表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/21

よう、やっと起きたか?

すみません


投稿遅れました。


リアルが無駄に忙しいです。


「よう、やっと起きたか?」


およそ3m離れたところに胡座をかきながら握り飯?を食べている男がいた。その男は俺が起きたのに気がつくと食べるのを止め俺を見た。


「……誰?」


……また、まただ。

本当に弱い。

何で、何でだよ。

見られて話しかけられただけなのに。

声が震える。

怖い。

心が悲鳴を上げてしまう。

俺は立つこともできずにただ見上げていた。



「俺が誰か?なに、ただの傭兵さ。金さえ貰えりゃ何でもやる、な。それが人攫いだろうと何だろうと」


傭兵と名乗った男はそういうと俺が倒れている場所まで歩きしゃがみこんだ。そして、倒れている俺に向かって、とても嫌な笑みを浮かべた。


「わかるか?お前は攫われたんだよ。お前の仲間が必死に戦ってる最中になぁ」


思い出した……。皐月が帰ってきたと思ったらこの男がいて……眠らされた。情けない。みんなが命を懸けて戦ってるのに、後ろで震えてるだけで、挙げ句には攫われるなんて…………!!


「え……ぁう……」


……そう思っているはずなのに、俺の口からは呻き声しかでない。思考とは裏腹に恐怖で体が硬直してしまっている。

恐怖に怯える俺に満足したのだろう、男はさらに追い打ちをかける。


「お前の仲間はさぞかし悔しいだろうな。お前を巻き込まないように、わざわざ認識阻害の魔法まで使って、もし見つかってもその時は迎撃用の魔法まで準備していたのに、その全てを俺一人に抜けられてなぁ。もっと面白いことを教えてやるよ。依頼の内容は非戦闘員がいた場合、それを攫い後に人質にする、だ。お前は、戦闘に参加しないどころか仲間の足を引っ張るんだよ」


あ…あぁ、最悪だ……。俺のせいで皐月が……みんなが……。

俺はこの時、確かに絶望を感じた。だが目の前の傭兵の顔が嫌な笑みから嘆息に変わると同時に意外な事実を告げられた。


「ーーーーと思ってたんだがな。お前の仲間、ありゃ化け物か?あの人数差で俺がお前を捕まて人質にするより早く、依頼人を皆殺しにしやがって。折角、依頼を果たしたって言うのに報酬を払う奴がいなくなっちまえば意味がねぇ」


傭兵は、頭をかきながら「死ぬならせめて先に金払えよ」と悪態をついた。俺はそれを聞いて皐月たちが無事なのに安堵すると同時に、妙に納得してしまった。


あぁ、ここはそういう所なんだ、と。


今までは、召還だとか魔法だとか……性転換だとか、あまりにも自分の世界からかけ離れたことばっかりだった。だが今回は違った。人の生き死になんて確かに日本には余りなかったかもしれない。でも、日本を出れば?紛争地帯なんていくらでもある。そこでは人の命なんて紙切れ同然に違いない。そうだ。難しいことなんて考える必要はない。ここはそういった場所と同じ。そこに魔法というイレギュラーが存在するだけなんだ。……そういう場所なら俺の扱いは無論”死”だろう。


俺は断られるのを当然として懇願した。


「……なら…俺を帰して……」


傭兵はそれを聞いて、小馬鹿にした表情で俺の頼みを一蹴した。


「は?何言ってんの?俺がそんな危険をむざむざおかすわけねぇだろ。

折角捕まえたんだ。世の中にはお前みたいな子供を好む屑はいくらでもいる。せいぜい高く売るさ」


あぁ、そういえば今の俺は女だったか。なら当然売られるという結果になってもおかしくない……か。慰み者は、嫌だな。

しかしそう言った後、傭兵は少し間をおいてまた嘆息した。


「……とまぁいつもなら言うんだが、どうも俺の勘がお前といると危ねぇと告げてんだ。だから殺す。悪く思うな」


傭兵はそう言うといつ抜いたのか、剣の切っ先を俺に向けた。


俺は剣を向けられたにもかかわらず、まるで人事のようだった。皐月たちが殺されると聞いたときは、自分の不甲斐なさがたまらなく悔しかった。なのにその矛先が自分に向いても何も思わないのだ。……そうまるで皐月のようじゃないか。それがなんだかとてもお可笑かった。


「……ふふっ」


……おっと声に出てしまったようだ。傭兵は俺の笑い声を聞くと顔をしかめた。


「……何がお可笑い?」


ツプッ。

低く唸るような声だった。切っ先が少し首に食い込んだ。血が流れる。痛くはない。恐怖も、ない。


「……いや、なにも」


その言葉を最後に傭兵は剣を、首から離し、振りあげる。


「……そうか、なら……死ね」


そして無情な剣は振り落とされた。


拓馬は、最後のその瞬間まで傭兵から目を離さなかった。



ザンッ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ