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ブルータス………お前もか………

えぇっとぉ、これはどういうことでしょう?

俺たちはさっきまで普通に馬車に乗って近くの町を目指していた。

道程も順調で、あと半日もすれば着くとさえいわれていた。

だから今日はちゃんとした場所で眠れると喜んでいたはずなのに、

なんで、


「てめぇらぁ!間違っても女に手ぇ出すなよぉ。殺っていいのは男だけだ。女は高く売れるからなぁ。わかったらまずは、逃げ道をふさげぇ!さぁ、囲め囲め囲めぇ!!」

「「「「ウオォォーーーー!!」」」」


山賊の皆さんに囲まれてるんだろうなぁ……

ちなみに、皆さん目が血走っています。

それもそのはず、


「あなた方のような醜悪なサルが私たちの相手になると思っているんですか?流石は猿です。救いようのないほどおめでたい頭をしていますね。っと言うか邪魔です臭いです汚いです。空気が汚れますから早くその気持ち悪い息を吐くのをやめてください。そして、さっさと死んでください。それが今あなた方にできる唯一の正しい行いです。わかりましたか?あなた方のような脳みそが小さいサルにも分かりやすく説明をしてあげた私に感謝してくださいね?」

「そういうなルグリム。それがわからないからサルなんだ。だいたいサルに人様の言葉を理解してもらおうっていうのが酷な話だろう。第一こんな所でこいつらが死んだら土地が穢れるだろ?こいつらは生まれたこと自体が間違いなんだ。」

「さっきから聞いてれば二人共。こんなゴミどもと一緒にしたらサルに失礼だよ?周りに散らばってるゴミに比べたらはるかにサルは頭がいいしかわいいし。あっ、醜悪なだけのゴミと比べること自体が間違いだったね。」


はい、メチャクチャ挑発しています。

……こいつらは数の差が見えていないんだろうか?

たった三人では、圧倒的な数の差には勝てないだろうに……

ん?あぁ俺?

馬車の中で震えてるますけど何か?

いやぁ、なんかね?あの野太い声を聞いた瞬間足がすくんじゃってさ。

これが動けないわけよ。


…………まじめな話、俺の心はだいぶがたがきているようだ。

そんなことがどうして自分でわかるかって言われれば、この程度で俺がビビっているのがおかしいと言えるが、それは最大の理由ではない。

最大の理由は、俺の思考と心が大きく剥離しているからだ、と言える。

もし、今朝のような皐月たちがいないという恐慌状態ならば、あまりの心の乱れに思考は邪魔され正常な判断ができなくなってしまうが、今のように皐月たちがいるとわかってさえいれば頭だけは正常に稼働する。

のが、さっきわかった。

こんなことを考えてるのが、いい証拠だ。

まぁ、結局頭の中でいくら考えていようともそれを伝えるための口が動かないのなら意味がないんだけど。

せめて皐月がそばにいれば、少しはマシになるのに勝手に飛び出しやがって……

べ、別に寂しいわけじゃないんだからなっ/////

……………………………オエッ

自分で言ってて吐き気がするぜ。


………なんか俺が一番余裕がある気がしてきた。

もちろん、頭の中限定で。

あ、やばい。

遊んでたらいつのまにか相手が臨戦態勢に入ってら。


三人VS軽く見積もって20人以上


うはっw絶望的www


な、はずなのにどうしてこう安心感があるのかねぇ。

皐月は手に刀を持って、ルグリムは何かを唱えるように口を動かしている。シーファは素手だ。……………素手っ!?

何でだ、武器がないわけないのに。

何故なら、食料と同じように城から何本も剣は借りてきた。無論一生返す予定はないが。

刀があるのに驚いた記憶もある。

なのにシーファは…素………手?


シーファは身の丈ほどの大剣、(クレイモアって言うんだっけか)を両手で構えていた。


ちょっ!どこにあったそんなもの!?

っというかいったいいつ出した!

敵さんめっちゃ動揺してるし。

当たり前か、傍から見てる俺でさえ動揺してるのに、それを向けられ立場にとってはたまったもんじゃないな。


その隙を見逃すほど、シーファは甘くはないようだ。

シーファは一気に敵との距離を詰めっっっって速っ!!

何であいつはあんな馬鹿でかいものを持ってそんな速度を出せるんだよ。

皐月でさえついていくので精一杯のようだ。


それからの事?

俺が見れたのはシーファが走ってるとこまでだけど。

山賊の声を聞いてるだけで震えるような俺の心がスプラッターな戦闘に耐えられるわけないよね。

それに、最初こそ数の差がって思ってたけど、俺にはどうもあいつらが負けるところを想像できない。

時おり、シーファの声で「はっは―!きれいな赤い花を咲かせてくれよぉ?」って聞こえてきたのもそれに信憑性を増させている。

シーファ……お前だけは信じてたのに。

まぁ、いいや。

俺は、あいつらを負けるはずがない信じてる。


―――だから、油断した。


ギィッ


「皐月?終わった?」


ソコニハシラナイオトコガイテオレヲツレサロウトテヲノバシテキタ。

ソノテガオレノマエニキタトキ、オレノイシキハアンテンシタ。


~~~~~~~~~戦闘の後で皐月~~~~~~~~~~~~


「ふうっ。こんなもんかな。」

「何だもう終わりぃ?」


私とシーファの前には幾十人の死体が積まれている。

―――私には人を殺すことにためらいがない。

そもそも私の剣の流派は、より実践的なものに研鑽されているからで、………それにこれが初めてではないからだ。

私の心を壊すことになったきっかけ、周りの人はお前は悪くないと言ってくれたが幼い私の心は耐えることはできなかった。

その事件があったから私の中に禁断タブーが生まれたんだ。

「………様?」

だから、私は―――


「皐月様!!」

「うわっ!いきなり耳元で叫ばないでくれ。」

「いきなりじゃありません!!何度も呼びました!」


そうだったのか。まったく気付かなかった。

それにしても……


「ルグリム。アレは何だ?」


私はアレに指をさす。

ルグリムは私の指の先を見て、ため息を漏らした。


「はぁぁ。……シーファのことですか。」


私の指の先では、シーファが一人で大剣を振り回していた。

……危害は無さそうだけど怖い。

戦闘の時からシーファは人が変わったように敵を吹っ飛ばしていた。


「シーファは一種の戦闘狂バトルマニアですよ。武器を持つとあんな感じになります。だいたい普通の人が私の友達になれるわけないじゃないですか。」


いや、ないじゃないですかって自信満々に言われても………


「アレはいつ戻るんだ……?」

「放っておけばいつか戻ります。私たちは先に馬車に戻っていましょう。祐樹様も心配ですし。」


そうなのか……?

なんか今にも襲ってきそうなんだが……

考えても仕方がないので先に行ってしまったルグリムを私は追いかけた。

後ろから、「殺りたりねぇーー!!」とか聞こえてきたが気にしない。

追いかけたと言っても、馬車はすぐ近くにあるので簡単に追いつけた。

ルグリムは、馬車の扉を開いて―――固まった。


馬車の中は、祐樹の靴の片方を残して――――その持ち主はどこを探してもいなかった。






急展開過ぎるかもです。



………もうすぐ、もうすぐでタグのチートが使える。


長かった………

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