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俺たちの共同学園生活  作者: 雪風 セツナ
1学期編 ~中間試験~
53/162

第5話

※以前の話の矛盾点を修正したりしました


時間のある時に誤字・脱字の訂正をしていこうと思います



「やっと見つけたよ〜。思ったより人が多くて。」

「いや、大丈夫だ。俺はちょうど一つ前のバスで来たところだ。」

「そっか〜、もう一本前のバスはギリギリ間に合わなくて、さっきのでも間に合うからよかったけど。待たせてごめんね。」

「大丈夫だ、それよりも行かないか?」

「あ、そうだね。じゃあ行こっか。」


俺は黒宮と一緒にショッピングモールの奥へと進んでいった。


このショッピングモールはとても広く、立体的というよりは平面で多くの店が展開している。

多くの店が展開しているがゆえに競合他社も多く、それぞれの店では何かほかの店ではないサービスを日々考えているそうだ。


そもそも、ショッピングモールへ足を運んでくれる生徒は少なからずいるが、リピーターになってくれるか、ということに加えて、限られた人数からどれだけ初見の人にも足を運んでもらえるかがこの島では重要になっている。


俺たちも歩いていると、


「こちらのお店ではカップル割引しております、如何でしょうか?」

「当店では相棒の方と来店していただくと、こちらのサービスも提供しております。」

「そこの学生さん、彼女にこちらの商品をプレゼントしてはどうだい?」


あちこちのお店から声をかけられた。

客引きのような声のかけ方もしてくるが、強引な誘い方はしてこないだけまだマシなのかもしれない。


「新庄君、どうしよっか?」

「そうだな…。相談事に向いていそうな店というのがこれだとよくわからない。だが、これだけ店が多いんだ、どこかに個室があるの店もあるかもしれない。」

「ええ!?個室!?そ、それは…。」


あまりに黒宮が過剰に反応するもので驚いてしまった。

しかも黒宮も大声で反応してしまったがために周囲の人も何事かとこちらに視線が集まってしまった。

俺は周囲の人に何でもないです、と言い黒宮の手を取り、足早に立ち去った。



「すまない。そこまで過剰に反応するとは思わなかった。」

「え、ううん、私の方こそごめん!新庄君も私のために考えてくれたんだよね?私が変な想像しちゃったから…。」

「いや、いきなり俺がそう捉えられてもおかしくない場所を提案してしまったんだ。すまない」

「そんな謝らなくても…。とにかくどこか落ち着いて話せる場所探そ!」

「そうだな。」


俺がそう言うと、黒宮はじっとこちらの顔を見て


「それと、私はこのままでもいいけど、白崎さんにちょっと申し訳ないかな?」

「ん?」

「手。さっき新庄君が握ってくれたけど、いつまでつないだままなのかなって」


黒宮は恥ずかしそうに笑って俺に向かってそう言ってきた。

俺も言われるまで気にしていなかったが、とっさにあの場を立ち去るのに繋いでそのままだったようだ。


「悪い、気が付かなかった。」

「ううん、いいよ。けど、もう少し慌ててくれると可愛げもあるんじゃないかな〜」

「そんなもの俺に期待しないでくれ。それにあの場で、大きな声で恥ずかしそうに個室と叫ばれたら誰だって変な邪推をする。あそこに知り合いでもいたらどうする?そう考えると、あの場を早く離れるべきだろう?」

「う、揶揄ったつもりが…。ごめんなさい。けど、あそこであんな発言を急にするから驚いちゃったんだもん。」

「それは悪かったとは多少なりとも思ってる。」

「うん。まぁお互いさまと言うことで!じゃあ、行こっか。」



俺たちはショッピングモール内を歩きながらいくつかの店を見て、話をするのに良さそうな場所がないか探してみた。

途中で案内板を見つけてどこか名前で良さそうな雰囲気のお店がないか見ていると、エリアごとに分かれている中に、目を引く名前の店があった。



“~Secret Cafe~”



店名から既に怪しい雰囲気をしているが、“秘密の喫茶店”という名前からして、相談事にはぴったりな場所のような気がした。


「黒宮、ここはどうだろうか?」

「ん、どこ?」


俺は見つけた店を指さしながら「ここだ。」と言った。

黒宮も名前の怪しさから「う〜ん」とうなったが、


「うん、なんとなく、このお店でもいいかな。名前からしても今日の趣旨に合ってるし。」


黒宮も俺の提案に乗ってくれたので、俺たちは“~Secret Cafe~”へと歩いていった。




~Secret Cafe~はショッピングモールでも1階の一番奥にあり、近くに行ってもパッと見て分かるような外観でもなかった。

また、入り口があるだけで中の様子も窓の奥がこちらからうかがえなくて怪しさしかないと感じてしまった。


「どうする?この店でいいか?まだ引き返せるぞ?」

「え、えっと、うん。大丈夫。」

「本当か?」

「うん。それにここならあまり人も来なさそうだしちょうどいいかもね。」

「わかった。」


俺は店の扉に手をかけて中へと入った。



店に入ると受け付けがあり、そこには初老の男性がいた。


「おやおや、こんなお店に学生さんがいらっしゃるとは。いらっしゃいませ。2名様ですね?」

「はい。」

「では、どちらに案内しましょうか?」

「どちらといのは?」

「このお店は“Secret”、秘密のお店です。何か周囲の人に聞かれたくないお話や外から見られないようにしたいお客様も利用できるようになっております。そのため、1階の通常のスペースのほかに地下のお部屋も案内しております。」

「なるほど。料金は変わらないのか?」

「いえ。少し部屋代と言うことも含めて加算されますがそこまで高くはないでしょう。どうしますか?」

「それなら下で頼む。」

「承知しました。それと、なされないと思いますが、こちらはあくまで喫茶店ですので公序良俗に反することはしないでくださいね。そう言ったことはしかるべき場所でお願いします。」

「わかっている。ここでは話を聞くだけだ。メニューは?」

「わかっているならかまいません。メニューは下のパネルから注文してください。できましたらノックをしますので、そのお部屋の棚からお取りください。中の様子をうかがうこともしませんので。」

「わかりました。」

「ではご案内します。」


そう言って男性は奥から案内係の女性を呼ぶと、俺たちはその女性について下に降りていった。


「お客様は1号室です。」

「ありがとうございます。」

「では、失礼します。」


そう言って彼女は下がっていった。


俺たちは案内された部屋に入ると、玄関とリビングと言う風に部屋が仕切られていた。


俺たちは玄関にあたる場所で靴を脱ぎ、スリッパに履き替えた。

その時に棚に注文の品を置くと言っていた意味が分かった。

入口を入ってすぐのところにちょうどプレート2つ分のスペースが確保されていたからそこに置かれるんだろうと推測できる。



俺たちはリビングにあたるところの扉を開けて中に入った。

中の様子は個室と言うだけであって少しだけ高そうな雰囲気だが、テーブルとソファがあるだけだった。


「中は思ったよりも普通なんだな。」

「そうだね。私もてっきりこういうお店だからもっとヤバいところを想像してた。」

「この店に入ってから一言も言葉を発していなかったしな。」

「私が変に口を挟むよりも任せた方がいい気がしちゃって。」

「この店は今後も使うかもしれない。ルールや仕組みを覚えておいた方がいいだろう。」

「そうだね。私も気になるところがあったら質問してみようかな。」


俺たちは荷物を置いて、向かい合う形で座った。


「とりあえず、飲み物だけでも注文しておくか?」

「そうだね。ご飯は話が終わってからか、別なお店でかな?」

「その時次第でいいだろう。俺はコーヒーにするが、黒宮は?」

「う〜んと、私は苦いの得意じゃないし、ホットココアにしようかな?」


ディスプレイでドリンクの画面を操作しながらそう言った。


俺たちは注文を終えると、届くまでは適当に話をしていた。

中に入ってこないとはいえ、途中で話を遮られてしまっては、面倒だと思ったからだ。



コンコン



数分してからノックの音が聞こえた。

少ししてから扉を開けると先ほど推測したとおりの所にプレートが置いてあり、コーヒーとホットココアが届いていた。


(誰かが出入りをしたはずなのに音が全くしなかったな…。)


俺はそんなことを思ったが、冷めてはもったいないと思い直しプレートを持って中に戻った。


「ありがとう。」

「これぐらいかまわないさ。」


俺たちはそれぞれの飲み物に口をつけて一息をついた。


「それじゃあ今日呼んだことについて話すね。」


彼女はそう言って今回の件について話を始めた。


ここまでお読みいただきありがとうございました。


また次話もお読みいただけると嬉しいです。


感想・評価・ブックマークもしていただけると嬉しいです。

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