使い魔の刻印
我にもっと文才を~っ!!
ちなみに女版佑樹は150㎝くらい
男版皐月は180㎝くらいです。
入れ替わった訳じゃありませんよ?
言い合いを止めて俺達は声がした方にうっとうしそうに振り向くと、
今まで一言も話さなかった魔術師っぽい奴等が道を開け、そこを先ほどの声の持ち主であろう老人と、その隣に装飾過多の服装をした青年が俺を値踏みするかのようにしながら歩いてきた。
(こいつは絶対に好きになれんっ!!)
金髪の青年に生理的に嫌悪を抱き、老人の声に反応しようとした。
「なん………「じい、こいつらか?何故二人いる?」
命名嫌な奴が言葉を被せてきた。
冷静に考えれば当たり前なのだが今の口ぶりは俺達を召喚したの自分達だと言ってるようなものだ。
一言文句を言ってやろう。
「何がもく………「恐らく、どちらかが召喚魔法の中に強引に入ったのでしょう。
これでは我々の召喚魔法が失敗したかと思われてしまうではないか。
………まったく、忌々しい………」
イラッ
………………落ち着け、今下手に刺激しても何も良いことはないっ。ここは少しでもこちらの有利に運べるように状況確認が先決だ……っ!
冷静にことに対処しようと口を開け、
「どう………「ふざけるなっ!断りもなく私達を召喚し、あまつさえ性別まで変えておいて忌々しいだとっ!?私の親友がどれだけ悲しんだかわかるかっ!!何が目的で私達を呼んだか分からないが、お前達の指図は絶対に受けない!!!絶対にだ!!!!」
皐月さん………俺のために怒ってくれたのは嬉しいのだが、言葉を被せるのはよして欲しい………
………それにしてもこいつがここまで怒るのを見たのは初めてだな。
皐月が怒っているのを、どこか人事のように思っていると、
「何は勘違いしているか知らないが、貴様らがこちらの世界へ続く召喚魔法に二人で強引に入った結果だっ。大方召喚魔法が誤差動でも起こしたのだろう。自業自得だ。」
「そんなものは詭弁だ!そもそもお前達が私たちを勝手に召喚しようとしなければ、こんなことは起きなかった。………………いったい何が目的なんだ。私の親友を泣かせるに値することなんだろうな………………?」
やめてっ!?もう思い出させないで!あの時の俺はどうかしてたんだ!!
いくら見た目中学生ぐらいの女の子に姿は変わってても心は男のはずなんだ………。
俺が一人で悶えていると、
「目的なら我が答えてやろう………。」
尊大な口調で嫌な奴が口を開けた。
「最近魔王が現れたらしくてな。どうも今回の魔王はかなりの力を持っているらしいのだ。一人の勇者では心もとないということで代々勇者の召喚を行っている国が、希望者に召喚魔法の術式を開放したのだ。
開放したといっても、じぃ程の実力と魔王がいる証である、この濃い魔力がなければ到底発動は無理なのだがな。」
「お褒めに与り至極光栄でございます。」
どうらやこの老人はかなりの実力者らしい。
隣で何か納得しかけてる皐月がいたが、どうも怪しい。
この尊大な男がそんな殊勝なことをしそうには見えない。
大方他の目的があるのだろう。
それがどんなことかは知らないが、どうせろくでもないことに違いない。
隣の馬鹿はさっきから、
「………世界を救うためなら……いや、でも……」
なんていって気付いていないから俺が代わりに聞いてやろう。
「どうせ別の目的があるんだろ?」
……むぅ。
やっぱりこの声には違和感あるな………
皐月が、そうなのか?流石親友。
とか言ってるが、この際無視しよう。
どうなんだ?
と、口にするより先に嫌な奴が口を開いた………が、
「お前、かわいいな。」
………まるで見当違いの答えをいただきました。
「にゃっ!?にゃっ、にゃにを言いやがりますかね!?」
不意打ちの言葉に顔を赤くしてしまった。
やはり隣にいる皐月から、
「………………浮気は許さんぞ」
とか、聞こえてきたが、無視無視。
第一付き合ってすらいねぇだろ。
ま、まぁ確かに普段怒らない皐月が俺のために怒ってくれたのは嬉しかったけど………////////
はっ!?危ない危ない。
つい思考が乙女になっちまったぜ……
あれか?TS物によくある心は体に引っ張られるってやつか?
そ、それよりも今は目の前の奴だっ。
「ふむ、やり直しかと思ったのだがこれならいいか。内に眠る魔力も莫大だ………
合格だ。じぃ、こいつを使い魔にするぞ。できるな?」
「もちろんです。召喚魔法に入ると同時に体に変化が起こったのでしょう。
例の条件は有効です。」
こいつらが何の話しをしているかわからない。
例の条件ってなんだ?
俺が理解しないでいると、また尊大な口調で嫌な奴が説明を始めた。
「簡単な話だ。お前は別に目的があるのか聞いてきたな?それが答えだ。今まで我に合う使い魔がいなくてな………。高貴たる我の使い魔なのだ。それ相応のものを用意するのが筋だろう?
………そこで勇者だ。勇者といってもむさい男は好かん。だから我は召喚魔法の術式に条件を加えたのだ。強く美しい女性を強制的に我の使い魔にする条件を。
どうだ、うれしかろ?我の使い魔となれるのだぞ?」
そんなことを言いながら不意に俺に手の平を向けてきた。
何を馬鹿なっと言おうとしたのだが、
ずくんっ
体の奥に何かが刻まれていく感覚に何も言えなくなった。
「がぁっあぁっああぁぁあ〜〜〜〜〜っ!!」
そのあまりの痛みに悲鳴を上げ、床に倒れ、視界も黒く染まっていく………
「貴様っ!!佑樹に何をしたっ!!!」
視界の端に皐月が嫌な奴に掴みかかろうとしているのが見えた。
「なに、魂に直接我の使い魔たる刻印をつけているのだよ。
一日もすれば終わるだろう。その頃には我の使い魔として我に仕える喜びを感じるようになる。」
視界が完全に黒に染まる前、こちらに駆けよる影が見えたがその時にはもう何も考えられなくなっていた………。
「〜っ!!〜〜〜っ!!」
何か聞こえて来ていたが、もうそれを意味としてとらえられない。
そして、黒い穴に吸い込まれた時よりも深い眠りについた。
物語がやっと動きました。
行き当たりばったりなのでこの後どう動くか作者にもわかりません。
ホントにどうしよう(汗)