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始まりの恋


 その後、ギルドを出た俺たちは、泊まる場所をどうするか相談した。


 ルカはギルドを後にしたあと、またどす黒い声で「なんなんですか。あの人。あの人の方がよっぽど気持ち悪い」


 と愚痴っていた。


 そして、話し合ったの結果、ルカが今、俺が泊まっている宿に来ることになった。


 それから、ルカからは、これからはパーティーメンバーなんだから呼び捨てでいいと言われた。


 とても嬉しかった。いや、今まで呼び捨てで女の子を呼ぶことがなかったからさ。


 ミーさんでさえ、ミーさんなんだもん。


 ちょっと何言ってるかわからないか。



 さて、俺は、ルカが元々泊まっていた宿に荷物取りに行ってる間に部屋がないか宿の女将に聞くことにした。


 いやルカに取り行かせるより、そっちの方優先すべきだったかと、後悔するがもう遅い。


 この宿は、この街の中では結構リーズナブルだ。


 その代わりと言ってはなんだが、ほとんど最低限のサービスしかしていない。料理もまぁまぁと言ったところだ。


 「サクラさん。こんばんは。」


 「こんばんわ。アル君。」



 サクラという名前は珍しくない。ある年代においては…だが。


 この国は、初代英雄を召喚した国として有名である。そして、その初代英雄の名前を付けるのが一時期流行ったのである。


 その初代英雄の名前は、

勇者のベストジョブのサトシ

賢者のベストジョブのサクラ

聖騎士のベストジョブのタケシ

聖女のベストジョブのミコ

            の4人である。


 彼らはおよそ300年前謎の光に包まれて、この国の王城に突如として現れた。そして、彼らは当時人々に恐怖と絶望を与えていた魔族とそのリーダーである魔王の討伐をした。これにより、人々に安寧が訪れ、彼らは英雄とよばれ、平和が訪れた。


 そして、魔王を討伐した勇者達は、勇者はお姫様と結婚して、数年後に無事みんなが元の世界に帰りましたとさ。


 というのが大まかな内容だ。


 まぁ、その後に倒したはずの魔王がなぜか数年おきに復活するのだが…。



 それはさておき、これは御伽噺のように感じるが全て実話だ。そのため、自分の子供に英雄の名前を付けるのが大流行したのだ。


 しかし、そのため名前が被る人があまりにも続出したため、身分証などにいろいろと混乱が生じ、以後英雄の名前を付けることを禁止にされた。


 そのため、ある年代においては、だ。


 だから、名前で年齢がわかったりもする。



 「あの、宿って今どれくらい空いてますか?」



 「ごめんね。さっきまで、一つ空いてたんだけど、さっきちょうど人が来て借りたのよ。でもなんでそんなこと聞くの?」


 あちゃー。空いてないのか。困ったなー。


 「そ、そうですか。いやなんとなく聞いただけです。」



 幸いルカからは、どこの宿に泊まってるか教えてもらっている。今から向かえば途中で会うだろう。


 「それじゃあ、ちょっと用事思い出したんで。」


 そう言って宿を出た。あたりは薄暗くなっていたが問題ない。長年、金食い虫と呼ばれないために、野営の見守りを長くしてきたため、夜目は効いている。



 俺は、ルカが泊まっていく宿の方へ少し早歩きで向かった。



ーーーーーーーーーーー


 (ルカ視点)


 荷物OK!それでは、早くアルさんの宿に行きましょう。


 私は、奇妙な出会いをした男とパーティーを組んだ。


 最初は、いつものようにただの変態かと思ったがそうじゃなかった。変態ではあったけど。


 普通初対面に向かって結婚しよとか言う?



 はぁ、でも、あの言葉には、救われたなー。たしかに、これからの人生の方が無限大の可能性は広がってるかもね。


 そんなことを考えていたせいか、3人の男に囲まらていることに気づくのが遅れてしまった。


 「へへ。嬢ちゃん。こんな時間に女一人で歩くとはいい度胸じゃねーか。」


 「親分こいつ結構な上物ですよ。親分が終わったら俺たちにも回してくださいよ。」

 

 「そうですぜい。」


 最悪だ。私の宿は、ちょっと薄暗いところにある。そのため人があまりおらず、普段なら身を隠しながら慎重に行っているのだが…見つかってしまった。魔石は、カバンの中に一緒にしまって奥の方にしまったため使えない。


 どうしよう。目の前が真っ暗になる。頭がクラクラする。ああ、もう終わりだ。


 きっとこいつらは違法な奴隷を売買する犯罪者。恰好がそうだ。薄汚い。ついでに顔も薄汚い。


 お願い…


 だれか…


 助けて…



 「おい、何をしている?」


 そんな願いが叶ったのか声が聞こえてきた。その声に安心したのか。私は意識を失った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お読みいただきありがとうございます。


よかった。続きが気になる。と言う方は


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