第13話
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―――――5月3日
この日もいつも通り日課をこなしてから朝食を千春と食べた。
そして、出かける準備を終えてからはリビングで話をしてショッピングモールに10分前に着く時間のバスに間に合うように家を出た。
バスが来て乗車すると、同じバスに舞依も乗っていた。
「あら、おはよう。」
「おはよう。」
「………ん、おはよう。」
「同じバスだったのね。」
「………このバスがちょうどいい。この後だとギリギリ。」
「そうね。もう一人はいないけれど、遅れたら置いていきましょうか。」
「………賛成。」
俺たちは一緒にショッピングモールへ向かった。
ショッピングモールに着くと、同じバスに乗っていた人もいたが、俺たちよりも早く来ていた人たちもいてそこそこ混んでいると言える状態だった。
「おっそいぞ〜、待ちくたびれたぜ。」
俺たちがバスを降りると、どうやら正悟は遅刻をするのではなく俺たちよりもさらに早く来ていたようだった。
「さて、行きましょうか。どこから見て回りましょうか?」
「………どこでも。」
「俺も特に希望はないな。」
「もしも〜し、聞こえてますか〜?」
「じゃあ適当に見て、気になったお店があったら入ることにしましょうか。」
「そうだな、それがいいだろう。」
「………ん。」
「いや、いい加減俺も会話に入れてくれないか!?」
「あら、いたのね。気が付かなかったわ。」
「………朝からうるさい。迷惑。」
「いや、お前たちが俺を無視してるだけだからね!?それにお前たちが乗ったバスのその一つ前のバスで俺は来ていたから!」
「そう、早かったのね。殊勝な心掛けね。」
「………よくやった。遅れなかったのはえらい。」
「もういいや、それで、本当にどこも希望はないのか?一応時間があったからここの地図とかは見ておいたけど。」
「ここに何があるか知らないもの、見ながら気になったところに入るのがいいんじゃないかしら?」
「わかったよ。じゃあ行くか。久しぶりにこのメンツで行動だしな。」
俺たちは入口の方でしゃべって時間がかかってしまったが、ショッピングモールを見て回ることにした。
今回のショッピングモールの散策は何か目的があるかと考えれば、舞依について知るということぐらいだろう。
仲よくしたいと思っている千春からすれば現状はやはり距離があると感じるのかもしれない。
俺たちと同様に過去に何かあったのか、それとも、生まれつきの性格でこの距離感なのか、それとも俺たちと親しくしようと思っていないのか、いずれかであろう。
俺の考えは過去に何かあった、が有力だった。
特に根拠があるわけでもないし、クラスメイトのほとんどの人物について知らない。
しかし、既に俺、千春とおそらく正悟もだが、過去に何か大きなことがあって現在の自分に影響している人物がいて、他のクラスメイトにもそういった人が多いのではないかと推測したのだ。
さらに、月宮先生は一緒にグループで行動していたことについて言及したこともあった。
生徒の主な経歴をどこからかこの学園は入手しており、担任はそのことを知っているということから考えても言及したということは何かあったと思っても不思議ではない。
俺はそう言ったことを考えながら歩いていると、
「考え事か?ぼ〜っとしてるもいいけど、あいつらだけで会話してて俺らは完全について行っているだけの状態になってるぞ。」
「ん?ああ、すまない。気になることがあってどうだろうか推測をしていたんだ。」
「今何か気になることがあるのか?」
「あるぞ、お前の過去とかな。」
「ははっ、それはいつか話してやるよ。けど、今じゃない。それを考えていたってことは榊のことか?」
「そうだ。今の俺たちの距離感はどうなっているのかよくわからないうえに、珍しく千春も他人と、舞依と親しくなろうとしている。手助けぐらいはしてやりたいと思ってな。」
「なるほどな〜。まぁ、少なくとも現状じゃあ空回っているな、あれじゃあ。」
俺は正悟に言われて前方にいる2人のやり取りを見てみると、千春から積極的に話しかけているが舞依は一言二言返しているというだけだった。
全く返事をしないわけではないし、時折何か自分の意見を主張しているが、それでも会話が弾んでいるようには見えなかった。
「こうやってただ歩いて話しているんじゃなく、どこかの店に入ってゆっくり話さないか?」
俺はしばらく歩いているとそう提案した。
「いいんじゃないか?まだ時間は早いけど、今のうちから店に入っておけば昼飯も待つこともなさそうだし。」
「そうね、どこかに入りましょうか。」
「希望はあるか?」
「俺はどこでもいいや。」
「私は軽めに食べられるところならかまわないわ。」
「………どこでも?」
「ふむ…。」
特に食べたいものがあるわけでないと店を考えるのは大変だったが、ちょうどいい場所があることを想いだした。
「フードコートでいいか?あそこなら何かしら食べたいんのが見つかると思うが。」
「俺はそこでもいいぜ。」
「私もいいわ。」
舞依は頷いただけだった。
俺は彼らの同意も得られたということでフードコートのある場所へと移動した。
フードコートはまだ11時頃だというのにそれなりに人がいた。
おそらくここが開いてからいたのではないかと思われた。
席はまだ空いているので俺たちも適当なところに座った。
「とりあえず飲み物だけでも買ってこようぜ?」
「そうだな。千春たちから買ってきたらどうだ?俺たちは待っているから。」
「わかったわ。舞依、行きましょう。」
千春と舞依が飲み物を買いに行った。
俺と正悟は席について2人が戻ってくるのを待っていた。
「蒼は白崎と榊は距離を詰められると思っているのか?」
「さぁな。詰められればいいとは思うが、舞依が自分の心の奥に抱え込んでいることを話してくれれば可能性はあるかもしれないな。」
「話すと思っているのか?俺たち自身が打ち明けてもいないうえに、出会ってから時間も経ってない。これだけの時間じゃまだ信頼が足りないと思うぜ?」
「今日はやけに否定的だな。」
「まぁ、今はあいつらもいないし取り繕わなくていいかなって。」
「そうか。少なくとも俺はどっちでもいい。千春に協力をしているに過ぎないからな。」
「そうか、蒼も出会ったときよりは丸くなったんじゃないか?」
「…どうかな。」
俺と正悟が話していると、千春たちは買ってきたものを持って戻ってきた。
「ただいま。」
「おかえり。今度は俺たちが行ってくる。」
「いってらっしゃい。飲み物をメインに売っているのはあっちの方よ。」
「わかった、ありがとう。」
千春は自分たちが買ってきた店の方向を指して教えてくれたので俺たちはそっちの方へと向かうことにした。
「蒼は何買う〜?俺はどっちがいいか迷っているんだけど。タピオカにするかフロートにするか。」
「その二択しかないのか…?」
「いや、今の気分的にどっちかがいいな〜ってよ。」
「それはお前自身で考えてくれ。」
「え〜…。」
正悟はどちらがいいか悩んでいたようだが、俺は買いたいものがすぐに決まったので店の列に並んだ。
列といってもそこまで並んでいるわけではなく3組ほどの人が前にいるだけだったのですぐに俺の順番になった。
「コーヒーフロートを1つ。」
「かしこまりました。」
俺はコーヒーがいいと思ったが、残念なことにここでは普通のコーヒーは売ってなかったので、フロートのコーヒーを頼んだ。
正悟はさんざん悩んだが、タピオカマンゴージュースを頼んだようだった。
「タピオカにしたんだな。」
「おう!迷ったけど、足りなくてもう一杯飲みたくなったら他のフロートを頼めばいいかなって。」
「そういうことか。じゃあ、買ったことだし席に戻るか?」
「そうだな。他に買うものもないだろう?」
「まだいいだろう。」
俺たちは千春と舞依が待っている席に戻った。
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