そこが大事なのに……
いつにも増して短いです。
だって頭が痛いんです!
懐かしい夢を見た。
俺と皐月が共にいるようになったきっかけ
そして………彼女の好意を受け取る訳にはいけない最大の理由
(……俺は最低な奴だ……)
朝から嫌な気持ちになりながらも起きない訳にはいかないので目を擦りながら体を起こすと、
ゴンッ!
「がっ!」 「あだっ!」
誰かが俺の顔を覗きこんでいたようで頭をおもいっきりぶつけた。
(誰だよっ!こんな朝っぱらから!!)
眠気は頭をぶつけた痛みでとんだが、今度は涙で前がよく見えなくなった。
額を擦りながら前をみて――――おもいっきりのけ反った。
――10?ほどの超至近距離に知らない男が涙目になりながら俺を見ていた。
「い、痛いじゃないかっ!」
「い、痛いじゃないかっ!、じゃねーよ!何で俺の部屋にいるんだよっ!って!ここ俺の部屋じゃねーじゃねぇか!そして、お前は誰だ!何で俺はここにいる!!誘拐か?誘拐なのか!?はっ!残念だったな?俺の家族は金を払うくらいなら平気で俺を売る!!」
………これはさっきの痛みのせいだ!悲しくなんか、ないっ!
俺は涙目で男を睨む、と
「はぅあっ!」
突然、男が奇声発して顔を覆うように手で隠した。
「………このかわいさは反則だ………」
何?この人そういう趣味?ってそれじゃ俺、今まさに貞操の危機!?
俺は後退りながら恐る恐る聞いた
「………もしかしてそういう趣味の人?」
「ん?佑樹、何を言って………」
男はそこまで言うと何かに気付いたのかニヤニヤしながらどこかへ行った。
というかこいつ何で俺の名前知ってるんだよ?
………………それにしても声が変だな、風邪でも引いたか……
そんなことを考えていると、いつの間にか戻ってきていた男が何かを見せてきた。
「さぁ、これは何に見える?佑樹?」
「何って……鏡――か……が…み?」
そこには黒い髪の毛の美少女がいた。目を丸くしてこっちを凝視している。
「違う!俺は、「そのくだりは昨日やったからな」
何のことだ? ん? 昨日………昨日っ!?
「っそうだ!?皐月あれからどうなった!俺はアイツの使い魔になったのか!?それにどうやってあそこから逃げたんだ!っというかやっぱりここはどこだ!?一番大事な疑問、体を戻す方法は!?」
はぁはぁはぁ………
息切れするほど一気にまくし立てた俺を呆れ顔で皐月が見てきた。
「やっと思い出したか佑樹。ちなみにお前の疑問に一つ一つ答えると、
何とかなった、大丈夫そう、助けてもらった?神国なんとかって所の城、無理、だ。」
何で疑問や曖昧な答えばかりなのに一番大事な所が断言何だYO!!
「む、無理ってなんだよ!?無理って!?大体お前はそれでいいのか?」
「この問答も言い飽きたが私は私だ。本質は変わらない。むしろ感謝しているぐらいだがな。騎士は姫を守るものだ。だろ?お姫様?」
と、俺に不適な笑顔を向けてきた。
っく!こいつは男になってもイケメンなのか!?これだから神ってやつぁ!
「いや今の姫も、ものすごい美少女だぞ。」
「心を読むな!それに誰が姫だ!誰が!!」
「佑樹に決まってるじゃないか?馬鹿だなぁ、佑樹は。」
ぷちっ
ねぇ?俺、もう十分我慢したよね?だからキレていいですよね?
俺の脳内会議、満場一致で可決しました。
おっしゃ!ぶっ殺ぉす!
「俺の右手が………「そろそろいいですかお二人共。」
あら、デジャビュ。
振り向く今度はあの老害ではなく、茶色い髪の美少女がいた。