スタンピード終。そして、地獄の始まり1
残るはあと4体。
「こっちは終わったぞー」
こっちもー。
とあちこちで第二陣が終わった声が聞こえる。
「残り、全部やり切るぞ!いくぞぉぉぉぉ!」
そうドランさんの掛け声に合わせて、
みんな『おおーーーー!!!』と盛り上がる。
「了解!こちら、前衛!ラスト!行きます!」
ぐおおおと雄叫びをあげながら最後の魔物たちが迫ってくる。
明かりがあるためさっきよりはっきりとみえる分やりやすい。
そして、全ての魔物を倒すことに成功した。
『うおおおおおおおっっっしゃゃゃゃゃゃゃあーーーー俺たちの勝利だーーーー!!!!!』
なんとかこのアライアンスや上級の冒険者がいない中でスタンピードを勝利で収めることができた。
今は、あちらこちらで、歓喜の声や、今から飲みに行こうとか早く帰って寝たいなどの会話が聞こえてくる。
「アーベルトさん勝ちましたね!」
アーサルが話しかけて来た。
「ああ、なんとかな。それとお疲れ様。ところでこの後、俺たちも一杯どうだ?」
「あっ、お疲れ様です。行きましょう!いつものところでお願いしますよ。ぼく、こっち来たばかりなんであんまり持ち合わせないんですよ」
いつものところか…なら、ギルド近くのところだな。
「わかった。それと、パーティーメンバーも一緒になるが構わなか?」
「はい」
「おい、ルカ、シューこれから飲みに行かないか…」
ルカとシューを誘おうと手を振った。
その瞬間、「アル!危ない!」
ベチョ。
俺は慌てて振り返る。
すると、俺の周りには結界らしきものが張られその境界上の足元に紫色の液体があった。
そして、あたりには倒れている人々とその中で1人仁王立している女がいた。
「誰だ!」
俺は、この原因不明の事態に彼女が絡んでいると踏んで声をかける。
「あらぁ?なんで立ってるやつがいるの?それも3人も」
3人?俺はあたりを見渡した。すると後ろの方に、シューと代理ギルドマスターのドランさんが立っているのがわかった。
そのほかに立っている人はいなかった。
俺は一縷の望みをかけてよく目を凝らす。
しかし、その望みは消え去り、見つけてしまった。
後ろの方にいたルカも倒れているのを。
「何をした?」
その瞬間、俺は切れたのがわかった。これで2度目だ。
ほんと、つくづく俺はルカが好きだな。自分でも呆れてしまう。
「んん?ただ毒を撒いただけわ。オホホ」
そう軽い感じで言いはなった。
「ど、どく?」
ついつい聞き返してしまう。それに、撒いただけだと?こんなに倒れているのに?撒いただけ?
「ええ、毒よ。それも神経毒。後3時間もすればみーんな死ぬかしら。あら、残念。明日の朝日はギリギリ見れないわね。オッーホッホッ」
この女はふざけている。こんなにも人を苦しめているのに、笑いが出ている。
し、神経毒だと?さ、3時間?みんな死ぬ?こいつは人間じゃないのか?
「ふざけんな!なんでお前はこんなことをした?」
俺は問い詰める。俺は人を苦しめる存在が大嫌いだ。
「なぜ?なぜってそれは、魔王様のためよ」
そして、女から俺が一番嫌いな名前が出てくる。
人を苦しめる奴の代名詞。
「魔王、だと?」
それに、女の言っている意味がわからなかった。
なぜなら魔王はまだ復活していないはずだからだ。
「そう。あなたが思ってるその、魔王。魔王様は、300年と言う長い月日を有し、ついに完全なるご復活をなされた。そして、私たち12魔将に命じたの、人類に戦争をふっかけてこい。ってね。そのために、まずは魔王城から一番近い街のこの国のアクセスとかを堕とそうっなったの」
「300年?完全復活?12魔将?どう言うことだ?」
「あら?質問が好きね。いいわ。冥土の土産に教えてあげる。魔王様は、今まで力が不完全な状態だったの、初代英雄の勇者のせいでね。それが今年、ついに完全に力が戻ったのよ。そして、私たち12魔将にお命じになられたってわけ、人類滅亡の手助けをしろってね。
そして、私は、12魔将下級の六 スコーピオ
私の毒に浸りなさい。ふっ!」
そうやってこちらに手を向けて紫色の球を飛ばして来た。
どうやら、これが毒のようだ。当たったら終わりだが当たらなければいいと言うのなら簡単だ。
しかし、それは体力が万全の状態の時の話。
今は、もう体力がほとんど残っていない。
そうだ。さっきの魔石。あれで回復すれば…
「リフレッシュ。ふぅ」
まだ、疲れは残るが幾分かマシだ。
それに、シューとドランさんもいる。
相手が12醤油かなんだか知らないが人を苦しめるやつは、ルカを苦しめたやつは絶対に許さない!
お読みいただきありがとうございます。
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