ダサ!
冒険者ギルドの中に入り、受付のミーさんのところへと向かう。
「こんにちは。アルさん。これまた、どうされました?」
とミーさんが言う。
「ああ、早速で悪いがパーティー登録をさせたい人がいる。」
「そちらの彼女さんのことですか?」
なんかニュアンスが違うような気がするけど…
まぁ、気のせいだろう。
「ああ、そうだ」と答える。
「ふふ。分かりました。それでは、貴女はギルドカードを出してください。」
「はい。」
そう言ってルカはギルドカードをミーさんに差し出した。
「確認しました。では、あなたは今日から、アーズのメンバーです。」
「えっ?何そのダサい名前。」
と、おばあちゃんに愚痴を言った時と同じようにどす黒い声で言った。
そんなー。結構考えたのに。ダサいってひどくない?
「それwアルさんがw一生懸命考えてwつけた名前なのにwあはっ、あはははははは。」
なんか、ミーさんがツボってる。
「アルさん、どうしますか?変えます?その、ダサい名前。」
とミーさんが追撃を与えてきた。
アーズってそんなにダサいか?
「分かりました。そこまでいうなら変えます。そのかわり、ルカさんが決めて。」
すると迷うことなく
「インフェルノ。」とルカが言った。
なんだよそれめちゃクソカッケー。アーズなんてクソだ!ゴミだ!
これから『インフェルノのアルだ。よろしく!』って名乗るのか。うおおー!想像しただけで鳥肌が立つ。
「よし!それにしよう!」
「いいんですか?そんな簡単に決めて。」
ルカがそんなことを言ってきた。そんなの当たり前だ。逆に感謝しているくらいだ。
「ああ、もちろんだ。」
「それでは、インフェルノの皆さんこれからも頑張ってください。」
「はい。ミーさん…がんばります。」
そう言ってギルドを後にしようと後ろを向いた。
そして入ってきた人物に驚いた。
そして、気分が悪くなった。
「おお!久しぶりじゃないか金食い虫のアル。そういや、昨日また追放されたんだってなぁ。で?今度はその女に引っ付くつもりか?相変わらず早いねー。金食い虫兼ひっつき虫君。」
彼の名前は、ルマンダ。俺が最初にいたパーティー『ルマンダー』のリーダーだ。彼は、剣士のベストジョブを持っている。
「久しぶり。そっちは元気?俺は知ってのとうりだけど。」
もっと言えば、お前に会ったせいで余計気分が悪くなったんけどな。
「はっん。相変わらず気持ち悪い顔だぜ。やっぱ、追放して正解だったわ。金食い虫のお前がいなくなったおかげで、俺たちは、新しい装備が新調できて、より冒険しやすくなったんだ。その点は感謝しなくちゃな。わっははは。」
はぁ、きもいなら話しかけてくんなよ。もう俺らは、赤の他人じゃないのか?追放する時、言ってたじゃないか。確か『きもい金食い虫は関わるな』だっけ?
「そうか。よかったな。じゃあまた何処かで。」
本当、なんでこんなとこで会うんだ。最悪だ。早くギルドを出たい。
「ああ、そうだな。また会った時もからかってやるよ。って言っても当初から決めてたとうり、俺たちは、王都に行くから会えないと思うがな。まぁ、それじゃ、せいぜい頑張れよっ。」
そういや、英雄祭に出るんだったかな。まぁ、せいぜいがんばれ。そして負けろ!
「ああ、じゃあな。」
急ぎ早に、ギルドを後にしようとする。もうこれ以上関わりたくない。
「それと、そこのべっぴんさん。くれぐれも金、盗まれるんじゃねーぞ。」
最後に余計なことを言いやがった。本当、最後の最後まで腹立つやつだ。
金なんて盗んだことないのに…
まぁ、反論するのも嫌だし、これ以上同じ空気を吸っているのが辛いということもあり。
俺らはギルドを後にするのだった。
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