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彼が彼女を拒絶する理由

今回は佑樹について少し掘り下げました

高校に入ってしばらくした時に変な噂が流れてきた。


“いじめの現場を見かけたら、その場だけ助けて後は何もしない正義ぶった奴がいるらしい”


俺の第一印象は、厄介な奴もいるもんだ というものだった。

諸事情があり昔っから情報収集が得意だった俺は、興味本意でその事について調べることにした。


そいつは良くも悪くま目立っていたため情報はすぐに集まった。


噂の主の名前は九重皐月といい、驚くことに女だった。


(こいつは………)


彼女の性格を表すなら、ただただ真っ直ぐといえよう。彼女は困っている人ならそれが他人であろうと親身に接し、失せ物ならば日が暮れるまで共に探し、迷子の子なら親が見つかるまで共に居てやるのは当たり前、彼女はどんな些細なことだろうと全力だった。まさに正義の味方だった。


………………ただ、彼女は人を疑うというのを知らなさすぎた


いじめのの現場に急行しその場を治めるまではいいのだが、相手の「もうしない」という言葉を鵜呑みにしすぐに去ってしまうのだ。結果、裏で馬鹿共をのさばらせてしまうのだ。これでは正義ぶったと言われても仕方がない。


だが、それで彼女が一概に責められるのは少しおかしい。元々そういった行為はあったし、誰も対策をとっていなかったのだから、エスカレートしていくに決まっている。


………困ったことにうちの学校はいじめをしている奴等は馬鹿だが、いじめられていた奴等はもっと馬鹿だった。


信じられないことに そいつらは、自分では何もしていなかったことを棚に上げ、それらを全て彼女のせいにし彼女を貶め始めた。


その時点では俺は何も思わなかった。所詮は他人事だし、いかに正義の味方だろうと出る杭は打たれるのが世の常だ。


(………まぁこれで九重皐月も大人しくなるだろう。)


そう俺は鷹をくくっていた。

いかな存在であろうと自分を貶すものを助ける道理はない。


――数日後その考えは甘かったと証明される


俺は彼女の正義への執着を舐めていた………


彼女は止めなかった。自分を貶す者だろうと、嫌っている者だろうと、全て平等に救いを求められたら助けに入るのは当たり前、と言わんばかりに今までどおりの生活をしていた。


それはあまりにも純粋であまりにも当たり前のことで、だからこそ誰にも真似のできないことだった。それは、確かにこれ以上ない程の正義の味方の理想像だ。


………だが、ここ数日彼女のことを調べていた俺にはわかる。その正義は異常だと………

確かに人のため世のためのことをしているのは素晴らしいことだ。


――――そこに彼女自身が入ってさえいれば


彼女の正義には自分を守るということが度外視されている。

そんな自分のことを全く省みていない彼女の正義はかなり危ういバランスの元に立っていた。それは砂上の城ともいえる。

彼女に何があってそうなったかは知らないし、興味もない。

けど、ただ一つ言えることは、

彼女が自身の正義を否定されたとき彼女は、


生きる意味を失う、と


その時、何故俺がそう考えたかは今でもわからない。

でも確かに俺は、そこまで考えた時


彼女の純粋すぎる異常な正義を守りたいと思ってしまった。


――それは決して彼女のためではない。むしろ彼女のためを思うならその異常な感情を無くさせてやるのが優しさだろう。このままでは確実にどこかで破綻するのは目に見えてる。

それでも、俺は自分がしたいからする、という最低な理由で彼女の歪な感情を守ることに決めた………


――――だから、彼女の生気がなくなった顔を見て俺はかねてからの計画を実行した。


――彼女の歪みを守るために――


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


計画自体は上手くいった。

いじめを行っていた馬鹿共の弱味につけこみ、恩を仇で返したクズ共には、彼女がいかに素晴らしいか語ってやった、………半分洗脳だったが………


そして彼女には今最も欲しいであろう言葉を選択し、口にした。


それからも、この半年間彼女を影から守りながら、絶対にバレないよう細心の注意を払いながら彼女の失敗を揉み消した。

失敗は跡形もなく消えているため彼女にもバレてないだろう。


そう、俺との交流は彼女から見れば半年間なかったはずである。


なのに、今日突然彼女に呼び出された俺は、


なんで!


「好きだ。私と付き合ってくれないか?」


告白されているんだ!?



なんか変ですね………


さぁ次の話どうしよう(泣)

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