犬レベル
すいませんっしたぁ――!!
毎日投稿するとか言っていたくせにこんなに投稿が遅れまして………
待ってる人がいるのに!
………え?いない?そうですか………
で、でも少しぐらいはっ!?
………はい、すいません…こんなに遅らせておいて何を世迷い言をですよね……
「自分の目的をつまらないことで片づけた!?」
馬車の中から突然佑樹が叫び声をあげた。またルグリムからいじられてるのか。
私は隣に座ってる蒼髪蒼眼の少女――シーファとの会話を止め少しため息をついた。でも、よかった。
「ルグリムには感謝しないとな。佑樹はこの世界に連れて来られてから起きた出来事のせいで大分まいってた。――――それは触れれば壊れてしまいそうな程に。だから、楽しそうな話し声を聞くとすごく嬉しい。ちょっと嫉妬してしまいそうだがな。」
あの黒髪の少女が佑樹であることは疑いようがない。だが、何故か今の佑樹からは男のときの芯の強さが感じられないのだ。見ていて不安になってしまう。
そんな私の気持ちを知ってか知らずかシーファが笑顔で返してくれた。
「こちらこそお礼を言わせてよ。ルグリムってばボク以外の人には“よらば切る”って感じのオーラを出しててさ。自分がどうでもいいと感じた人には素っ気ない態度しかとらないんだよ。だから友達って言えるのはボクしかいなくって困ってたんだ。あっ!でも気をつけてよ。ルグリムって真性のレズだから、ユーキを取られないようにね?」
口元に手を当てて含み笑いをしながらこちらを面白そうに観察してくる。どうせ私が焦ると思っているのだろう。
だが甘かったな!!
私がこの程度で怯むとでも?
「あぁもちろん佑樹は私のだ。誰にも渡さん。」
シーファがポカンと口を開け固まってしまった。
「………あぅ…即答……。ちょっとからかうつもりだったのに、これじゃ意味がないよ。それにしても、いくらサツキが男になっちゃっててもユーキは女になっちゃってるんだよ?よく平気だね。もしかして元々ソッチの人?」
「むっ。それはちょっと失礼じゃないか?私は佑樹の心に惚れたのだ。姿形は関係ない。」
少し怒気が混じってしまったが、シーファも悪気はなかったようですぐに謝ってくれた。
「ご、ごめんなさい。ルグリムがあんなだからちょっとそういうことに過敏になっちゃっててさ。………まったくあんなことされれば過敏にもなるよ………」
シーファは顔を赤らめながら下を向いてしまった。なんかブツブツ言い始めた。時おり「………ボクはノーマルだ………」と聞こえてくるあたり、ルグリムとの苦い思い出があるようだ。………そっとしておこう。
それから少しするとルグリムが馬車の中からひょっこり顔を覗かした。
………今、シーファがビクッてした。いったい何をされたんだ?
「そろそろ日も傾いてきましたので、今日はここまでにしましょう。」
…?何かルグリムが疲れた顔をしてるのだが。
「――――それに私の理性がこれ以上保ちそうにありません。」
そっちが本音か。苦笑いしながらも、佑樹の純潔を散らされないように急いで馬車を止めた。馬車の中を覗くとルグリムの言葉の意味がよくわかった。
――佑樹の眠っていたのだ、馬車の中で。
座席に散らばり、夕日の光を反射する黒い髪はどこか幻想的なものを彷彿させ、その寝顔はチンケな言葉だがこの世の穢れを知らない天使に見えた。この無垢な少女を自分の色に染め上げ――――はっ!?危ない危ない。
私はもう一つの人影に目を向けた。
「ルグリム………よく…がんばったな。」
「ホントですよ……。最初は少し味見を、って思っていたのですがこれだけ安心しきった寝顔を見せられますとね、襲うに襲えなくなりまして。………ご馳走を前にして待てをさせられる犬の気持ちがよくわかりました。」
………本当によくがんばったよ、ルグリム。自分のことを犬レベルと称してしまう程、限界だったんだな。まぁそもそも味見って考えがおかしいけど………。
これからはルグリムと佑樹を二人っきりにするのはやめようと密かに誓った。
その後は周りに遮蔽物のない場所まで移動して、城から盗ん――もらった食料で簡単にスープを作り、魔法で起こした火を囲んで食事を始めた。
佑樹も起こそうかと思ったのだが、あの安らかな眠りを妨げることは誰にもできず断念した。
ルグリムが、眠るために馬車の周りに感知魔法を張り巡らしたそうだ。もし敵意を持つものが侵入したら気づけるように。
私が魔法って便利だなぁっと思っていると、唐突に、いや恐らく最初っから決まっていたのだろう。
――音が止んだ。
「皐月様。佑樹様のことでお話しがあります。」
ルグリムが真剣な顔をしていた。
えっと………これからは一応不定期更新にします。
が、できる限り毎日投稿しますから見捨てないで………
ちなみに友人が「幸福宣言!」という作品を投稿しました。
すごく面白いですよ!