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アヴィスフィア 〜両性を駆使して異世界を謳歌する〜  作者: のんから。
二章 群雄割拠。
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二章08話 ヴェネティア帝国04。

「やっちゃった……」

「やっちゃいましたね……」

「やってしもうた……」


 朝焼けが眩しい初冬の朝。生活リズムが全く同じである三人娘は目を覚ますと同時に、未だ眠りこけるレベッカを横目にため息を付いていた。


 騒動の後、彼女の別荘である領主邸の一室に通されたアイヴィスは質素ながらも味わい深い夕食を馳走になり、アヴィスフィアでは珍しい入浴施設で身体をリフレッシュさせて貰い、拘束したお詫びと心からのお礼という素直な感情を寝室へと運んで来たレベッカを衝動のままに蹂躙し尽くしたというのがことの経緯である。


 四年ぶりに会った婚約者を初日の夜にあろうことか三人で、だ。正直言って、鬼畜の所業である。


 簡単なチャートにすると、こうなる。


 まずアイヴィスさんが急にデレたレベッカに興奮して一度、深いキスをする。


 その少々強引なアプローチに見かねたラヴィニスさんが手本を見せますとばかりに交代し、レベッカの意識を飛ばすほどのテクニックを見せつける。


 彼女のヒトより長く柔軟で器用な舌は、まさに”天使の口吻”と称されるほど甘美なものであることは既にマリアが証明しているが、レベッカをも落としたことでより確実なものとなる。


 不利を悟ったアイヴィスがならばと下腹部を舌で蹂躙し始め、その刺激で意識を取り戻したレベッカが心地よさ半分気恥ずかしさ半分となりジタバタと暴れ、ラヴィニスが押さえつけて口吻をして再び意識を刈り取る。


 ビクッと身体震わせて達したレベッカは完全に放心状態となるが、同様の行為で何度も覚醒を繰り返し、遂には痙攣したまま意識を取り戻さなくなってしまった。


 ちなみにこの間ずっとシュアさんは監督として指示と撮影を行っている。マリアとの一件で心得たのか、二人の対立を敢えて煽ることでより素晴らしい作品にしようという魂胆なのだろう。


 ここまでならばマリアの際とほぼ同様の手順なのだが、勉強熱心なアイヴィスさんの提案により、ラヴィニスが彼の下腹部を刺激し、その刺激を身を持って理解しつつレベッカで練習しようという試みに変わっていく。


 次第に皆一様に本気になり、攻守交代したりシュアの撮影した動画を見返すことで幾度とないトライアンドエラーを繰り返し、アイヴィスが漸く肩を並べられるくらいまで達した頃には朝になってしまい、様子を見に来たユニちゃんに皆一様に叱られた後の賢者タイムが今現在この瞬間なのである。


 ユニちゃんによればレベッカは腹上死していてもおかしくないほどの快楽という苦痛を味わっていたそうで、彼女の再生魔法を用いてもギリギリの所だったらしい。


「流石にこれ以上レベッカに無理はさせられないし、シュアに試そうかな」

「良いですね。たまには私もカメラマンをやってみたかったのですよ」

「うちゃ良かばい。見よーだけでん十分満足出来るし、そん。……恥ずかしかけん」

「ダーメ。俺が満足してないのと、お嫁さんとしての義務なので逃げられません」

「そうですよ。夫婦の営みは毎日の日課となっているのに、シュアだけ仲間外れには出来ません」

「うぅ……。あげんレベッカにしたとに、未や足らんとか。仕方がなかとですね」


 ともあれ。これ以上の描写は、倫理的に省く必要があるだろう。


 行為が終わるまでの間、アイヴィスが女神として君臨してから習得したスキルなどを今ここで整理してみようと思う。


 前提として、アイヴィスには『形ある想像(イマジクリエイト)』と呼ばれる想像から他の何かを創り出す神威スキルを持っている。


 その可能性は無限大であり、顕現出来るまで突き詰めることが出来るならスキルや特性だって生み出すことが可能な、まさに神の威光なのだ。


 父である皇帝が崩御し、戦争気運が高まる合間の僅かな時間を利用したため二つほどしか創造が出来ていないが、そのうちのひとつが『偶像願望(アイドルドリーム)』という神威スキルである。


 偶像願望。その名の通り、アイヴィスの願望通りの偶像を対象に投射しその状態に近づけ生み出すスキルである。


 詳細は至ってシンプルで、「顔やスタイル、容姿が良い」、「明るく面白く楽しいキャラクターかつサービス精神がある」、「歌やダンス、演技が上手い」、「差別をしない」、「純粋無垢、クリーン」、「努力家で親近感が湧く」などのいわゆるアイドルと言ったらこうじゃないとという個人の理想の押しつけを可能にするスキルなのだ。


 要するに、美人で可愛く若い処女という前提条件は勿論、常に清潔でトイレにも行かないので排泄もせず、誰をも惹きつける魅力を放っている女性像を既存の女性に与えることが出来るスキルである。


 これは、アイヴィスの神威スキル『不変なる親愛』や、特性である『不老、超速再生、促進制御、魅了』などを参考に調整している常時発動型のスキルで、体内外の汚れや老廃物を『促進制御』を主軸に魔力に変換し続けることで持続されている、実にコスパの良い無駄に拘った無駄のない、超絶無駄なスキルと言えるだろう。


 当然完成したと同時にラヴィニスやシュアにも『偶像願望』を使用しているため排泄等が不要になっただけでなく、今までもよりも更にアイヴィスにとって都合のいい女に近づいたことになる。


 具体的に言うならば、アイヴィスが望めば即座に放尿させることも可能だし、えっちな気分や身体にすることも可能なうえ、自身の分体を孕んでいるはずの彼女たちの処女膜の再生すら可能なのだ。


 倫理観の欠如が少々気にはなるが、性交渉のレパートリーは幅広くなるからというアイヴィスさんの強い要望により、折れた二人が甘んじて受け入れたのである。


 実際のアイドル同様に、素材の良さが無いと効果が半減してしまうのも難点のひとつとして上げられるが、ことラヴィニスやシュアに至っては心身ともに合格点を振り切っているので問題はない。


 分かりやすくアイヴィスさんが間違った方向に奮闘してしまったわけだが、彼の凄いところはそれを完成させて運用する実現力だろう。良いか悪いかは不明だが……。


 ちなみにもう一つアイヴィス謹製の無駄に拘った無駄のない、超絶無駄なスキルが存在するのだが、時間のようなので今回は割愛しよう。


「ん、んぅ。……朝? あれ、私どうして――ッ⁉」

「……はぁ、はぁ。お、レベッカちゃんだ。おはよう」

「ん、ん、んっ。レベッカ、おはようございます」

「ちょ、ちょっと待ってくれんアイヴィス様! れ、レベッカが見よーけん! ――んあぁっ⁉」

「あ、あああ、あわわわわ……」

「ちょっと待っててね、もうすぐ終わるから」

「レベッカ、身体は大丈夫ですか? もう少し休んでいても良いのですよ?」

「あ、あ、あぁぁぁっ! れ、レベッカ見らんで! あんっ⁉ ま、不味か。もうイってしまうけんっ!」

「は、はい! じゃなくて! ら、ラヴィニス様。私は大丈夫なのですが、その!」

「――はぁぁぁぁぁぁんっ⁉ も、らめぇぇぇ……」

「あぁっ⁉ あのお強いシュア様が簡単に……そ、そんな――」


 軋むベットに押し殺した声。荒い息遣いと淫靡な水音。朝の日差しが差し込む寝室に響き渡る複音は、再生魔法により状態が回復したレベッカの覚醒の条件を満たしたようだ。


 寝ぼけ眼を擦るレベッカ。自身の身に何が起こったのか理解出来ぬ間に、自身が尊敬する剣聖の卑猥な姿が飛び込んで来たせいで動揺を隠せないらしい。


 そんな彼女に気がついたアイヴィスは普段となんら変わらぬ口調で待機を促し、自慰に勤しんでいたラヴィニスは現代日本では需要の減ったしまったビデオカメラをそっと置き、レベッカの頬を軽く撫で心配そうに覗き込んでいる。


 頬を染めるレベッカ。昨晩のキスを思い出したのだろう。ラヴィニスと目を合わせられず、かと言ってアイヴィスにも向けられず、自然とシュアの方に目線が誘導されてしまう。


 そこには自身があの日あまりの強さに目を奪われた最強の獣戦士の、あまりに美しくて儚く、蠱惑的で端ない恍惚の表情と羞恥の姿が映し出された。


「ふふっ。レベッカちゃんったら顔が真っ赤だよ? あぁもう、可愛いなぁ♡」

「ふぁぁっ⁉ ろ、ろろローズ様? 私達まだ婚約段階なのでそういった行為はこ、困ってしまいますぅ〜!」

「えー? 良いじゃない。レベッカちゃんだって、中途半端じゃ辛いでしょ?」

「そ、そそそ、そんなことありません! あ、駄目っ⁉ そこは今駄目です!」

「うわぁ、凄いね。ラヴちゃんも凄いけど、レベッカちゃんも負けないくらいだ」

「――っ⁉ ローズ様っ! それ以上のことしたら、婚約破棄しますからねっ⁉」

「――うっ⁉ そ、それは困る……。レベッカ、ごめんなさい」

「えっ⁉ あっ、はい。……こちらこそ、少し言い過ぎてしまいました」


 完全に脳が蕩けきったアイヴィスさんは止まらない。熱心に下腹部への愛撫を練習してたためその成果を見せたいのか、女性の身体に男性器を持つという中途半端な性状態であるにも関わらず、漸く覚醒したレベッカに擦り寄りコミュニケーションを取り始めたではないか。


 名実共に女神として君臨するアイヴィスの愛らしさは尋常ではなく、それは同性であるレベッカも例外ではない。


 事実、抵抗はおろか目を合わせることすら出来ず、アイヴィスに押し倒されるようにしてベットへと倒れ込んでしまっている。


 彼としても自身が魅力的である自覚があるだけでなく、強引に迫ることで『好感度』が上昇することも分かっているので躊躇う必要性を感じないのだろう。


 しかしレベッカは違う。自身の感情を自分で理解する難解さもあるが、何よりも恥ずかしくてまともな思考が出来ないのだ。


 そこに、アイヴィスさんの余計な一言が入る。比べたことでラヴィニスという名が耳に入り、そちらを見たレベッカが、自身もあのように淫らで端ない姿をしているのかという羞恥が天元突破し、咄嗟に婚約破棄という急所を叫んでしまったのである。


 当然アイヴィス達に取ってそれは一番困る事態であり、出来得る限り叶えたい外交目標の筆頭だ。


 冷水を浴びたような表情で固まるアイヴィス。レベッカに突き放されたことで漸く冷静さを取り戻したらしい。


 彼を擁護するわけではないが、直ぐに謝れるというのは美徳である。何より軽い愛撫を受けたレベッカにとって絶妙な引き際であり、「や、やめちゃうの?」といった様子で下腹部の前で両手をモジモジと動かしながらも謝罪を受け入れている。


「……こほん。アイヴィス様、そして皆様。お風呂を用意致しましたので、朝食の前にでもご利用下さい」

「おっ、流石ユニちゃん気が利くね。ありがとう! じゃあ皆、一緒に汗でも流そうか!」

「……アイヴィス様。言うまでもないかも知れませんが、皆様がお待ちなので浴室で興奮して三人を襲わないで下さいね?」

「――ちょっ⁉ ひ、酷いよユニちゃん! 流石の私も朝から盛ったりしないよ!」

「どの口が言うのかは分かりませんが、そういうことですのでお早めにご利用下さいませ」

「……ぐぬぬ。ユニちゃん貴女、言うようになったじゃないの」


 辛辣に見えるが実に気の利くユニの誘導により、アイヴィスは漸く日常モードに切り替わったようだ。


 仮に『偶像願望』をユニやレベッカに使用すれば、いつまでも怠惰で甘美な誘惑にいつまでも溺れることが可能だろう。


 しかし彼がそうしないのは、ひとえに今この時のように現実へと戻らさせてくれる存在を大切にしたいからなのかも知れない。


 逆に言えば、アイヴィスにとってラヴィニスやシュアは倫理観や常識、相手の心身すら至る領域すら侵してでも手の内に収めて置きたい女性なのだ。


 アイヴィスもアイヴィスだが、そうと分かって受け入れる二人も二人と言える。


 ともあれ今は、合流したレベッカと今後について話を詰める必要性がありそうだ。


 貞操こそ奪わなかったが夜を共にしたのは既に周知の事実なので、レベッカがアイヴィスと結ばれたと帝国に広がるのは時間の問題だろう。


 アイヴィスとしても早急に結婚する前提で彼女の両親と面会した後、正式に帝国の帝都にて結婚式を上げる必要性がある。


 急ぐならば辺境伯邸にて上げるのが無難なのだろうが、その辺境伯側からの婚約に於いての唯一の要望が”皇国の皇族と帝都での結婚式”なのでは仕方がない。


 そもそも戸籍上は女性であるアイヴィスとの結婚は貴族間では特に異例なので、彼としても帝国乃至皇帝に対する説明責任も果たさねばならないので問題は無いのだ。


「……あ、そうだユニちゃん。結納品に馬鎧があったと思うんだけど、竜鎧に改造出来たりしないかな?」

「改造は難しいかと。しかし此度のワイバーンの素材を用いれば竜鎧の作成は可能だと思います。……そうですね。メイドの中に鍛冶屋が居りますので、彼女に伝えておきましょう」

「メイドの中に鍛冶屋が居るの……? なんで?」

「アイヴィス様のこういった我儘に付き合うためですよ? 話は通しておきますので、アイヴィス様はレベッカ様に工房の使用許可を頂いてきて下さい」

「それは何というか、申し訳ないね。でも助かるよ、ありがとう。レベッカに相談してみるね」

「それではアイヴィス様、お風呂にご案内致しますね」


 そんなこんな経てアイヴィス一行は、辺境伯領の主要都市へと向かうのだった。

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