スタンピード2
さぁ、いよいよだ。というところで俺はあることに気づいてしまった。
そう。
魔導士の要といっても過言ではない魔石、が一つも無いということに。
できれば、後衛で体力を少しでも使わない戦いがしたかったけど仕方ない。
まだ、体力は残っているし、十分いけると思う。まぁ、日々の鍛錬ってやつだ。
うし、中衛に行くか。
一応、毎日剣は振っているから剣の腕は劣っては、いないはずだと信じたい。
俺は、帯剣している剣を引き抜く。
うん。毎日整備してるから刃こぼれしてない!
そして、俺は中衛に行く。
俺は、一応知り合いがいないか周りを見渡す。
すると
剣使いのジョブのアーサルがいた。
久しぶりだなー。声かけてみよう。
「よっ!アーサル。元気か?」
「おお、アーベルトさん。お久しぶりです。僕は元気ですよ」
「いつも言ってるがアルって呼んで良いぞ。それに戻って来てたなら教えてくれ。飯にでも誘ったのに」
「いや、自分はアーベルトさんの方がしっくりくるんですよ。それと、金食い虫ジョブなのに、奢れるんですか?」
「いや、悪いがその時は割り勘だ。なんせ俺は、金食い虫ジョブだからな。
それより、惜しいがもう話は終わらせなきゃいけないみたいだ」
「そうですね。せいぜい死なないでくださいね」
「お前もな」
そう言って迫って来た魔物を迎え撃つ。
中衛のスタンピードなどの長期戦は、相手の機動力を奪うことが大事だ。そして、後衛にとどめを刺してもらう。
しかし、これはは後衛がしっかりといる場合に限る。
そして、今回は後衛は少ない。そのため魔物を倒すことも視野に入れてやらなきゃ行けない。
まず迫って来たのは、下級魔物5体。
これが今回の俺たちの大まかな編成だ。
前衛が7人
中衛が12人
後衛が4人
下級魔物程度なら余裕だろう。俺1人でも2体同時に戦える。
すぐに第二陣が来ると思うので、俺は迫って来たディアーの首を狩る。
「はぁー!ディア狩り切り」
ザンッ、ブシュ。コロン。
するとなんと魔石を落とした。
シューは魔石を得るには、ちょうどいい感じで魔物を倒す。と言っていたがよくわからない。
そして、落とした魔石ら小魔石だ。がこれで充分だ。
今の掛け声は、父さんに教わった剣術だ。
声を出すとより力が入り、倒しやすくなると。
俺はあの時のことを思い出す。
ーーーーーーーーーー
「いいか。お前には剣の振り方を教えたがそれよりも大事なことがある。」
「なに?お父さん?」
「はぁー!なんとか切り!」
ブォン!
突然切りかかってきた。しかも、剣筋が見えない。
「えっ?!」
「みたか?」
「みた!けど剣筋は見えなかった」
見たは見たけど、剣筋が全く分からない。
「そうだろう。声を出すとより剣とかに力が入るんだ。お父さんは、忘れっぽいから、いっつもそれっぽいのをその場のノリで言ってるがな。どうだ?お前もやってみろ」
「うん!」
「はぁー!親父の金玉アタッーーーク!」
「うぎゃーーー。」
※安心してください、パンチです。
ーーーーーーーーーー
懐かしいなぁー。
と感傷に浸る間もなく、魔物の第二陣が迫る。
第一陣はなんとか退いだが、この戦いがいつどこで破綻するかわからない。
俺は再度気を引き締める。
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