ビニール傘
今日、大学の帰りにパチンコ屋に赴いた。
結果は負け。
あの時あれが続いていればと意味のないことを歩きながら考える。
横の高速一般道を走る車が、音を立てながら過ぎ去っていく。
人道橋、横断歩道橋を過ぎたあたりで、ドンと鈍い音がした。
目の前にナニか、転がり落ちてくる。
誰がどう見ても人道橋からの飛び降りだ。
じんわりとアスファルトに乙女色が流れてゆく。
原型はあまり留めておらず、顔は黒く潰れ
それを隠すように髪が乱れている。
病的に細く白い手足だけはすごく綺麗だった。
ふと、どこかで既視感を覚えた。
こんなモノ見たことなどないと言うのに。
—————ああ、それは、おそらくは、
上半身だけを胎児のように曲げた姿が、
昨日捨ててしまったビニール傘に似ていたからだろう。