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ルグリムの目的

「佑樹様はもうお気づきでしょうが、召喚の巫女という肩書きを持っていながら私にはほとんど権限がありません。そしてもう一つこれも佑樹様の想像通り、佑樹様と皐月様がここにいると知ってるのは私を含めて二人だけです。」


「やっぱりか。」


「佑樹?どういうことだ?」


そしてやっぱり皐月は気付いてなかった。俺は嘆息したがら皐月の質問に答えた。


「考えてみろ。召喚の巫女なんて仰仰しい看板を背負っているルグリムが、たった一人で怪しい二人組の応対をするか?もしそれなりの地位があれば騎士の一人や二人引き連れているのが妥当だろ。それに昨日がどうか知らんが、少なくとも俺は今日一度もルグリム以外を見ていない。食事すらルグリムが運んできた程だ。これはいくらなんでもおかしいだろ。だったら誰も俺達がいると知らないと考えるほうが合点がいく。どんな目的かまではわからんが俺達を知られないほうが都合がいいんだろ。」


「そうなのか?」


皐月がルグリムに疑問を向けた。ルグリムも困ってるだろうな。こうまで純粋な疑問を向けられると答えにく「はい、そうです。」言った!?


「私の権限はほとんどこの国の宰相に取られました。今の王様は宰相の言いなりなので、王様並に権限を持っている私をどうにかすれば晴れてこの国で一番になれると思っていたんでしょう。まぁ実際にどうにかされちゃった訳ですが。そして佑樹様と皐月様が私以外から召喚されたことからわかりますが、その宰相はあろうことか兵を引き連れて召喚の秘術を開示しろなんて言ってきまして。私だって命が惜しかったですし、何より開示したところであの秘術のプロテクトを突破できるはずがないと楽観視してました。楽観視した結果、佑樹様と皐月様が召喚されてしまったのですから笑い話にもなりません。それなのに、これ程迷惑をかけたお二人に私はさらに頼みごとをしようとしています。恥を忍んでお願いします。聞いてくれますか?」


ルグリムの言葉は最初、宰相への憎しみが見え隠れしていたがだんだんと自嘲的なものに変わっていった。


アイツからそんなようなことを聞いていたが、これまでのルグリムの様子から不自然に感じていたが、その宰相が金で売ったというなら合点がいく。

――そう憎むならその宰相でルグリムじゃない。ルグリムは確かに楽観視していたかもしれないが、自ら売ったのではなく命の危険にさらされたのだ。流石にそれでルグリムを怒ることはできない。だから、ルグリムが申し訳なく思う必要もない。元凶はその宰相なのだから。


――――なら


俺は自信満々に言い放った。

「言わなくていい。頼みはその宰相を失脚させろってことだろ?骨は折れるが、その宰相のせいでこうなったのだからよろこ「違います。」………違うの!?」


「違います。」


もう一度言われた。


「え?あ、だ、だってその宰相が元凶なんだろ、悪者なんだろ!?」


正解と確信していた分、不測の事態にらしくもなくおたおたしてしまう。そうしてると皐月が、


「佑樹でも早とちりするんだな。」


は、恥ずかしい!自信満々に言ってしまったから恥ずかしさ倍増である。


「うぅ〜〜〜〜………」


下策とわかっていながら顔を赤くしながらうつむかざるをえない。あぁ、穴があったら入りたい。


しかしいつまでもそうしていても事態は好転しないので、顔を少し上げて上目づかいにルグリムを見た。


「………すました美少女が顔を赤くした姿………!」


鼻をおさえてこっちを凝視していた。


「ひゃあっ!?」


思わずすっとんきょうな声をあげてすぐに視線をそらしたが、仕方ないはずだ。あ、あんな血走った目で凝視されてみろ、ルグリムは美少女な分怖い。

恐る恐るルグリムをもう一度見てみた。


ま、まだこっち見てる!?


あまりの恐怖に涙目になりながら隣の皐月に助けを求め――――


「………まだ襲っては駄目だ。ここはいきなり女になってしまった弱味に………」


なんか、ブツブツ言ってるーーー!?


それからこいつらが正気に戻るまで俺は前方と隣からの恐怖に耐え続けた。


「………上目づかい」

「………佑樹は私の」


だから、怖いって!!!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「こ、こほんっ!それで私の目的ですが。」


俺は睨み付けながら言葉を待った。

ちなみに皐月はずっと俺から目をそらしている。


「――――他の秘術を奪われる前にここから一緒に逃げてくれませんか?」






かなり不自然かもです………



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