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俺たちの共同学園生活  作者: 雪風 セツナ
入学編 ~特別試験~
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第38話

今回は道中にトラブルが起こることがなく俺たちはデパートへたどり着いた。さすがに俺たちは同じ道を通ってしまう以上思い出さないわけにはいかなくそれぞれに警戒がうかがえた。

デパートには予想していたよりも人はいなかった。

「蒼、コンビニの様子からして結構来ているかと思ったんだけどそうでもないな?」

「ああ、それは俺も思っていたところだ。」

「………ショッピングモール。」

俺と正悟が話し始めると舞依が珍しく発言をかぶせてきた。

「ん?どういうことだ?」

「………デパートの解答は三組。けど、他のクラスはショッピングモールの可能性もあった。だからそっちに行く人もいる。」

舞依が言いたいことが分かった。俺たち三組は試験でデパートへ行ったことがあるからそちらに行く人が多くいる。しかし、他のクラスの解答がショッピングモールであった場合は行ったことのあるそちらに行くだろうとの推測だった。

「なるほど。」

「………絶対ではない。行ってない方に行きたがる人もいる。」

「そりゃそうだけど、なんか納得できたわ。来たことがある店のほうがまだ慣れていないこの島では勝手がわかるってことだろ?」

正悟がそう言うと舞依はコクンと頷いた。

「そんなことよりも買うものを見に行かないかしら?ここで時間を浪費するのはもったいないわ。」

「そうだな。だが、どこから回る?」

俺がそう問いかけると、

「まずは服かな、下着や部屋着を買いたい。持ってきたやつじゃ足りなそうなんだよ」

「私は生活用品を先に見に行くわ。最低限のものをそろえないといけないわ。」

「………食品?」

またも三者三様の答えになっており、どうするかと思ったが、

「ふむ…。それなら、ここまで一緒に来たが買い物は各自で済ませるか。必要なものの優先順位が違うようだからな。ここでは足並みをそろえる必要もない。買い物が終わったら入口のこの近くに集合しないか?」

俺はそう言って邪魔にならなさそうなところを指さしてそう聞いた。

「俺はそれで構わないぜ。」

「それでいいわ。」

「………賛成。」

そう言って各自で決めた物を買いに移動した。


俺はどこから回るか、案内板を見て考えていたところ、

「蒼雪君、いいかしら?」

「千春か。どうした?」

そう聞くと少し恥ずかしそうにして、

「その、一緒に見て回らないかしら…?」

と千春から誘われた。俺は少し考えたが、断る理由もなかったので、

「わかった。一緒に行くか。」

俺がそう答えると一瞬嬉しそうな顔をして、直ぐに慌てて取り繕うと、

「そ、それなら行きましょう。」

千春は若干いつもより早いペースで先に行ってしまった。俺はそれを慌てて追いかけた。


生活用品は主に二階にあった。二階には薬局や簡単なキッチン用品、100円均一の店が入っていたりと大抵のものがそろいそうになっていた。

「どこから見て回るんだ?」

俺がそう聞いたところ既に決めていたのか、

「まずは薬局でいいかしら?あそこを見る限り洗剤やシャンプーも一緒にあるわ。」

そう言うので千春の視線の先を追うと、確かに特売品も含めてそう言ったものが売られていた。

「了解、俺も買わないといけないからな。」

そう言って二人で店のスペースに行った。

さすがに買うものを選んでいる間は別れて買うことになるかと思ったが千春が俺についてきて、

「一緒に見てもいいかしら?」

と聞いてきた。

「構わないが、自分の物は買わなくていいのか?俺と一緒では買いにくいものもあるだろう?」

そう聞いたところ千春は照れながらではあるが、

「その、もし昨日の話を受けてくれるのなら、今のうちにどういったものを買っているのか知りたいじゃない。二人で同じものを買うわけにもいかないでしょう?」

「なるほど。確かに相棒になれば一緒に生活することになるからな。」

俺は保留と言ったが千春の中では受けてくれると考えているようだった。気が早いものだと思ったが、

「貴方は確かに保留と言ったけれど、断るのかしら…?やっぱり迷惑だった…?」

俺が少し黙って考えてしまっていたので断られるのではと不安にさせてしまったようだ。

「いや、受ける前提では考えている。あれから少し考えたが早い方がメリットもあるからな。」

「よかったわ…。ちなみにあなたの考えるメリットって何かしら?」

「BPさ。BPは相棒を組んでいないと支給されない。つまり、早期に組んで試験を通過していた人たちの方が必然的にポイントはたまるはずだ。もちろんそれに伴う出費はあるかもしれないが、PPの節約にはつながるはずだ。この初期費用で結構なポイントを使わされているからな。」

俺がそう言うと千春も

「確かにそうね。」

とつぶやいてポイントについてのことを考え始めた。


俺らはポイントについての考察を話したが、さすがに今知っている以上の情報はないから確認という形とそれによる推測しかできなかった。途中で買い物に来ていたことを思い出し、話を切り上げてそれぞれ目的のものを手に取り購入した。

「次はどの店に行こうかしら?」

「食器と調理器具を見ていきたいがいいか?部屋のものでは心許ないからな。」

俺がそう提案すると、

「わかったわ。確かに私もあれでは最低限しかないと思っていたのよ。」

というので二人でキッチン周りのものを見に行った。

キッチン用品は便利器具も含めて多種多様にそろっていたがそう言うのはポイントに余裕がある時に購入したいと思い、必要になりそうな分の追加の食器とフライパンや鍋を買った。千春は二人がそれぞれ買うのではもったいないと言い、俺はフライパンを、彼女が鍋を買った。食器についてはお互いの好みが別れるところもあったが、うまく話はまとまって購入できた。ここまでで生活用品やキッチン周りのものを大体購入することができたが両手が埋まってしまいこれ以上の買い物が大変だった。

「両手が埋まってしまったがどうする?俺はまだ食品も買いたいところだったのだが。」

「そうね…。確か一階に宅配サービスの受付をするところはなかったかしら?これだけ購入してしまったし運送料金には目を瞑って運んでもらうのが手ではないかしら?」

「そうするしかないか…。」

俺たちは宅配サービスを使うことにした。これはデパートだけではないが、いくつかの商業施設があるところでは指定した建物に荷物を運んでくれるサービスをやっている。この時期の学生はいろいろなものを買うが寮や家が遠く、大勢がバスに乗ったときにめいわくになってしまうということから導入されたらしい。

俺たちは一階に戻り、手続きを済ませてからまだ端末へメッセージも来ていないが、一応集合場所を確認したところまだ二人は来ていなかった。

「手も空いたことだし、食品の買い出しをするか。今晩のものは最低限買わないとな。」

「そうね。そろそろ既製品ではないものが食べたいわ。」

二人でそう言って食品売り場を見て回った。

俺たちはまだ学生で熟練の主婦のようにどれが良いものでどれがダメなものかはわからないが、なんとなく良さそうなものや、安くなっている特売品を選んでいった。そんな選び方をしているとつい買う予定でないものを選んでしまいそうになるが無駄に買いすぎないように自制するようにした。

「思ったより時間がかかったわね。」

「悪いな、つい特売を見てしまうと迷ってしまって。」

「仕方ないわ。こういう店の商品は客の構内意欲が高まるように、人の心理に則って手に取りやすい構造をしているもの。」

千春はそう簡単に説明し、暗に気にしていないということを示してくれた。

「聞いたことはあったが、きれいに俺ははまってしまったようだな。」

「そうね。」

と言うと彼女はくすくすと笑っていた。俺たちが食品を買い終えるころには正悟と舞依から連絡が来ていた。二人ともすでに買い物を終えたようで待ち合わせ場所で待っているとのことだったので俺たちもレジで会計を終えると急いで向かった。


俺たちが集合場所に行くと、

「二人で来るってことはデートでもしていたか?」

と正悟はからかってきた。

いつもなら千春が何か言い返すと思ったが、デートという単語を聞いて意識してしまったのか何も言い返さなかった。ここで俺が否定すると彼女に悪いと思い、

「さぁな。それよりも二人は買い物が済むの早かったが必要なものは買ったのか?」

と聞くと、どうやら彼らは最初に見た店で買うものを買った後は適当にデパート内を見ていたようである。さらに、正悟はまたコンビニでご飯を買うつもりで、

「俺は料理ができないから買うことにする。」

と諦めたような声で言っていた。服を買った後に本屋で簡単なレシピ本を立ち読みしたようだがやったことがないので自分にはできそうにないと判断したようだ。しかし、そう言っている割にこちらに目を送っていることもありおそらく俺に作ってもらおうとしているようにも思えた。

俺はそんな正悟のアイコンタクトはスルーして舞依にも買い物は大丈夫か聞いたところ、

彼女は食品さえ買えばあとはどうでもよかったようで最低限の下着や生活用品を買うにとどめたようである。彼女も宅配サービスを頼んだと言っていたが、正悟は、

「いや、榊のあれは多かったぞ…。絶対に一人分の料理じゃない。」

とげんなりした様子で言っていたのでかなりの量の食品を買っていたようである。

そんなこともあったが、帰りも特にトラブルもなく俺たちはバスに乗って学園前に着くとそれぞれの寮へと別れて帰宅していった。


ここまでお読みいただきありがとうございました。


また次話もお読みいただけると嬉しいです。



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