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アヴィスフィア 〜両性を駆使して異世界を謳歌する〜  作者: のんから。
序章 異世界転性
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序章13話 情欲解放03。

 どうやら俺は、取り返しのつかないとんでもないことをやらかしてしまったらしい。


 コタロウに”娘さん(シュア)を下さい!”という人生の岐路的なイベントを華麗? に熟し、正妻であるラヴィニスのケアも悪れないリアル充実系二股クソ野郎に華麗なる転身を遂げた俺だが、どうやら早速大問題が発生してしまったようだ。


「んんっ、うむぅ。……はぁ、はぁ」

「……」


 多少なり妄想とは異なるが、この一週間はまさに男の理想の体現を実感した夢のような日々だった。


 初々しい反応で俺を受け入れてくれる可愛らしい美女二人。まるで五つ星レストランのパティシエが命を懸けて創ったかのような奇跡のような巨大なマシュマロのようなシュア(F)とラヴィニス(G)。


 あくまでも彼女達のカップサイズは俺基準(D-)からくる予想でしかないが、前世で初めて味わった筆舌に尽くしがたい至高のスイーツ(鈴音さん)(D+)から察するに、まず間違いないだろう。


 余談だが、女性へと転性したことで初めて男と女の胸のカップサイズの認識にズレがある――正直Dカップってもっと大きいものだと思っていたし、同カップでもスタイルで天地の差が生まれるということを身を以て理解した。


「ふふっ、やはり私は普通だった。けっして異常《アブノーマル》などではない」

「…………」


 確かに男の子たるもの大きなおっぱいにはそそり立つもの(物理)が控えているが、決して俺は大きさを重要視している訳では無い。


 一番大事なのは形とバランスだ。無駄のない筋肉と相反する脂肪の塊。その相容れない二種の反比例の神秘的な交差こそが至高なのである。


 そして一番は何と言っても尻だ。俺は尻フェチなのだ。叩けば弾むような、そんな瑞々しい尻が大好きだ。


 だが胸と同様に貴賎は無い。どんな尻にも素晴らしい魅力があるのだ。しかしながらこれを語ると日が暮れてしまうので、目下の問題から片付けることにしようではないか。


「おい! いつまで放置しておくつもりだシュア。大丈夫だったと言っている!」

「…………。――はぁっ」

「むっ。シュアよ、お前が私が被虐趣味(マゾヒズム)に目覚めたかも知れないと縛り付けたのだろう? いい加減ほどいてくれ! 体勢がきつくて苦しいし、何なら少しお前に苛立ちを感じるほどだ。……つまり、正常(ノーマル)だったってことに相違あるまい?」


 聞いた通りならば、どうやらラヴィニスはシュアに新たな扉を開いてしまったのではと疑われて縛り上げられたらしい。


 ……ふむ、素晴らしい。何というか、実に淫靡で蠱惑的である。


 一体何がそうなってそんな勘違いが生まれたのかは分からないが、彼女を女性たらしめる素肌が強調されている上に下着も露出しているため、一週間で漸く賢者と至った遊び人が再び顔を出しかねない状況だ。


「おい、早くしてくれシュア。こ、こんな醜態をもしアイヴィス様にでも見られようものなら、万に一つの確率でお前が言うような悪癖が付いてしまわないとも限らないからな」

「……ラヴちゃん。つくづく思うが、キミは本当に私のことを誘惑するのが得意だよね?」

「――へぁっ!? あ、あああ、アイヴィス様ぁぁぁっ!?」


 目隠しして縛り上げられているせいで勘違いしたのだろう。身近に感じたヒトの気配がシュアであるものだと錯覚していたらしい。


 もし仮に俺が本当に同性だったとしても抗えないほどの魅力。本能を芯から刺激する圧倒的なまでの性愛(エロス)の権化。


 そしてそれに相反する初心な反応が合わさればまさに完全無欠。せっかく理性的に(女性の姿で)様子を見に来たというのに、気を抜いたら男の象徴が不意に反り返ってしまうかも知れない。


「ち、ちちち、違うんですコレはシュアが勝手に! あ、ちょっと揺らさないで下さ――あ、あああ、あああああっ!」

「ふむ、ここはこうなっているのか。……流石シュア、勉強になるなぁ」

「ちょ、ちょっと何処触ってるんですかっ!? あ、あああ、アイヴィス様は変態ですっ! えっち! すけべぇっ!!」


 しかし本当にシュアは器用だな。これって所謂、”亀甲縛り”ってやつだよね? ……ふむ。なぜ日本人ではない彼女がこの縛り方を知っているか気にはなるが、藪蛇になりそうだから心に仕舞っておこうか。


 それにしても情欲的だ。ラヴィニスの豊満な肉体がこれでもかと強調されているにも関わらず下品過ぎない。


 もはや一種の芸術であると言われてもまるで違和感がない。……いや、股間に違和感は感じてしまうだろうけども。


「いやいやどの口が――って、え? う、嘘でしょラヴちゃん、縛り方がどうなっているのかちょっと確認しただけなのに……その、し、湿ってるよ?」

「――ッ!? ば、馬鹿ぁぁぁっ! アイヴィス様は意地悪です! わ、私はそんなえっちな子じゃありませんから!!」

「え、でもここなんか漏らしたのかってくらいシミになってるし――わわっ!? え、ええっ? どんどん溢れてくるよっ!?」


 ちょ、ちょっとラヴィニスさん? 流石に感度が良すぎではありませんか? ていうかコレもしかして、そう言うことなの?


 俺が欲望に負けて好き勝手に滅茶苦茶しちゃったせいで、め、目覚めちゃったの?


 ど、どうしよう。どんな性癖でもラヴちゃんを愛す自信はあるけど、あんまり酷いことはしたく無いんだが。


「や、ヤダ見ないで下さいアイヴィス様! あ、ちょっと待ってこれヤバいかも知れませ………んんっ」

「ま、まさかラヴちゃん……た、達しちゃった……の? う、嘘でしょ?」

「す、すすす、すいません私っ! こ、これってもしかして――い、嫌ぁ! まさか、そんなっ!?」


 どうやらラヴィニスは触れられて悶える自身を俺に見続けられたことで絶頂を向かえ、いよいよ被虐趣味を心身ともに自覚したらしい。考えてみれば女性騎士と言えばくっころ属性筆頭だし、あながち方向性は間違っていないのかも知れないが。


 とはいえ当然当人なので納得がいかなかったらしく、見てて可愛そう――もとい可哀想なくらい狼狽している。


 いやぁ、ラヴちゃんは本当に俺を煽るのが上手だよね。そしてその仕草や声で興奮してしまうのだから、俺にも加虐趣味(サディスト)の素養があったのだろう。そういう意味では理想的な関係性になれたってことだね。


 ふむ。このまま可愛いラヴちゃんを眺め続けるのは悪くはないが、流石にフォローしたほうがいいだろうな。


「ラヴちゃんの()()()はラヴちゃんに似て、本当に素直で可愛いね。愛してるよ♡」

「む、娘なんてまだいませ――ッ⁉ ば、ばばば、馬鹿なのですかっ! あ、アイヴィス様は、大馬鹿者ですっっ‼」


 あ、あれ? もしかして、間違えたかな? 男って自分の男性器のこと息子とかいうし、女なら娘じゃないの?


 さて、どうしたものか。謝らないととは思うが……無理じゃん? だって顔を羞恥で真っ赤にした最愛の婚約者が、一切の抵抗も出来ないように捕縛されてるんだよ?


 こんな棚ぼたシチュエーションで我慢できる男がいたら、男性器切り落として転性したほうがいいって。


 つまりここで俺がすること、それはラヴィニスが俺を罵倒したという一点のみに焦点を当てて状況をコントロールすることに相違ない。


「……ふーん。ラヴちゃんってば、そういうこと言っちゃうんだ」

「――ちょっ、近い⁉ それにど、どこを触ってるんですか! あ、アイヴィス様? 私、怒――っあん⁉ お、怒ってるんで――ふぅぅんっ⁉」


 まずラヴィニスの目隠しを外し、半目になるようにまぶたを調整してジッと見つめ、その流れで彼女の耳元に口を近づけて蔑むような口調で語りかけた。


 不快なのか身震いして逃げようとする彼女の身体に沿うように自身の密着させ、なぞるようにその柔肌を蹂躙する。


 俺の一挙一動に面白いほど反応するラヴィニスに更に興奮したのだが、それでもまだ何か足りないと高速に回転する思考の海にダイブを試み、言葉責めという一つの答えを導き出した。


「私、苦しそうだから解いてあげようって、恥ずかしそうだから馬鹿なこと言って和ませようかなって、そう思っただけなのになぁ」

「う、嘘ですそんなのっ! 絶対私を揶揄って遊んでます! だって! その……え、えっちな目、してますから」

「え〜、酷いなぁ。こんなにラヴちゃんのこと想ってるのに、信じて貰えないなんて私悲しいなぁ、切ないなぁ?」

「ひぁぁっ⁉ そこ摘まないで下さいアイヴィス様! わ、分かりました。その、も、もう怒ってませんから解いて下さい!」

「え〜、信じられないなぁ。ラヴちゃんも信じてくれなかったし、私もしかしたら、人間不信になっちゃったかも知れないなぁ」

「――く、くぅぅぅんっ⁉ ……は、はぁはぁ。ご、ごめんなさいアイヴィス様ぁ。わ、私が悪かったので、もう堪忍して下さいぃ〜」


 あ、あれ? まいったな、めちゃくちゃ楽しいんだけど。ラヴちゃんだって嫌がりつつも期待してるみたいだし、このまま最後までしちゃってもいいのでは?


 ふむ。コタロウとシュアは久しぶり再会で親子仲を温めているだろうし、俺もラヴィニスの中を温めて親愛を深めようではないか。


 据え膳食わぬは男の恥。この言葉前も使った気がするけど、現代日本にはそぐわないよね。……まぁここは中世な異世界だし、たぶん問題ないな。


「――()()()()()? 盛り上がってるところを水指すようでごめんだけど、流石にそろそろお城に帰ったほうがいいとリンネは思うの」

「「――あっ!」」

「もしかして二人とも、自分達の立場を忘れてた? ……はぁ。仮にも皇女と公爵令嬢なんだから、ちゃんと自覚しないと駄目だよ?」

「「うっ。ご、ごめんなさい」」


 呆れたような、それでいて申し訳無さそうな声が俺の口から俺の耳に滑り込む。どうやら同じ身体を共有している(リンネ)が、一時的に体の一部を支配して行為に及ぼうとするのを止めに来たらしい。


 我ながら情けないが、リンネに指摘されるまでクエストで遠征しに来てることも、自身の立場がアインズ皇国の皇族という重要なポストにあるという事実も頭から抜け落ちていた。


 帝都から出発して二週間弱。今まで最長でも一週間未満で帰途していたので、今回は明らかに異常事態だ。


 自分達の立場を鑑みるに、そろそろ捜索願が出てきてもおかしくはない。


 端的に言えば、非常に不味い状況だ。乳母であるベニヒメがギルドでの活動に関して今まで上手くフォローしてくれていたのだが、今回は場合によっては外出禁止令が出てしまうかも知れないのである。


「あ、あれ? でも何でリンネちゃん俺達の立場のこと知ってるの?」

「記憶も共有してるからだよ。……と言いたいところだけど、実は前からお兄ちゃんのことを()()()()()()()()!」

「……え? ずっとって、どうやって?」

「『要人監視モニター』っていうユニークスキルだよ。特定の人物を俯瞰して見ることができる便利なスキルなんだ〜」

「お、おぅふ。……ちょ、ちょっと待って? ということはもしかして、皇国での俺の私生活から何からご存知ってことですか?」


 か、監視? ちょっと待って? ということはあんなこともこんなこともずっと見られてたってこと? い、いくら恥を常識とともに投げ捨てた俺としてもその、さ、流石に恥ずかしいんだが。


 ま、まぁリンネちゃんに見られた分には別に問題ないか。つい最近情事を見られたばかりか、一緒に色々したばかりだしな。


 それに今となっては運命共同体な訳だし、酸いも甘いも噛み分けるためにも普通のままじゃ居られないからね。


「――うんっ! というか日本で死んでからずっと見ていたの! だからすぐお兄ちゃん達のことが分かったんだよ! えっへん!」

「「…………」」


 ……うん。流石にちょっと怖いなって思っちゃった。どうやら俺の最愛の妹は、とびっきりに病んでる(無自覚)系の女の子だったようだ。


 ははっ、ラヴちゃんってばあんなに紅潮してたのに真っ青になっちゃって可愛いんだから。……え? 俺も青ざめてる? 気のせい気のせい。


 それにしても女神の分体って凄いんだな。だって魔力とか一切ない世界で俺を監視し続けることが出来るってことでしょ? いや、もしかしたら認識できないだけで日本にも魔素とか魔力とかあったのかも知れないけども。


 え、ていうかもしかしてリンネちゃん、俺に憑いてたわけじゃないよね? よくよく考えてみれば、心当たりがないこともないんだよね。


 深夜に女の子の囁き声が聞こえたり、飲んだ翌日作った覚えがない料理が用意されてたり……夢でやたらとリアルな近親間での情事を見たり。


 ……よし、深く考えるのはやめよう。どのみち済んだことさ。今更どうにかなるもんじゃない。……え? 強がり言うなって? 大丈夫、全然怖いよ?


「それにこの他にもいっぱい凄いスキルあるんだから! どれもぜぇんぶお兄ちゃんにあげるっ! ……お兄ちゃん、嬉しい?」

「う、うわぁい。う、嬉しいなぁ。可愛い妹にこんなにも思って貰えるなんて……ちょっと怖いけど」

「ん? 大丈夫、怖いことなんてないよ? 女神の分体のリンネと一緒になったってことはお兄ちゃんは既に”半神半人”だし、お兄ちゃんに勝てる相手なんて、それこそ女神様くらいだよっ!」

「も、もっと怖くなったっ! え? 俺って既に、人間辞めてるの? まだやりたいこととかいっぱいあったんだけども――」

「――ま、全くもう! お、お兄ちゃんって、本当にえっちだよね。……大丈夫だよ。半神()()だから、人間としての機能はちゃんと残ってるよっ!」


 んー、なんかちょっと認識に齟齬がある気がしないでもないが、行為が出来るのならまぁいいか。人間が人間たらしめるのって三大欲求の他思いつかないし、考えてみたらよく分からないしね。


 しかしこれはギルドに帰ったらもう一度ステータスを更新しないと不味い――あ、そうだ。”毒無効”の件はここで誤魔化すことにしよう。


 あー、でも”半神半人”なんてギルドカードに記載されたら面倒になるに違いないよね。おそらくは”称号”のようなものだろうし、ユニちゃんと相談して違うものを表に表記してもらうしかないね。


「おーけー分かった。……ラヴィニス。悪いけどシュアを呼んできてくれないか? 今後について皆で相談したい」

「は、はい! 少々お待ち下さい!」


 ふむ。色々考えないといけないことは多々あるが、これは一度シュアも含めて事後対応に努めたほうが良さそうだ。さて、どうしたものか。

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