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アーサー王

 「久しぶりだね、リュー。」

 「ああ、久しぶり、というか俺はつい最近のことなんだがな。」


 城内の重役だけの謁見を終え、アーサーの執務室でアーサーの話を聞く。ヘンリーは仕事に、護衛は廊下で待機中だ。


 「しかし散らかってるな、片付けが苦手なのは二十年経っても変わってないんだな。」

 

 「それは君も一緒だろ?」

 

 「あはは、そうだな。」


 国王とその部下とは思えない程砕けて話をする二人。

 国の重鎮が聞いていたら卒倒することだろう。


 「ふぅー、やっと落ち着いて話が出来る。」

 

 「ああ、そうだな。」


 二人は目を合わせ、さっきの砕けた雰囲気とはうって変わって真剣な表情で話を始める。


 「まず、この世界(・・)はなんだ?」


 この世界はゲームではなく現実だ。馬車のなかで眺めていたNPC(・・・)だった者達が送る営みは、明らかにゲームという範疇を超えている。


 一人一人に送ってきた人生があり、確かにそこに()があるのだと感じる。


 「それに関しては、わからない。」

 

 「二十年間も暮らしておいてか?」


 「この世界がゲームではなく現実の世界として存在しているという事はわかっているが、元の世界とは別の法則で存在する宇宙のなかの惑星にいるのか、それとも全く理外の世界に来てしまったのかは判明していないね。」


 「なるほど、やっぱり現実ではあったか。」


 「うんうん、二十年間も夢からさめないなんて考えられないからね、いやでも現実だと理解してしまうよ。はい、これ読んでみて。」


 そう言って、この二十年間に起こった出来事をまとめてある資料を渡してくる。

 

 「そういえば何で俺に正体を隠すように指示したんだ?」


 「ああ、資料に書いてある通り十五年前に全大陸を巻き込んだ大きな戦いが起こったんだ。」


 「この人魔大戦のことか?」


 「うん、あの三神国が指揮を執ったっていうと君にも事の大きさがわかるんじゃないかな?」


 「あの不動王達がか?」


 『三神国』エクスワールド・ファンタジアの初期から存在している大国で、駆け出しのプレイヤーの安全が国内では保障されている。

 プレイヤーでも軽く蹴散らすような破格の実力をもつNPCがそろっている、大陸最強の国々だ。

 

 「そして問題なのが、戦後に結ばれた不戦条約の効果が来年に切れるって――」


 「リュー君が来たって本当?!」


 執務室の扉が勢いよく開かれた。


 


 


 

 

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