表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺たちの共同学園生活  作者: 雪風 セツナ
入学編 ~特別試験~
PR
5/162

第4話

続きです。

今回も読んでいただけると嬉しいです。

「私は、鷲城 飛鳥(わしじょう あすか)です。皆さんの学年の日本史を主に担当しています。それでは、今回の配布された問題の書かれている用紙について説明します。」


この先生は丁寧で弱腰な口調だった。今まで説明してくれた先生とは違ってだいぶ控えめな先生だと感じた。他の先生に言い負かされてしまいそうな印象を受けた。


 「皆さんの手元にある問題は自分のクラスの人と一致しているか確認してください。異なっていたら至急知らせてください、確認はしたのですがそんなことがあっては私たちのミスです。」


 俺は近くにいた正悟と互いの問題が一致していることを確認した。


「大丈夫のようですね、よかったです。それでは他の先生から少しは説明もあったと思いますがこの用紙について私から全体に向けての説明をします。こちらの問題は各クラスを担任する先生によって作られています。よって、その先生の性格が表れてしまった問題があるかもしれません。皆さんに向けてのメッセージと捉えていただいてもいいかもしれませんね。スタンプは各問題の答えに該当するところにあるのでその問題が書かれているところに押すようにしてください。場所を調べるのは端末のマップを活用してください。どの区域にあるか目星がつけば後はその区域の該当する場所を探すだけなのでそこまで複雑ではないと思いますので、頑張ってください。ルールについては説明もあったと思いますし、皆さんの予想していることと大きな差異はないと思うのですが、何か質問はありますか?」

特に質問はないようだったので、鷲城先生も一息ついて下がった。


 「それでは、最後に注意事項を説明する。今回の新入生特別試験の責任者である鮫島 海斗(さめじま かいと)だ。この学年の数学を担当している。体調が悪くなった、怪我をしてしまった、などというときはすぐに連絡するように、この試験本部に私たちが待機していることになっている。私たちの連絡先はすでに君たちの端末に入っているからな、この本部から離れていて自分で来ることができないようなときに連絡してくれればこちらから人員を手配する。ただし、その時点で試験はリタイアしてもらうからな。以上だ、これから始めるが準備はいいか?」

鮫島先生によって最後の確認が入ったが、特に無いようだった。


「それでは新入生特別試験を開始する!」


鮫島先生の号令によって試験が開始された。



 体育館から出てとりあえず走って探しに行く人たち、グループでまとまって問題を考える人たちと、各自試験に向けて行動を開始した。

 

 俺も問題を確認しようとすると、

 「蒼!」

 正悟が声をかけてきた。

 「どうした、俺はさっさと一人で問題を解こうと思うのだが。」

 「悪い悪い、けど、一緒に行かないか?一人より二人の方が早く終わるだろ?それにせっかく最初の試験なんだから一緒にやろうぜ!」

 「俺は一人で十分だ、それにどういう評価がされるかわからないのだから一人の方がやりやすい。」

 「自己責任って自分で言ってたろ?それで構わないからさ、な、頼む!一緒に行かせてくれ!」

 必死に頼み込んでくるので仕方なく俺は、

 「はぁ、わかった。こうやって問答をしている時間の方がもったいないからな。好きにしろ。」

 「サンキュー、蒼!」

 正悟は俺に向けて笑みを向けてきた。こうなっては仕方ないと思った。やれやれとリアクションを取りながらスタンプの集め方をどうするか考えることにした。島の施設を含めた立ち入り禁止区域以外が範囲だ、今のうちにすべての問題を解くか、解きながら分かったところに進んでいくかどちらが最終的に効率的になるかを考えた。一応不本意ながらも同行するようになった正悟にやり方をどちらにしようか聞くと、「まずは一度問題に目を通さない?俺は蒼に任せるし。」と言うのでとりあえずスタンプの集め方は置いておくとして、まずは問題に目を通すことにした。

 

 ①しゃうるいをまねばせたまふところなりけり

 

 ②  反       作       旅

    ↓       ↓       ↓

   投→□←放   計→□→家   会→□→船   10番

    ↓       ↓       ↑

    像       像       別

 

 ③黄昏時の大地

 

 ④老女教生若  C-3、E-4、B-1、A-4、D-3 1F206

  学音球習館

  世語男史物

  英映寮買購

  界野楽子室

 

 ⑤Where is a place to go when you want to finish several kinds of shopping at a time? 3F

 

 ⑥じょい こしつ しーぷ うる

 

 ⑦数多の文字の眠りし地下

 

 ⑧「水門」「湊」「津」「浦」「泊」これらに共通する意味を持つ場所はどこか。

 

 

 一見するとよくわからないものが多かった。さて、どれから解くのが無難なのか。

 「どうする、蒼?俺にはよくわかんねーや。」

 正悟は早々に困ったような様子で俺に聞いてきた。

 「そうだな、簡単そうなところから行くか。」

 「えっ、何、もうわかったの?早くない?」

 「今の短時間でわかったのは英語の問題だ。これは和訳すればいいだけだぞ?」

 「なるほど…、えーと、どこか、場所は、、、えーと、買い物に行くとき?」

 あまりにたどたどしい和訳の仕方で英語が得意でないことはよくわかった。

 「はぁ、簡潔に言うなら“買い物を一度に終えたいときに行く場所はどこか?”と書いてある。おそらく3Fはそのままスタンプが3階にあることを示しているはずだ。」

 溜め息をつきながらだが、正悟に和訳をしてやった。

 「なるほど、それなら創来デパートの3階だな!デパートなら一度に買い物を済ませられるしコンビニだと3階はないからな!そうとわかったら早くいこーぜ!」

 「まて!」

 答えがわかってすぐに駆けて行こうとした正悟を呼び止めた。

 「なんだよ、答えがわかったんだから早くいこーぜ?」

 「行くのは構わないがそこからで本当にいいのか?先程どちらにするか聞いただろ?全部解いてからにするか、一つ一つ解きながら回るのか。」

 「あぁ、そうだったな。悪い悪い。俺は一つ解けたからとりあえず押しに行こうと先走ったみたいだな。」

 「それも一つのやり方だ。だが、島の立ち入り禁止区域以外が範囲だ、解けた順番に回ろうとするとあちこち行ったり来たりしてしまって時間がもったいない。効率的とは言えないかもしれないな。」

 「まぁ、それもそうか。今回はわがまま言って一緒に行くことにしたのは俺だしな、蒼のやり方で行くか。」

 そういって、正悟は落ち着くために深呼吸をしてからこちらに戻ってきた。

 

 開始した時刻は16時頃、制限時間は約26時間もあるのだ。一問は解けたのだから移動時間を考慮しても時間は余裕があると考えられる。そういえば、

 「正悟、夜間も俺は回れるところを回っておきたいのだが、いいだろうか?」

 「んー、まぁいいんじゃないか?場所がわかっちまえば押すだけの簡単な作業になるしな!」

 正悟の同意も得られたことで夜間も探索の時間に充てることにした。正悟には詳しく話さなかったが、夜間は他の人たちがどうするかわからない以上少しでも差をつけた方がいい気がしたのだ。あとは単純に早くこの試験を終えたいという感情もあった。

 「他の問題についても考えるか、何かわかるのはあるか?」

 「そうだな…」

 正悟は用紙を見ながら考え始めた。俺も別の問題について考えることにした。


 少し時間が経過すると、

 「なるほどー、じゃあ、、、に行けばいいんだね!」

 「たぶんそうだと思うな。じゃあ皆、出発しようか。」

 他の問題を考えていたところ、3組のグループ行動をすることにした集団はどうやらどれかの問題が解けてスタンプの場所に行くようだった。

 「やっぱりみんなで考えると楽だよねー。」

 「だよねー、れん君頭もいいしねー。」

 そこそこ大きな声で話しながら移動してくるので、思考の邪魔になってくると思い進路から離れようとしたところ、

 「やぁ、調子はどうだい?」

 例の爽やか君がわざわざ俺に話しかけてきた。俺としてはさっさと移動してほしかったのだがスルーするわけにはいかないと思い、

 「まぁまぁだ。今考えているところだから、早めに移動してくれると助かる。」

 俺はそっけなく返して、早く移動するようにだけ告げた。

 「ああ、すまないな。まだ考えているならよかったら僕たちと一緒に行かないか?ちょうど1つ問題が解き終わって押しに行くところなんだ。」

 「誘ってくれるのはありがたいが、自分で考えないと意味がないと俺は思ってる。だから気にせず行ってくれて構わない。」

 「そうか。わかった。じゃあ僕たちは行くことにするよ。けど、気が変わったらいつでも連絡してくれて構わないよ。そういえば自己紹介もまだだったね。僕の名前は、君島 蓮夜(きみじま れんや)。これが僕の連絡先だよ。」

 そういって爽やか君、君島は、俺に自分の連絡先の書いてあるメモの切れ端を渡してきた。

 「新庄 蒼雪だ。」

 名前だけ名乗り、メモの切れ端を受け取った。

 「それじゃあ新庄君、僕たちは行くよ。お互いに頑張ろうね。」

 彼はそう告げて、グループを率いて体育館を出ていった。おそらくあのような回り方をしているということは、どこかでかち合うこともありそうだと俺は思った。

 騒がしいのもいなくなったところで他の問題について考えることを再開した。

 

 

 

 現在時刻17:00 試験終了18:00まであと25時間 現在集めたスタンプ0

ここまでお読みいただきありがとうございました。

ようやく特別試験の開始です。

次話もお読みいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ