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何故それを早く言わない!


じーーーーっ


「さ、先ほどは大変お見苦しい所をお見せして申し訳ございませんでした。」


じーーーーっ


「で、ですが佑樹様があまりにもかわいらしいのにも問題が………」


じーーーーっ


「う〜。そろそろ許して下さいよ〜佑樹様〜。」


じーーーーっ


ほとんど泣きながら許しを請うルグリムを俺は皐月の背に隠れて非難の目で見続ける。


「ゆ、佑樹?彼女もずっと謝っているしそろそろ………「嫌だ。」


皐月が来た後、ルグリムはすぐに正気を取り戻した。ルグリムはかなり焦りながら俺にかけていた魔法を解いた後、食事のときも謝り続けている。皐月も最初こそ怒っていたが涙目になりながら尚も許しを請う姿を見て哀れに思ったのか今はルグリムの弁護をしている。裏切りものめっ。


ちなみにトイレには皐月に助けられた後すぐに行った。正直………その時のことは考えたくない。確実に黒歴史入りを果たしている出来事だし、下手に考えると男としての何かを失いそうだ。失うの!もう持ってないとか言うな!


閑話休題


女に女として犯されるなんていうのは悪夢以外のなにものでもない訳で、そんなものを味わされそうになった俺は当然ルグリムを許すつもりは無いのだが、


「ゆ、佑樹様〜」


さっきの俺の言葉が止めになったのか恥も外聞もなくルグリムは泣いている。

た、確かに哀れだ。


仕方ない、そろそろ許してやるか。ちょうど聞きたいことも増えたし。


「はぁ。じゃあさっき言ったことに加えてもう二つ教えてくれ。そうすれば許してやる。」


ルグリムは泣きながらも不思議そうな顔をしている。


「な、何ですか?」


「この国でのお前の立場と俺達を助けた理由。」


表情は見えないが皐月が怪訝な顔をしたことがわかる。どうしてそんなことを聞くんだ?と思っているに違いない。俺だってただの杞憂だといいと思うんだが、


「――どうしてそんなこと聞くんですか?」


はぁ、やっぱりか。

ルグリムはさっきまでの情けない表情を捨てて俺の真意を図ろうと薄く笑っている。どっちが素なんだろうな?


「いや、この城に俺達がいるのを知ってるのは何人いるのかなって思ってさ。」


微妙に噛み合ってないがそれでもいい。俺は負けじと顔に笑みを貼り付けながら言葉を返した。ルグリムはそれで俺の意図を汲み取ってくれたようですぐに観念した。


「――――本当に貴女には驚かされます。まさか、この短時間で私の目的に気が付くとは。ですがこの話については、この世界について知ってもらってからにしませんか?」


皐月が俺達の会話についてこれず頭の上に?マークを浮かべているが、今は理解する必要はないので無視する。


「ああ、まずは俺の刻印と使い魔について教えてくれ。」


「はい、と言いたいですがその前に椅子に座りません?流石にずっと立っているのは疲れます。」


と、俺達を最初の席へと誘導した。ちなみにあの切られた机はルグリムが何かを唱えたらひとりでに元に戻った。魔法って便利だな。後で教えて貰おう。

ルグリムは俺達が席に座ったのを確認すると話し始めた。


「先ほど私が申した通りあの男に近づかれたら佑樹様は自由意思を失ってしまいます。そこまではいいですね?」


かなり納得がいかないのだが話が進まなくなるので、「ああ。」と答えておく。

皐月は隣で一言一句聞き逃すまいと真剣な顔で頷いていた。


そして、ルグリムは何でもないように爆弾を落としていった。


「ですが、彼から再び離れれば普通に正気を取り戻します。」


はっ?


「昨日の内に刻印に封印を施しましたので、彼と接触する程度ではこれ以上刻印が呼び起こされることはありません。」


へっ?


「あぁ!そうそうっ!封印のおかげで彼と接触しても10分程度なら正気を保っていられるはずです。」


ほっ?


「さぁ、佑樹様の状態を知ってもらったので次にいきましょうか、ぅん?何です?」


「「そ……」」

「そ?」


「「それを早く言えーーー!!!」」


俺と皐月の心は今一つになった。


次こそはこの世界に対する説明をしますっ(汗)


見切り発車なので思うように進まない……

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