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俺たちの共同学園生活  作者: 雪風 セツナ
1学期編 ~中間試験~
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第1話

―――――金曜日


確認テストを行うことを告げられてから時間は経ち、確認テスト実施の当日となった。


結局水曜日は舞依に話を聞くことはできず、放課後となった。

昼休みに正悟は、舞依と一緒にいて何かしらの事情を知っていそうだが、俺たちには話さなかった。

帰ってきたときは学食で一緒に食べていたと言っていて、俺は端末を確認していなかったため気付かなかったが連絡はしてくれていたようだった。


水曜日の放課後、授業を終えて千春とともに買い物に行ってから家に帰ろうとしたところ正悟に呼び止められ、


「頼む!俺にこれまでの範囲の内容を教えてくれ!」

「もうわからないところがあるのか?」

「うっ…、すまん…。」

「はぁ、仕方ない。千春。」

「何かしら?」

「すまんが、今日と明日はこいつの部屋に泊まる。2日間で教えられるだけ叩き込む。」

「わかったわ。早乙女君。」

「はい、何でしょうか。」

「貸し1つよ。」

「わかりました…。」


千春は俺と一緒にいられる時間を正悟に取られるということで少々機嫌が悪くなってしまった。

正悟もさすがに千春の視線と圧に耐え切れず敬語になってしまっていた。

その後は他の男子のメンツにも声をかけて勉強会を開いた。


正悟の部屋には、俺、正悟、一、詩音、響真、秀人が集まった。

そして、俺、秀人、響真が教える側となってそれぞれの勉強を見た。



そんなこともあって確認テストのこの日まで俺たちは中学の範囲から高校で習った範囲までを一気に復習した。


「いやー、マジで助かった。終わったら何か奢るわ。」

「そんなことは考えなくていいからテストに集中しろ。教えたのに何の意味もなかった、だと俺はともかく響真や秀人にも悪いだろ?」

「いや、これで結果出さないと蒼にも悪いと思うし、あいつらにも悪いだろ。何よりも白崎から何を言われるか…。」

「千春をあの家に一人にさせてしまったからな、休みの時に何かしらこちらもフォローしておく。」

「悪いな。」


そんなことを話していると、千春は舞依と一緒に学校に来た。

どうやら聞いたところによると、昨日は舞依を家に呼んでいたらしい。

せっかくだから話を聞き、距離を縮めるいい機会だと考えたらしい。

千春にしても舞依にしても、どちらも勉強は不得意ではないし、授業も真面目に聞いているので確認テストは問題がなさそうだ。


「おはよう。」

「おはよう。」

「どうだった?」

「どうとは?」

「話は聞けたのか?」

「ダメね。答えられる範囲でしかわからなかったわ。それに、質問をし過ぎて途中からは答えてもらえなくなったわ。」

「そうか。時間をかけて距離を縮めるのがいいと思うぞ。」

「そうさせてもらうわ。」


俺たちがそうやって話している間、舞依は一人で席に着き、確認試験の範囲をただ確認していた。




「おはよう。今日は事前に伝えたとおり確認テストを行う。今日は確認テストだけで普段よりも早く終わる分頑張るように。4限の時間はゴールデンウィーク中の生活について言及するが、テストが終わっても勝手に帰るなよ。以上だ。」


朝礼もいつも通り終わると、俺たちは試験に備えた。



試験時間は特別な時間割で行われるようで午前9:10から始まり、国語80分、数学60分、昼休みを挟んで、英語のリスニング60分、筆記80分だった。

1日中試験しかしていなかったので集中力をかなり使いさすがに疲れてしまった。

試験の独特な緊張感と体感時間の進み方は何度やっても慣れないことだ。


昼休みでさえも珍しく勉強をしている人が多かった。

このクラスにはポイントが少なくて困っている連中が多い。

それ以来はどうにか評価を増やせないかと苦心しているようだった。

今回の確認テストが何らかの形で中間試験に関連しているのであれば、ここで良い成績を取っておきたいと考えたようだ。

月宮先生は成績や評価には関係しないと言っていたのに…。


試験が終わり、少し時間を置いてロングホームルームの時間になった。


「確認テストご苦労だったな。今回の確認テストの結果は休み明けに開示する。今回のテストで実力が振るわなかったものはこの休みのうちによく復習しておくことだ。」


月宮先生は最初にねぎらいこそしたが、休み中に勉強をするように言ってきた。

連休とはいえ、島から出ることができない俺たちはやれることはそこまで多くない。

ましてや、月末でポイントにゆとりがあるわけでもない連中はそれこそ勉強をするか、怠惰にしているしかない。


「休み中は学園側もやることが多い。そのため事務の空いているも図書館が空いている時間も通常とは違う。配布した資料に目を通しておいてくれ。相棒の申請も行えるが、休みが明けてから2週間後には中間試験だ。試験の都合もあるから休みが明けた週の金曜から試験終了まで申請ができなくなる。意中の者がいるならこの休みのうちに仲良くなって申請に来い。続いてだが…。」


ホームルームは30分程で終わった。

注意事項や伝達事項、心構えなど連休に入る前だからこそいつもより口を酸っぱくして言われた。

この話をまともに聞いている人がどれくらいいるかはわからないが、記憶にとどめておいた方がいいかもしれない。

伝えたことを聞いていなかったときに不利益を被るのは俺たち自身だからだ。

この連絡にも何か意味があるのかもしれない。

俺はそんなことを考えながら聞いていた。



放課後になり、俺たちはこの休みの間をどうするか話し合った。

今回は舞依が帰る前に呼び止めておいた。

最初はどうするか迷っているそぶりを見せたが、取りあえずは来てくれた。


「この休み間だが、どうする?試験後にデパートに行ったが、ショッピングモールの方へも足を運んでみないか?」

「蒼にしては珍しいな、自分から提案するなんて。俺は大賛成だぜ!」

「そうね、私も別にかまわないわ。早乙女君は置いておくにしても最初の試験で共に協力した者同士、親睦を深めたいわ。」

「………。」

「舞依はどうだ?」


舞依は何か悩んでいる様子であったが、正悟と目が合うと、顔を背けていた。

そして、こちらの方へ向き直ってから、


「………行く。」


それだけ告げた。


「よし、同意が得られたわけだが、ポイントはどうだ?余裕が欲しいならば1日以降にして余裕がある時に行くのがいいと思うが。」

「俺はそうして欲しい。評価もそこまで悪くないから来月入ってくるポイントがあればセ活費を差し引いても余裕だ。」

「私としても来月に入ってからの方がポイント的に良いわね。」

「………私も。」

「ふむ、それならば1日以降にするか。具体的な日付の希望はあるか?」

「俺としては3日か4日がいいと思うぜ?直感だけど、1日や2日だとポイントが入って使うやつらが多そうだ。」

「早乙女君にしては考えている…、言え、直感だから動物的な予測かしら?」

「おい、どういう意味だ!」

「そのままの意味よ。貴方のその動物的な勘はあながち間違いではないと思うわ。けれど、他の人がいくら振り込まれるかはわからないけれど、ポイントがあれば使いたくなってしまうと思うわ。」

「………同意。混んでいる日は避けたい。」

「正悟の提案に乗る形になるが3日か4日にしよう。または、その両方でもいいかもしれないな。」

「それはその時次第だな。」



正悟が話をまとめると、教室には俺たちしか残っておらず他の人たちは既に帰ってしまっていた。

久しぶりに4人しかいない空間となったので、約束をしてからは少し会話をして舞依がどう思っているか聞きだそうとした。

深く切り込むことはしなかったが、話を振れば答えてはくれるのでこちらを拒絶しているわけではないことが分かった程度だった。

月宮先生も言っていたが、正悟にしても舞依にしても千春も俺もそうだが、過去に何らかのトラブルがあり、変わった人物でこのグループは構成されている。

おそらくは、舞依の過去にも何かがあって、俺たちと距離を縮めることを避けているのかもしれない。


そうやって話していると、いい時間になったので、俺たちは10連休の間に会う約束をしたことを確認してそれぞれの家へと帰っていった。



ここまでお読みいただきありがとうございました。


また次話もお読みいただけると嬉しいです(*´ω`*)


感想や評価、ブックマークもしていただけると嬉しいです♪ヽ(´▽`)/

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