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俺たちの共同学園生活  作者: 雪風 セツナ
1学期編 ~中間試験~
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プロローグ2

入学式からの特別試験を終え、1学期の授業が開始した。

2週間もすれば授業にも慣れ、普通の高校生活を送っていた。


土曜日からはゴールデンウィークで、水曜日には5月になる。

初めての高校生活での大型連休ということもあってクラスの連中は浮かれていたりもした。

また、1日になるとポイントも振り込まれてくる予定なのでそれを待ち遠しく思っている人も多くいた。

俺もその一人である。


しかし、今回の払い込みには先の事件による補償も含まれることが事前に言われているので、通常より多くポイントが入ってくる。

先の事件は解決したように見えて実際はまだ解決していない。

この先、どんなことに巻き込まれてしまうのかわからない。

今度こそは誰にも被害が出ないようにしようと心に誓っていた。


今回振り込まれるポイントで今月分の家賃を払うので、実質的に来月は二回払うことになる。

そのため、出費についてもよく考えておかないと金欠で苦しくなりそうだった。


あれから何度か戸塚先輩から連絡が来て、学園生活についていろいろなことを聞いたりもした。

また、休日に一を連れて行き、彼を紹介すると、一と戸塚先輩の相棒である川崎 春信(かわさき はるのぶ)先輩は、親しくなりバイトの許可が得られれば働く約束をしていた。

俺もバイトをしないか誘われたが遠慮した。

さすがにカフェでバイトは柄ではないと感じたからだ。




「おはよー。」

「「おはよう。」」

「今日も二人で一緒に来ているんだな。」

「同じ家にいるんだ、わざわざ別々に来る理由もないだろう?」

「まぁそりゃそうだけどよ。たまには別々に来たりしないのか?一人で行きたいときだってあるだろう。」

「少なくとも私はないわね。」

「同じく俺も特にないな。家にいる間もずっと一緒というわけでもないし、一人になりたければ自室にいればいい。喧嘩でもしない限りは一緒に来るとは思うぞ?」

「朝からお熱いことで。」

「そっちが言い出したことだろう?」

「まぁな。」


俺と千春が一緒に教室に来て正悟に挨拶をしてから、軽く話していると、舞依が教室に来た。

舞依はいつも遅刻をしないがギリギリというタイミングで登校してきていた。


「おはよう。」

「………おはよう。」


彼女は挨拶をすれば返してくれるが、試験の時からもそうだが積極的に何かを話してこようとはしなかった。

特別試験のときに名前で呼ぶように言われたり、それなりに親しくなれたのかと思ったが、実際のところはそうでもないのかもしれない。


「おはよう、今日は全員揃っているか?」


月宮先生は朝礼のチャイムとほぼ同時に教室へ入ってきてそう言ってきた。

彼女はいつもチャイムと同時に来るので、時間にも厳しく遅刻者は細かく見られている。


「…今日はそろっているようだな。それならちょうどよかった。」


彼女は教室を見渡してそう言った。

普段は遅刻をしてくる生徒もいれば、欠席サボりの生徒もいて揃わないことが多いのだ。

このクラスは2組に次いで問題児が多いクラスだった。

各クラスについて1度だけ考察をしたが、全体的にそうであるとは言えないが比較的そうではないか?と当て嵌まる傾向が見受けられた。


1組は比較的まじめな方で成績が総合的に優秀な人が多い。

2組は比較的不真面目、不良に近いような生徒が多い。

俺たち3組は個性が強く、何か一芸に特化した人物が多い。

4組はまとまりが強く、人と人とのつながりを大切にしている人が多い。

5組は平均的な能力の人が多く、クラスとしては一番普通の高校生の集まりと評することができる傾向がある。


あくまで俺が見た範囲だが、各クラスは意図的に分けられているようだった。


「連絡事項だが、急で悪いが今週の金曜日、つまり明後日にだが、確認テストを行う。」

「…確認テストですか?」

「ああ、そうだ。だが、今回の確認テストに関しては安心していい。成績にも評価にもつながらないことになっている。」


月宮先生が試験をやると言ったときに、クラスでは動揺が生まれたが、成績や評価につながらないと言われて安心していた。

最初の特別試験では成績に関しては影響しないと言ったが個人評価に関係しており、大変な目にあった生徒が多いのだ。


「今回の確認テストの目的は来月に行われる筆記の中間試験の参考にさせてもらうことだ。テスト範囲は授業で扱った範囲だ。科目は、国語、数学、英語だけだ。英語はリスニングも実施する。歴史と理科系科目は、中間試験では行うが確認テストには含まれない。よく復習をしておくことだ。何か質問はあるか?」

「はい。」

「何だ?」

「今回の確認テストを参考にするとおっしゃっていましたが、どういった意味で参考にするのでしょうか?次の中間試験にかかわる事項があるのでしょうか?」

「いい質問だな。中間試験の詳細についてはまだ説明できないが、白崎の推測通り中間試験に関わるものではある。だが、それがどういったように関わるかはまだ言えない。少なくともこのクラスでは参考にする必要がない人もいる。」

「それが誰かはお話ししていただけないんですね?」

「そうだな。特定のクラスの生徒のみに情報を与えては不平等が生じる。少なくともまだ知らせていい範囲ギリギリのことは答えたつもりだ。」

「…わかりました。ありがとうございました。」

「他にあるか?」


「…ないようだな。それでは各自1限の用意をしてくれ。」


月宮先生はそう締めくくると朝礼を終了した。

俺たちは1限の用意をして授業を受ける準備をしたが、先生が話した確認テストについていろいろな考えを巡らせていた。

その日の午前中の授業では集中して話を聞くことができなかった。



「おい、蒼、いつまで考え事をしているんだ?」


昼休みの時間になったが、チャイムが鳴ってもボーっとしてしていた俺に対して正悟が声をかけてきた。


「ああ、すまない。」

「いや、お前が考え事をしているとそうなるっていうのは分かるけど、最近では珍しいからな。しかも今日の授業中珍しく話聞いていなかっただろ?ペンがほとんど動いていなかった。」

「呆れたわね。考え事をしていて話を聞いていないのでは学生としてどうなのかしら?」

「確認テストがどういうことか、筆記の中間試験と言ったが、筆記以外にも何か試験があるのか、いろいろ情報が出てきてどうすべきか考えていたんだ。それと、千春、悪いが後でノートを見せてくれないか?」

「はぁ…。いいわ。放課後に見せてあげる。」

「助かる。」

「それで、何かわかったことはあるのか?」


正悟は昼食を食べる用意をしながら聞いてきた。


「ああ、それについてだが…。」


俺は考えを話そうと思ったが、舞依が教室から出ようとしているのが目についたので途中で言葉を区切り、


「舞依、先に食べているぞ。」

「………うん。」


一度こちらに振り替えるとそう言って財布を持って教室から出ていった。


「また榊は購買に行ったんだな。はぁ。俺もちょっと行ってくるわ。」

「わかった。」


俺たちがこうして舞依を気にかけているのは、一緒に試験を受けてそれなりに親しくなったと思っていたが、授業が始まってからはこちらから話しかけないと話すこともなく、気づけば一人でいつもどこかに行ってしまっていた。

高校生にもなって常に一緒ということは考えていないが、自分から人にあまり話しかけようともせず、また、他のクラスにも友人がいるというわけでもないので心配している。

始めはそういう性格なんだろうと放置していたが千春が気にしているので俺も気にかけるようになった。


千春曰く、この学校で初めて親しくなれた女の友人だから大切にしたいとのことだった。

俺との関係を発展させたいが、千春自身も対人関係がうまくできるほうではないので、まずは友人関係をうまく築いていきたいようだ。

友人を作れずに恋人が作れるわけもないと言って、俺との関係も友人から始めようと頑張っているのだ。


「舞依は私たちを避けているのかしら…?」

「さぁな。舞依自身に何か思うところがあるのかもしれないし、無いかもしれない。話してみないとわからないな。」

「そうね…。」


俺たちは教室で舞依を待っていたが、昼休みの終わりまで彼女は戻ってくることはなかった。



ここまでお読みいただきありがとうございました。


また次話もお読みいただけると嬉しいです。


感想や評価、ブックマークもしていただけると嬉しいです♪ヽ(´▽`)/

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