、ただいま」
2人が宿屋に入るとコーティスとサイラが出迎えた
「帰ってきたところでお前たちに重大報告があります!」
コーティスはニヤニヤしながら言うのに対してサイラは頭に手を当ててため息をついている
「お前ら今13歳だよな?」
「確かにこの前僕は13歳になりましたけど」
「私も確かに13だけど、」
「実はなさっきギルドに行ったらなパーティのランクが上がったんだ!これで収入が増えたからもう一部屋くらい追加で借りるだけ以上の余裕が出来たんだよ」
「なにが言いたいかわかるか?」
「部屋をもう一つ借りるんですか?」
「リア、正解!」
「さすがリア!」
とフィオラは拍手する
「どうして部屋を?貯めればいいのに」
「まぁまぁ、実はなその部屋に寝ることができるのは2人なんだ」
「はやく勿体ぶらずに言いなさい、」
サイラがコーティスにそう言うと
「その部屋をお前たちの部屋に決定しました!」
コーティスがこんなことを言い出した
「はぁ!?」
「グッ(ガッツポーズの音)」
リアはあまりのことに開いた口が閉じなかった
それに対してフィオラは静かにガッツポーズをした
「もう部屋にお前らの荷物は置いといたから!」
「そんな急に!」
「はいはい、文句言わなーい!」
コーティスはリアを無理矢理担いで部屋まで持っていく
フィオラはと言うとニヤニヤしながらその後ろをついていく
そんなフィオラをみてサイラは
【本当に、この子は、】
【リア、頑張りなさい、】
そして部屋に到着して部屋に2人が取り残される
とりあえずリアがベッドに腰掛けるとその隣にフィオラが座り、リアの肩に頭を乗せて寄りかかる
「えっと、フィオラ?」
「なに?」
「えーと、なんというか、その、」
リアが言葉選びに悩んでいるとフィオラがさらに近づいて膝の上にこっちを向きながら座り目の前にやってきた
「1年前と一緒だね」
「いや、そうだけど、あの時はこんなこと、」
【近い近い近い!】
「私と一緒は嫌?」
とフィオラは首をかしげて悲しい顔をする
ドキン!
リアはその姿を見て心臓が高まるのを感じた
「いや、そんなことは、」
とフィオラから目を逸らす
するとフィオラはリアの脇の下に腕を通して抱きしめる




