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俺たちの共同学園生活  作者: 雪風 セツナ
1学期編 ~中間試験~
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第41話

俺たちは先を歩いていく不機嫌そうな様子を隠そうともしないの千春を宥めつつ、正悟と舞依が相棒を組むということを伝えた。


俺たちの会話から2人に関係することであるということは分かっていたようで、内容自体にはそこまで驚いた様子はなかったが、一言ぐらいは先に言って欲しかったともらしていた。


取りあえず、内容も伝え、千春の機嫌も多少は直ったというところで学園に着いた。



「はぁ…学園に着いちまったか〜。」

「そんなに残念そうにしなくてもよくないか?」

「いや、休日がずっと続くといいとは思ったけど、この後を考えるとな…。」

「憂鬱になるのは否定しないわ。これでもいつもよりは遅く着くように時間を調整したのよ?」

「わかってるよ。蒼、今のうちに心の準備をしておけよ?」

「そんなに身構えなくてもいいと思うけど…、了解した。」


俺たちは学園に着いたことで、これから俺に群がってくる有象無象について早くも懸念していたことが起こりそうだと感じているようだった。


教室には5分前に着くだろう時間にいるが、急いでいく学生とすれ違うとこちらを何度も見ていたこともあり俺が来たことが学園に広がっていることだろう。



「とりあえず俺たちも遅刻しないうちに行くぞ。」


俺がそう言って学園の敷地を跨ぎ、昇降口へと向かった。



俺たちが下駄箱で靴を履き替えると、そこには鮫島先生がいた。


「おはようございます。」

「おはよう。君はいつもならもっと早くからきていなかったか?」

「さすがに騒動のこともあって余計なことに首を突っ込みたくなかったので時間を遅らせました。」

「まずまずの判断だな。それはお前にとっては有利になる策だが、学園側としては対処する事案が1つ増やされることになった。」

「どういうことでしょうか?」

「それを説明してもいいが時間がない。新庄を除いた3人は教室に行ってなさい。彼を教室に送ってもまた騒ぎになる。新庄は一度理事長室に来てくれ。そこで学園側としての対応を伝える。」

「わかりました。そういうことだ、後で伝えていいことは伝えるから先に行っててくれ。」

「わかったわ、また後で。」

「…先に行ってる。」

「またな!」


彼らは急いで教室へと向かっていき、鮫島先生の方へ向き直ると、


「よし、お前もついて来い。」



俺は理事長室まで連れていかれた。



コンコンッ

「失礼します、新庄をお連れしました。」

「入りなさい。」

「はっ!」


そう言って鮫島先生は理事長室の扉を開けて、俺とともに中に入った。


中に入ると、中央にソファと長机、その奥には大きなデスクがあるだけだった。

その大きなデスクの椅子に理事長が腰かけており、月宮先生も中で待っていた。



「おはようございます。」

「おはよう。まずはそこに座ってくれ。」


俺は理事長に促されてソファに座ることにした。


鮫島先生と月宮先生はここでは立ったままで、口を開くことはなかった。


「君は噂については知っているかね?」

「ある程度までは聞いております。」

「学園としてもこの程度のことで騒ぎ立ててほしくはないが、諸伏は特異な立場にあるからこうなっても不思議ではなかった。」

「………。」

「彼の立ち位置については?」

「伝聞という形であれば第三者より聞いております。」

「…何?そうか、よほど優秀な情報屋がいたものだ。」


そう言うと月宮先生に一瞥をくれると、彼女は瞼を閉じ軽く会釈をした。


「それならば改めて話す必要はないな。ならば、話は早い。我々は学園という組織で好き勝手に活動をさせるつもりはないが、国の息がかかったものが入学することを拒むこともできない。子供の学習の機会は奪うことは本望ではないからね。私の持つ力ではできる抵抗には限度があるから彼のように他勢力を抑え込むことができる者がいると助かると思っている。」

「私にもそのような振る舞いをしろ、ということですか?」

「そこまでは言わんよ。だが、何処にも所属をしていないというのならば、特定の派閥に加勢するのではなく学園生活をしている間は活動を抑えることに協力してくれると助かるよ。その後の進路は我々の教育で目指すものを決めてくれるといいが、それがその派閥の政治組織であっても咎めることはせん。」

「私は私と周囲が平穏であるならばかまいません。そう言うわけにもいかないとは思いますが。」

「そうだな。こちらでも協力してくれるのであれば1つ対策を講じるつもりだ。」


理事長はそう言うと、鮫島先生を見やった。


「少なくとも現在は、学園の敷地内では大っぴらに政治活動を禁止している。ここに追加条項として、学園生活の範囲から逸脱して騒ぎ立てるやつらはどんどんと個人評価を下げることにするつもりだ。逸脱の範囲は明確にすべきかもしれないが、1人のために永続する規則を作るのは認められなかったため、現状は範囲が抽象化している。今回は新庄に対して過剰に非友好的に騒ぎを起こしたものを対象にするつもりだ。友好的であるかの判断はこちらでする。」


「ご迷惑をおかけします。」

「それは子供が気にするところじゃない。国のやつらが何と言おうとも学園にいる間は私や教員が生徒を守る。教師は生徒に勉強や知識を教えるだけが仕事ではないのだよ。」

「ありがとうございます。」

「いろいろと話したいことはあるが、今後も関わり話す機会もあるだろう。今は君が協力をしてくれるのであればこちらもサポートは惜しまないということだけ伝えておきたかった。それでは、1時間目には間に合うだろう。ホームルームは代わりの先生がやっているが、遅刻にはしないでもらってある。」

「重ね重ね、ご配慮ありがとうございます。」

「いいんだ。君は人と明らかに生い立ちがあるが今はこの学園の生徒の1人だ、しっかりと学びたまえ。」

「はい、それでは失礼します。」


俺はそう言うと、立ち上がり会釈をして、退出の際に再度礼をして出ていった。



教室に入ると、1時間目はまだ始まっていないが、もうじき始まるというタイミングだったので先生と一緒に教室に入った。



1時間目は先生と一緒に入ったこともあり話しかけられることはなかったが、休み時間はそう言うわけにはいかなかった。

俺に近づこうとするやつらがいたが、正悟や響真たちが俺の周りに来てくれた。


「よう、朝はどうしたんだ?」

「少しばかり呼び出しを受けていた。」

「呼び出し?」

「ああ。今回のことに関してな。まぁ雑に言うなら学園内にいる間は大丈夫だ。」

「いや、さすがにもうちょい詳しく話してくれないと何もわからないぞ?」


俺が説明を面倒くさがって結論だけを告げたがさすがにこれだけで納得してくれなかった。

俺の近くに強面の響真がいて両隣には正悟と詩音がいるので話しかけにくそうにしていたが、俺の近づこうとする女子や男子はいた。

だから彼らにも聞こえるように俺が聴いたことで大事なことだけ伝えるようにした。



「そうか?そうだな。簡単に言うなら学生生活の範囲を逸脱した阿波儀を起こすようなら現在の個人評価からポイントをどんどん下げていくようだ。学園の秩序を乱すようなことを学園側としても看過できないようだ。一個人に対して集団で詰め寄っているようなら処罰の対象のようだ。」


俺がそう言うとビクっとした人が何人かおり、俺から離れていく様子も見られた。


「なるほど、それなら学園にいる間は安全だね。」

「学園内はな。まぁ外に出ても詰め寄られれば危険な人物と間違えて対応するかもしれないが学園側にも報告だけ挙げておくつもりだ。」

「無理はするなよ?」

「何のことだ?」

「まぁいい。次の時間に遅れないようにするぞ。」


秀人は俺が口にはしていない言わんとしていることを察したようでもあった。

外に出れば声をかけてもいいが容赦のない対応をするということだ。

また、報告を積み重ねていき、外でも厳しく取り締まる必要が出れば自分を囮にしてでも認めさせることを辞さないというつもりだった。


秀人はどこまで俺の考えを見抜いた分からないが、俺の心配をしてから先に教室に戻った。


俺たちも次の授業に遅れるわけにもいかなかったので、急いで移動をした。


ここまでお読みいただきありがとうございました。


また次話もお読みいただけると嬉しいです。

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