魔導式領域術展開・破
あけましておめでとうございます!
『特異点。それはまさに人類の希望。魔王を完全に倒すことのできる唯一の存在じゃ。
そして、特異点のみが扱えるのが魔導式領域術展開これは魔術と呼ばれるものとは全くとまでいはいかんが別物じゃな。
わしらは固有魔術と呼んでおる。
これは、世界を大きな魔石と捉え魔石の中にある魔力を使う感覚で世界の魔力を使うことによって通常ではあり得ない力を使える術じゃ。
そして、魔王を完全に倒すにはこれくらいの力がなければとうてい無理じゃ。
そして、固有魔術を使える唯一のジョブが魔導士のベストジョブじゃ。
お前には今からそれを習得してもらう。
そしたら、ここから出してやる。』
特異点?魔導式領域術展開?固有魔術?魔王を完全に倒す?
聞き慣れない単語に思わず困惑する。けれど聞こえてくる声には嘘を言っているようには思えない。思えないのだがどれも意味不明すぎてとうてい信じられない。
『特異点ってのさっき説明したじゃろ?まぁ、もしなんか質問があるならシューに聞け。あと魔術、それもシューに聞け。魔王についてもシューに聞け』
というより全部シューに丸投げ?
まぁ、でもシューに関しては謎な部分も多かったからちょうどいいけど…
それにあまり時間もない早くその固有魔術とやらを学んでルカを助けなきゃいけない。
『まぁ、なんせシューは6年間も此処におったからのー。多少世界の常識のズレはあれど固有魔術などの知識については完璧じゃ!』
6年!?こんな意味不明な空間に?よく頭おかしくならなかったな。
何せ周りを見渡す限り無が広がっている。しかし、なぜか平衡感覚はあり、この短時間いただけでもいろいろとおかしくなりそうだ。
それにシューがその魔術に6年かかったことを考慮すると俺は10年いや20年はかかりそうな気がするんだが…
「その辺はどうなんだ?本当に俺にその固有魔術ってのは使えるのか?それとどれぐらい時間がかかる?」
『なに。心配するな、ここの空間に入れた時点で魔術の鱗片は使えとる。掛かるとしても1時間かそこらじゃろう』
???どうゆうこと?
『ほら、言い伝えとったはずじゃよ、真なる願い云々と、つまり真なる願いを叶えようとする強い気持ち、強い心こそが固有魔術を使う上で大切ってことじゃ。ところでお主は何を願ったんじゃ?』
「街に魔王の僕?的なのが来てみんなそいつの毒でやられてるんだ。それで、俺の友達のルカって子もその毒にやられて…だから鍵を使ったんだ。」
でも…叶えられないなら…
『ほう。毒か…。ならお主の固有魔術が使えそうじゃの?よし、毒ならあまり時間をかけると後遺症が残るやもしれんな…早くやるぞ!』
えっ?どうにかできるのか?
『ああ、お主は、破の使い手じゃからの。お主の固有魔術を使って毒を破壊すれば良い。ただそれには相応の技術が必要じゃ。もし失敗すれば最悪の場合、体を破壊することになる」
は、破壊…つまり、し、死ぬ…
『大丈夫じゃ。言ったじゃろ?魔術で大事なのは…』
強い気持ち、強い心。
『そうじゃ。それゆめゆめ忘れるな』
『では、始めるぞ。まずは、空気中にある魔力を感じろ。さっきも言ったが魔石とおまじ要領じゃ』
魔石の中の魔力を取り出すイメージ…
魔力、魔力、魔力……………あった!
このもやもやとした煙みたいな感触、間違いない。
『よし、その意気じゃ。しかし、ここで注意することがある、地上の空気中の魔力は複雑じゃ。相当な意識をしなければ、見つからんぞ。
ここでは、ある程度感じとりやすくなっとるんじゃ。
次は、魔術の使用じゃ。
今見つけた魔力を吸い取って魔導の様に魔法に変えろ!』
吸う…吸う…吸う………!!
うぐっ。く、苦しい…
やばい一気に魔力が入ってきて息ができない…し、死ぬーーーーー。
『馬鹿タレ!吸いすぎじゃ。もっとゆっくり、丁寧にやらんか!』
ばぁ、ばぁ、ばぁ、ど、どゔやればもどにもどるの?
や、やばい…
『あー、ふぅーって吐け。ふぅーって』
ふぅーーーーっ。ふぅーーーーっ。
はぁー、死ぬかと思った。
てかこんなことで魔力が抜けるんだな。
『ほら、さっさとやらんか!時間はないんじゃぞ!』
その後もあれが違うこうじゃない。などと文句を言われながらも必死で魔術の習得に専念し、一時間後、ついに形になった。
なんとかなったが思ったよりも難しく、魔力を吸いすぎたり魔力が足りなかったりと感覚を掴むのに苦労した。
『よし、これからお前だけの固有魔術。《魔導式領域術展開・破》を教える!と言っても先程の魔術とあまり変わりはない、強いて言えば相手の体の魔力の把握もするだけじゃ』
相手の魔力?
『そう。生き物は誰しも皆少なからず魔力を持っている。それを感知し、その人を理解して、破壊したいものを破壊する。
今からここに実験体を用意するからやってみよ』
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