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どういう状況?

 ああそうだ、ログアウトせずにそのまま寝落ちしたんだった。


 現在の状況を脳内で整理しながら天を仰ぐ。

 妻の真理子から起こされてない以上そこまで時間は経っていないのだろう、そう判断する。


 まだ上手く働いていない脳をどうにか動かし、目を開くと現実と全くもって差がないほどの森が広がっていた。


 所々に現実世界では存在しないであろう植物が点在している限り、現実ではないのだろうが、現実と変わらない程のグラフィックに以前までは分からなかった森の匂い。


 頭に多くの疑問を浮かべながら立ち上がる。


 自分が寝落ちしている間にアップデートが入ったのかと思ったが、まずログイン中にアップデートが行われる場合、プレイヤーは強制的にログアウトさせられるため、その可能性はないと払拭する。


 脳内に入り込むあらゆる情報を加味したうえでとある可能性を導き出した。

 

 とりあえず試してしまえ、そう思い地面に生えた草をかじってみると、幼い頃に試した事がある人はわかる、雑草の苦みが口に広がり思わず吐き出す。


 「マジか、もしかしてゲーム内に入り込んだか?」


 非現実的な今の状況に頭を抱える。

 ゲームと同じようにプレイヤー誰もが最初から付けている銀の腕輪を使い、メニュー機能を扱えたが、ログアウトだけが存在しない。

 

 幸いにして現在地を把握して、ブリタニカ王国の近くであることが分かった。

 

 森を抜けると、三間にそびえ立つ『技術の連塔(バベル)』。大陸最高峰ともいわれる研究機関であり、七本ある塔の一つはリューの拠点でもある。


 「さて、まず塔に向かうか。」


 リューは右手を横に伸ばす。

 背丈ほどある魔法陣を展開する。


 『空を駆ける清き天馬よ、円環より我が元へ【召喚術:ペガサス】』


 魔法陣が霧散して、純白の翼を持つペガサスが現れた。


 「久しぶりだな。」


 そう言ってペガサスの頭を撫でると、ペガサスも嬉しそうに頭を寄せてくる。


 「塔に行きたいんだが乗せてくれるか?」

 

 そう問うと、分かったとでも言うように鳴く。

 そのままペガサスに乗り、バベルへと向かった。

 

 

 

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