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俺たちの共同学園生活  作者: 雪風 セツナ
1学期編 ~中間試験~
52/162

第4話

今回も視点変更がありますが、こういうのはない方がいいのでしょうか?


※今回の話との矛盾点をなくすために1章で説明した白崎の特徴を変更させていただきました。

―――――5月1日


俺は朝になり目覚めると、ランニング用のTシャツに着替えるといつものように1時間ほど走った。


汗を流してからリビングに向かうと、いつものように千春は起きており朝食の用意をしていた。


「おはよう、お帰りなさい。」

「おはよう、ただいま。」

「もうすぐ用意ができるわ。」

「助かる、ありがとう。」

「これぐらいかまわないわ。コーヒーでいいのかしら?」

「それぐらいは自分で淹れるぞ?」

「いいのよ、たまには私にもやらせてちょうだい。紅茶を淹れる練習はしたことがあってもコーヒーはしたことがなかったわ。だからいい練習になるのよ。」

「わかった、それなら頼む。」


俺は席に座りかけた状態から、ちゃんと席に座った。

朝食はご飯の時もあればトーストの時もあり、はっきり言ってしまえば俺たちの気分で決めていた。

一応朝になってからどっちにするか決めるのでは準備も違うので前夜の夕飯の時に2人でどっちにするか話して決めていた。

ちなみに、この日の朝食はトーストだ。


千春にコーヒーを淹れてもらい、2人で朝食を食べていると、


「ゆっくり食べていても時間は大丈夫なのかしら?」

「ああ。さすがにそんなに早くから会う約束はしていないからな。」

「そう…。」


千春は俺に対して質問をしてきているが、どこか気落ちしているというかやはり俺が他の女子と2人で行くことに対してよく思っていないところがあるのかもしれない。

俺はどう声をかけていいか迷ったが、


「あ〜…、その、なんだ、俺は黒宮と会ってくるが相談があるからそれを聞いてくるというだけで、特に何か起こるとは思わないぞ?」

「ええ、確かにそうね。わかってはいるわ。けど、どうしても不安になるのよ。不思議よね。まだあって1月も経たないのにこんなにあなたに入れ込んでいるのよ?私らしくもないと思うけれど、不安で彼女に嫉妬してしまうのよ。ここまで嫉妬深いとは自分でも思わなかったわ。」

「それだけ想ってくれっているのに答えを出せなくて悪いな。」

「いいのよ。気持ちに対して向き合う時間も必要だと思うし、本心から出ない気持ちを聞かされてもうれしくはないわ。」


そういうと、千春は食べ終えたので自分の食器を持ってキッチンへ向かった。

俺は食べ終えていたが、コーヒーをまだのんびりと飲んでいたのでそのまま座ったままでいた。



「食べ終えているならそのお皿もくれないかしら?」


千春は自分の食器を洗い終えると俺にそう言ってきた。

先程の話は終わりだと言わんばかりに、切り替えているのは彼女のすごいところかもしれない。

先程までしていた話とは打って変わって日常家事を淡々としている。


「ああ。少し待ってくれ。」


待たせるのは申し訳ないと思い、飲みかけのコーヒーは机に置いたまま、それ以外の食器をキッチンへ運んだ。


「ありがとう。」

「いや、俺の分まで洗わせてしまい悪いな。」

「これぐらいいいわ。」


俺は机に置いたコーヒーに手を伸ばすと、


「…ちゃんとあなたが帰ってくるまでは気持ちを落ち着けておくから安心してちょうだい。」


それだけ言って彼女は洗い物をしていた。

俺は何も言うべきではないと思いコーヒーを飲みながら端末でニュースを読んでいた。


「じゃあ私は部屋に戻っているわ。」


彼女は洗い物を終えるとそう言って自室へ戻っていった。

俺はコーヒーを飲み終えていたが、新しくもう一杯淹れ、リビングで時間を潰していた。

部屋に戻ってもいいのだが、どこにいてもこのもやもやした感じは変わらないと思ったからだ。

結局2杯目のコーヒーを飲み終えるまで俺は1階のリビングにいた。



コーヒーのカップを洗い、部屋に戻ると俺は、外出の準備を整えて時間までどうするか悩んでいた。


(俺はこのままでいいのだろうか。千春に甘すぎているのではないだろうか…。早く答えを出す必要がないと言われているが、このままダラダラと引きずるのがよくないことぐらい自覚しているはずなのだがな…。)


俺はどんどんと思考の海に沈んでいった。



どれくらい時間が経過してしまったのかと、ふと、時刻を確認してみると1時間近く経過しており10時の待ち合わせには間に合うがそろそろ出ないと遅刻の可能性もあるという絶妙な時刻だった。


(そろそろ出るか…。思ったよりも長い時間考え事をしていたんだな。おっと、行く前に千春にも声をかけていかないとな…。)



俺は自分の部屋から出ると、隣の千春の部屋をノックした。


「…何かしら?」

「そろそろ俺は行く。その前に一言声をかけていこうと思ってな。」

「そういうことね。気を付けていってらっしゃい。」

「ああ、行ってくる。…あまり思いつめるなよ、俺が言えたことではないというのは重々承知しているがな…。」

「………。」


部屋からは返事は聞こえなかったが、俺は1階へ降りてそのまま家を出た。





―――――千春side




朝から私の気分はそこまで優れてはいなかった。

昨日彼が黒宮さんと二人で出かけると聞いてから胸の当たりがモヤモヤしている。

おそらくこれが嫉妬というものなんでしょうね。

私らしくもないわ。

ここまで特定の個人に入れ込んでいるなんて兄以来じゃないかしら?


おそらく私が嫉妬をしてしまうのは相手が黒宮さんだからかもしれないわね…。

彼女は私と対照的なところが多い。

慎重は私もそんなに低いわけではないが、平均から見れば少し低い方なのに対して、彼女は高めともいえる。

そして、私たちの髪は肩よりも伸ばしている点では共通しているものの、私が白で彼女は黒、見事に対照的な色と言えるわ。


彼は忘れたというかもしれないけれど、船で彼が送った視線を私は忘れていない。

私だって気にはしているところだけれども、どうにもならないのよ。

私の胸は平均的な方(本人がそう思いたいだけ)なのに対して、彼女は大きい。

彼がそういった目線を送ってきたことはないけれども、周囲の男子からはそういった不愉快な視線を送られたこともある。

大きくてもいいことなんてないというけれども、それは持つ者だから言えること。

持たざる者はどんなに頑張ろうとしても届かない。



彼はどちらが好きなのかしら…?



ふと、身体の特定の部分のことを考えて黒宮さんに対して呪詛を唱えかけていたが、私は冷静に立ち戻り、彼のことを考えた。


私と黒宮さんは身体的なところが対照的で、一度しか会っていないものの社交的な性格と私の性格では正反対とまでも言わなくても対照的ね。


彼が黒宮さんと一緒にいて私と比べたりしたらどう思うのかしらね。


私はモヤモヤしたものをどうやって解消したらいいのかわからず、自室のベッドでうなっていた。


彼は出ていく前に私に声をかけてくれたが、私は素っ気なく返事をしてしまった。

こんなのではダメだと思っているのに、私は抑えきれなかった。


私はどれくらいそうしていたかわからないが、気分転換が必要だと思い外に出ることにした。


(新庄君も外出をしているし、この家に引きこもっては何も解決しそうにないわね。)


そう思ったはいいが、どこに行くかは考えていなかった。

一人で外出をするのは久しぶりで、目的地も決めていないということもあって少し悩んだが、お昼には少し早いが先輩たちのお店に行こうと考えた。

数少ない知っている人のお店で既に相棒がいて、少なくとも私たちよりも長い付き合いをしているなら何かアドバイスがもらえるかもしれない、そう言う淡い期待を抱いてお店に向かった。



―――――新庄side



俺は家を出てからバス停に向かい、ショッピングモール方面へ行くバスに乗った。

絶妙な時間だったとはいえ、待ち合わせの10分以上前に着くバスを選んだので同じバスに黒宮の姿はなかった。


その後もバスは順調に進み、ショッピングモールの入り口に着いた。

ショッピングモールは予想をした通り多くの学生、また島で生活をしている人がいて賑わっている状態だった。

この島で生活をしているのは島で働いているが、家族を本島に残しておけないという人たちだ。

関係者以外が入れないという状態ではいずれ島での生活も困窮することから現在は実験的に家族のみが許されている。

噂では数年後、早くて来年から定住者を呼び込んで島の発展に寄与しようとしている動きがあるらしい。


少しの間、俺は入口のところで周囲の人の流れを見て待っていると、次のバスが来た。

おそらくこのバスに黒宮も乗っているだろうと思い、俺は降りてくる人を遠目で眺めていると、最後の方に彼女は降りていた。

降りてきた人でごった返しているため、直ぐに声をかけることはできずに流れがなくなるのを待っていると、端末に着信があった。


「もしもし?」

「もしもし?ごめん、今着いたんだけど、どこにいる?人が多くて見つけられなくて。」

「こっちでは一度確認している。」

「そうなの?どの辺にいる?」

「降りたところから右斜め前に進めば見つかるはずだ。地図とかの案内板の近くにいる。」

「わかった。そっちの方に向かうね。」


念のため通話状態のままで彼女はこちらへ向かってきた。


「「あっ」」


端末と俺の近くからほぼ同時にそんな声が聞こえてきた。

俺は声が聞こえた方に振り替えるとそこに黒宮がいた。


「お待たせ。」


そう言って彼女は俺に声をかけてきた。



ここまでお読みいただきありがとうございました。


また次話もお読みいただけると嬉しいです。


感想や評価、ブックマークもしていただけると嬉しいです。

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