第13話 復讐者フィオラ
フィオラ視点
馬車は街の外へ出て森の街道を走っている、私たちはそれに追いつこうと必死に馬を走らせて追いかける
「見えたぞ!」
コーティスが目の前に馬車を目視する
その距離は200メートル程で、この調子で走っていけばすぐにでも追いつけそうだしかし馬車の中から青髪の女性が出てきた
"水泡"
その女性は水の魔法を使い、水を泡のように宙に漂わせて私たちに向かって一斉に発射してきた
「うおぉ!」
コーティスたちの馬は右の森の茂みにそれて回避するがバランスを崩して落馬してしまう
「おいしっかりしろ、」
「わりぃわりぃ、いてて、」
ロノアがコーティスに文句を言うも騎手をロノアに変えて再び走りだす
"炎鞭"
私は騎手のサイラさんに変わり炎の鞭で迫り来る水の球を防ぐ
「んー、面倒だなぁ」
相手の魔法使いは狙いを私たちから馬に変えて再び魔法を放つ
【ごめんねお馬さん、】
"炎球"
その女性は馬に当たるギリギリを狙って発射するが馬たちはそれに恐れをなして制御が効かなくなってしまった
「チッ、」
「うぉぉぉ!」
ロノアとコーティスの方は完全に馬が言う事をきかずに2人を乗せて明後日の方向へ走っていってしまった
「まったく、肝心な時に役に立たないわねー、」
とサイラがあの2人に辛口になる
しかしもちろんサイラさんも馬のプロという訳ではないのであっさり制御を失ってしまった
「ありゃりゃ、」
「なんとかしてくださいよ〜!」
私は振りまわされながらもサイラさんをガッシリ掴んで落とされないようにする
【このままじゃリアが、】
その時ふと馬車の中にリアが居るのが見えた
父親の隣に座っていてこっちを見ていた
そして目が合った、リアは私を見て一筋の涙がこぼれ下唇を噛んだ
【!?、】
「行かせない、!」
【あんな顔されて、このまま行かせない!】
私は馬から飛び降りた
【みんなは、見てない、】
私はサイラさんたちを確認し、馬車の車輪を見た
【この距離ならまだ、】
既に馬車とは150メートル以上離れている、それでも少女は右手を前に出し狙いを定める
"血の槍"
「何か来る!」
そうヨルギスが声を発したときには、その赤い槍は的確に馬車の後輪を射抜き馬車は止まった
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リア視点
ヨルギスさんが何かを叫んだ途端馬車がバランスを崩して止まった、馬車の中は斜めに傾いて僕はなにが起きたのかわからなかった、そして僕は馬車の外を見る
そこにはこっちに走ってくる1人の少女がいた
「あ、ぁ、フィオラ、!」
やっぱりフィオラだった馬車の中から外を見て目が合った時、フィオラは目を見ながら笑っていた、そこには絶対にそこまで辿り着くという強い意思があったように見えた
そしてソウタは馬車から出てきて走ってきたフィオラと対峙する
「見逃すって言ったんだがなぁ、お前は村まで追ってきそうだしな、やっぱりここでやるしかなかったか」
「アンタなんかにやられる程私は弱くないわ!リアは私の大切な人なの、あなたが父親だとしてもリアは渡さない!」
ソウタは剣を抜き、フィオラは右手をソウタに向ける
「1年前、俺はお前の魔法にしてやられたよ、だけどな、もう俺は油断なんてしないしあると分かればなんとでもなるはずだ!」
そしてソウタはフィオラに向かってスタートを切る
【速い、けど私の魔法の方が速い!】
"石壁"
私は魔法で石の壁を作り行く手を塞ぐ
「フンッ!」
ソウタは岩の壁を拳で殴り突破する、しかしその先には無数の炎の球があり、既にソウタ目掛けて飛んできていた
【上手いな、!】
ソウタは剣を前に構えて走り出した
「ちょっと熱いくらいがなんだ!」
「だったらこれはどう?」
"氷床"
その瞬間、地面を氷が覆い、ソウタは足を滑らせてしまった
「クソが、!」
"氷弾"
フィオラは氷の礫を大量に作り出して一斉に発射した
ブォン!
ソウタは礫を剣で弾き飛ばすがそのうちの一つが頬を掠めて血が垂れる
地面は氷で前からは氷の礫、逃げようにも滑って上手く動けない
「やるな吸血鬼!」
それにフィオラは氷の礫で返し
「相手の土俵でやりあう必要なんてないの、自分のリズムに引きずり込めば格上でも戦い方はあるわ」
そしてソウタに礫が襲いかかる
「それはもう飽きた、!」
ソウタは地面を少し足で削っておもいっきり地面を蹴り抜き一瞬でフィオラの目前へ行き剣を首目掛けて振りかざす
「フィオラ!」
リアが叫ぶのと同時にフィオラの周りに他の塊が現れる
"血の剣"
そしてフィオラは間に血の凝縮した剣を入れて防いだ
フィオラはそれを手に持ちソウタに切りかかる
しかし・・・
「はー!」
スカッ
その一刀はあまりにも遅く、とても軽い一撃だった
当然、ソウタはその一刀を避けてカウンターの斬撃を入れる
"血の剣"
血の剣をもう一本作りその斬撃を防ぎ、フィオラはそれを手にし、もう一度ソウタに斬りかかる
スカッ!
「あれ、?」
そして当たり前かのように攻撃を外す
【剣は使わない方が良いって言ってたのに】
フィオラはリアのように剣を扱うことができなかった
剣の腕はからっきしで下手くそにも程がある
なのでもちろん隙だらけのところをソウタに狙われる
「やっぱりこっちの方が良い」
"飛剣遊戯"
フィオラは両手から剣を離して剣を魔力で操りソウタに襲いかかる、その剣はいくら受け流してもありえない角度で戻って攻撃してくる
そしてその斬撃はソウタの皮膚を切り裂き血飛沫が舞う
【怠いな、近づけない、】
ソウタは宙で舞う剣を受け流さずおもいっきり叩くように吹き飛ばした
そこでもう一方の剣がソウタの背後から突き刺しにかかるがソウタはその剣を左手でノールックで受け止めて剣身を握っている手から血が滴り落ちる
「私の血は変幻自在に操れる、あなたがその剣に触れた時点で終わり」
ソウタの握った剣が突然形を変えてソウタの上半身を縛る縄に変貌した
「腕が使えないなら足だ!」
とソウタはフィオラにドロップキックを仕掛ける
フィオラはソウタの縛っている血の縄をキツく縛り上げる
ソウタは自分の中でメキメキという音が鳴ったのも気にせずにドロップキックをする
フィオラは横に走っても避けきれずに右肩に蹴りをくらってしまう
それでも縄を締める勢いは止めずに四つん這いに倒れてしまう、急いで相手のいる方を見るとそこには既に振り抜く途中の足があり、フィオラは顎に重い一撃をもらってしまい吹き飛ばされてしまい、仰向けになってしまう
「がふっ、!」
そこにソウタはすかさず駆け寄りマウントポジションを取り剣を突き刺そうとするがフィオラが右手で石を柄を持っている手に投げて当てて握る力が少し弱くなった瞬間、突風を繰り出し剣を吹き飛ばした
"風破"
するとソウタは頭蓋が割れるような頭突きをフィオラの両手を押さえつけて顔面へ何発も叩き込む、フィオラは鼻っ柱が折れて血が噴き出てもも縄をトゲ状にしてソウタの肉体に食い込ませ、さらに締め上げていく
「ああああぁ!」
ソウタは苦痛をあげながらも自らの額をフィオラの顔面へ叩きつける
グシャッグシャッ!
と頭と頭がぶつかる度に血飛沫が舞いフィオラの顔は血に染まっていく
グフッ!
【まだ、まだ、まだ、!】
一発一発と威力が落ちることはなくフィオラはついに限界を迎えようとしていた
ヒュー、コヒュー、
と弱々しい息をしながら殴られ続け顔はボロボロで蒼白だがその上には流れ出た大量の赤い鮮血があり、その目からはもう光が消えかけていた
【フィ、オラ、!】
リアは馬車の中で母親に抱きしめられながら見ることしか出来なかった
【このままじゃフィオラが死んじゃう、!】
気づいた時には自らの母親を突き飛ばして風の魔法を全力で使い推進力へと変えソウタの血まみれの顔面を殴り飛ばした
"風躍進"
リアは最高速度でソウタの顔面を殴り抜いた
ソウタの体は大きく吹き飛び木に激突して体に巻きついたドケ付きの縄がさらに自らの体に深く突き刺さり、ソウタは苦痛の声をあげた
「ガアァァ!」
獣のような声を上げながらもリアの方を向くが、まだ縄は締まり続けており動くことは出来なかった
「大丈夫!?フィオラ!」
と声をかけるフィオラの鼻は自分の鼻血の匂いしかせず、意識は朦朧とし、目は小さく開かれてぼんやりとしかリアのことはその瞳に映らなかったが、リアだということをフィオラは確信していた
フィオラは声を振り絞ってリアに弱々しい声でささやく
「大丈夫じゃない、顔を、こっち近づけて、」
「なに?血?だったら腕でも、」
その時リアの顔がグイッと引っ張られてフィオラの唇と唇で触れ合った
【ちょと待って!なに!?どういうことですか!?フィオラさん!!】
と慌てふためいて離れようとするとフィオラはリアの後頭部を押さえてリアの口に舌を侵入させる
【そんなこと教えた覚えないんだけど!?】
【なにそのイケメンムーブ!?】
【って、痛っ!】
そしてフィオラはリアの舌を見つけてリアの舌を甘噛みして血を出してその血を舌で舐め取って飲み始めた
しかしそれは周りにはディープキスではあるのだが、ただディープキスをしているようにしか見えないため、
「師匠、止めなくて良いんですか?師匠?」
とノースはヨルギスの方を向くが
「あんな、え、最近の子って、え、?」
と口を手で覆って何か言葉を溢している
そしてヨルギスはノースの方を向きまた考え始める
【まさか、ノースも、あんなこと裏でやってたりしてないよね、だって、あの子達って確かノースと同じくらいの、】
「ちょっとヨルギスさん!」
クリスの声にハッと我にかえり
「あっ、ごめん、!」
と杖を向けてフィオラとリアに呼びかける
「あの、えっと、その、はやくやめなさい!さもないと、さもないと、?、あ、私の魔法が火を吹くよ!」
その時、コーティスとロノア、そしてサイラが馬車の場所に追いついた
「アイツらなにやってんだ!?」
「まぁ、!」
「・・・・、」
サイラは馬車で杖をかざす女性を見つける
【あれは、あの時の魔法使いね】
たサイラは杖を取り出して魔法を唱える
"水の槍"
ヨルギスがその3人に気づいた頃には既にサイラが魔法を放っており、馬車に直撃して馬車にいた3人は馬車の奥へ吹き飛ばされてしまう




