この世界について
更新遅れてすみませんでした!
きっとこんな駄文でも楽しみにしてくれていた読者が………………あ、え?いない?
今回は世界観設定です。読まなくても今後の話がわかるように努力しますが、できれば読んで頂けたら嬉しいです。
何はともあれ始まります!!
それから俺達はルグリムからこの世界について聞くことができた。
まずは使い魔について………とその前に少し魔術師について教えられた。
魔術師というのは魔術を発動する際、体の中で魔力を編んだ上で、それを意味ある言葉によって方向性を決め放つのだそうだ。もちろん魔力を編むスピードには個人差があり、高位の魔術師であれば一瞬にも満たない速さで、低位の魔術師であれば数秒時間がかかってしまう。
さらに、魔力を編む量にも時間は比例していて、下級魔術を発動する量ならば上記と同じような結果になる。しかし、上級魔術を発動できる量編むとなれば、高位の魔術師でさえ数秒〜数十秒、低位の魔術師はそもそも編むことができない。
そして魔術師というのは魔力を編んでいるときはよほどの実力が無ければ動くことができない。つまり、完全な無防備ということだ。戦闘中にそれが意味することは死だ。
そこでやっと繋がるのが使い魔だ。
使い魔はそういったとき、主を守るための存在なのだそうだ。
俺は、そりゃあ刻印を押されているのなら死に物狂いで守るよな、と思っていたのだがどうやら違うようだ。
驚くことにほとんどの使い魔は俺に押されたような刻印はないそうだ。なら何故従うのか、と思ったのだが聞いてみるとその理由は至極単純だった。
魔術師と使い魔にあるのは、ギブアンドテイクの関係なのだ。
魔物にとって魔力はエサになる。使い魔の契約というのはそのエサを与える代わりに守ってもらう、といったものだ。魔物にとってみればエサさえもらえれば、わざわざ危険を犯してまで他の種族や人間を襲う必要はない。しかも、契約をすれば外部からの魔力で強くなることができるので、ある程度の知能を持った魔物は契約をしたがるそうだ。
ただし、それはその魔術師が自分より強い場合のみであり、当たり前だが全てというわけではない。
さらに契約ができないような魔物もいる。それは契約の意味もわからないような自我のない低位の魔物や、逆に龍種のような最高位の魔物は契約に見向きもしない。何故なら最高位の魔物より魔力を持っている人間がまずいないからだそうだ。
そこで使われるのが刻印なのだが、押すことができるのはせいぜい自我のない低位の魔物ぐらいで、ある程度知能があれば魂に精神の壁ができ、そんなちゃちなものは押されなくなる。
だから魔物なんかよりもよっぽど頭が良く、精神の壁が厚い人間が押されるはずがないのだ。だが、俺達は……いや、俺は異世界に召喚される際、一度魂だけの存在なったためにそこにあるはずの精神の壁がなく押されてしまったのだという。
そこまで話すと、ルグリムに「私の落ち度です。申し訳ありません。」と頭を下げられた。
つか、普通勇者を使い魔にしようなんて考える馬鹿はいないので仕方がない、と言ったのに納得しなかったので軽く頭をひっぱたいた。それでちゃらだ。
そういえば最初“ほとんど”いないと言った理由だがそれも単純で、使い魔とは共に戦う仲間なので、好んで低位の魔物を使い魔にしようとする酔狂な奴は少ないのだ。………選択肢がそれしか無ければ別だが。
使い魔と魔術師についてはこのくらいだ。
次はアイツについて知りたかっのだが残念ながらわからないらしいので、この世界の地理について。
この世界は一つの大陸とたくさんの島々でできているそうだ。
だいたい主なもので、四つの国、四つの魔境、一つの自由貿易都市がある。この他にもあるが大きい国ではないので割愛。
魔境というのは魔物が数多く存在する場所のことで、魔王は四つの魔境のどこかにいると言われている。
大陸はおおよそ四角形のような形で、それぞれの国の場所はかなりわかりやすい。
西部に今俺達がいる『神国ノーブレス』
北部に『帝国アウクス』
東部に『皇国ミラメス』
南部に『公国シエナ』
それら四つの国の交点、つまり中心にあるのが『自由貿易都市フレード』
魔境の位置は、それぞれ北東、北西、南東、南西にあり、全ての国が二つの魔境と接している。
そのため皮肉なことに人間同士が争いをすることはあまりない。そんなことをしていては自国が魔物に蹂躙されかねないからだ。
かといって全ての魔物がそこにいる訳ではもちろんなく、魔物はそこかしこにいる。だから民間の被害がでるのだが、国はその全てに対応することはできないので、民間の被害はギルドに委託される。ギルドは世界中のいたるところにあり、依頼者によって様々な依頼があるらしいのだが、ルグリム曰くいつか行きますからその時聞いて下さい、だそうだ。
………………いつかっていつだ?
ここまでが俺達がルグリムから聞いたことだ。
――――――さて、
俺とルグリムは長時間により崩れた居座いを正した。
「………?まだ何かあるのか?」
皐月が不思議そうな顔をしている。
こいつはもう忘れたのか………
俺は呆れながらもルグリムに先を促した。
「では、本題に入りましょうか。」
ルグリムが嗤った気がした。