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俺たちの共同学園生活  作者: 雪風 セツナ
入学編 ~特別試験~
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第35話

最近読んでいただける方が増えていて嬉しいです(*´ω`*)


これらも楽しんで頑張りたいと思います!

俺は千春の言葉に耳を疑った。千春は告白の返事はあとでいいと言ったが、今度は相棒(バディ)を組むことを提案してきたのだ。

「え~と、どういうことだ?」

思わず俺は聞き返していた。俺の頭はこの短時間で仕入れた情報が多すぎて処理が追い付いていなかった。

「言葉通りの意味よ。私はあなたと相棒(バディ)を組みたいの。もちろん最初は言うべきか迷ったわ。告白をして受け入れてもらったら伝えればいいと、そう考えていたわ。けれど、今は違う発想もできたのよ。」

「違う発想…?」

「ええ。次以降の試験を見据えての判断よ。先生はおっしゃっていたわ。試験がある時は相棒を組んでいない者同士で組むことになると。知らない相手と強制的に組まされるくらいならよく知った信頼できる人と組みたいわ。もっとも、相棒を組むことで貴方と一緒にいる口実が作れるという打算的な考えもあるわ。」

そう言うと千春は、ふふふっと軽く笑っていた。俺はその提案に対して解答は少し経ってからした。いろいろと判断することがあったからだ。

「相棒に関しては明日か、明後日まで保留でいいか?相棒を組むことは同意してもいいと思った。少なくとも千春のことは嫌いではないからな。こんな言い方をするのはずるいと思うが、一緒にいることで俺の気持ちが変化していくこともあるかもしれないからな。だが、少なくとも今月、もしかしたら来月の振り込みはPPですることになるだろうから足りるかまだ分からない。だから個人評価が出てから改めてどうするか決めないか?」

俺は千春に対して提案をした。いろいろ考えることはあったが最大の問題は、ポイントがどうなるか予測できていないことだ。一人で生活をしていく方が楽だとは思うが、千春にここまで熱い思いを伝えられたのならば向き合うべきかもしれない、一緒にいれば俺自身の気持ちもわかるようになるかもしれない、そう考えたのだった。

「…確かにそうね。どこか焦っていたみたいね。貴方の提案に乗るわ。評価が出てから話し合いましょう。」

千春はそう言うと、深呼吸をしていた。

「焦らなくても一日か二日の違いだ。他の人と組むということはないはずだ。」

俺がそう言うと千春は、今度はため息をついて、

「どうかしらね。貴方とは一日しか一緒にいなかったから絶対とは言い切れないけれど、その行動を繰り返していれば他の女子もあなたに注目してしまうわ。」

「冗談だろう?俺が他の女子に注目されるなんてないと思うが…。」

「そういうところよ。貴方は誰にだってするつもりはないというのは分かっているわ。けれども、貴方は優しいもの。誰かが困っていたら手を差し伸べてしまうわ。そしてその相手が女子であればその優しさに惚れないわけがないもの。それにライオンと同じよ。強い雄に雌は自然と集まっていくわ。」

「そんなことにはならないと思うがな。」

俺はそう言うと過去のことを思い出していた。俺の側にいてくれたのは幼馴染だけだった。それ以外に女子に言い寄られていたという記憶は俺の中にはなかった。そう思うと、なんとなく俺は空を見上げていた。



少し時間が経ち俺たちはベンチに座っていた。なんとなく解散するという空気ではなかったため、軽い雑談をしていた。

「さて、どうする?」

俺はさすがにそろそろ戻多方がいいんじゃないか?という意味を込めてそう問いかけた。

「そうね。さすがにそろそろいい時間よね。合宿所に戻らせてもらうわ。」

千春がそう言ったので俺も時刻を確認すると、4時近い時間になっていた。部屋を抜け出してから結構経っていた。

「わかった、送っていく。」

「いいわ。すぐ近くよ?」

千春は俺の提案を断ったが、

「別に大した距離ではないしかまわないさ。それとも俺が送っていくと不都合でもあるのか?」

「その聞き方はずるいわ。なら、お願いするわ。」

そう言って立ち上がったので、俺も立ち上がり千春の隣に立った。

「ああ。じゃあ行くか。」

俺たちはゆっくりと歩いて合宿所へと向かった。

女子合宿所へ着くと、千春が中へ入っていくのを見送り、男子合宿所へと戻った。



部屋に戻ると全員寝ていたので気づかれていないと思い、自分の布団へ入ると、

「おかえり」

と小声で正悟が話しかけてきた。最初は声がして驚いたが、

「ああ、ただいま。おやすみ。」

と俺はそれだけ返して寝ようとしたが、正悟はそれだけでは済ませてくれなかった。

「おいおい、こんな時間にどこに行ってたんだ?トイレにしちゃあ長すぎだろ?話すまで寝かせねぇぞ。」

そう言ってニヤニヤしていた。

「お前が期待するようなことはないさ。ただ散歩をしていただけさ。」

俺は誤魔化すことにした。さすがにこの時間に千春と二人で密会していたと知ればよからぬ疑いをもたれると思ったからだ。

「え~、本当か?実は誰かに呼ばれていたんじゃないのか?」

一瞬ばれていたのか?と思ったがここではばれるような真似はしていないと思い、鎌をかけているだけだろうと思い直し、

「なんのことだ?散歩をしていて人とすれ違ったりはしたが呼ばれて会った人物はいないぞ。」

「そうか。まぁいいよ。話したくないことはあるもんな~。」

正悟はそう言って、俺に背を向けると、普段より低い声で

「ジャージに不自然なシミ、それとお前のではない匂いがついている。」

そう言われて俺はジャージを確認すると、千春に泣きつかれた時の跡がうっすらとついているのを確認した。この暗さでよく見えたと思った。部屋の電気は消えていて月明かりが差し込んでいるだけだったのだ。そのため、思わず、

「気づいたのか。」

と驚きを口にしてしまっていた。

「おう。それだけの証拠がそこにあるからな。それと、俺の寝ている位置と出入りする扉の位置が悪かったな。帰ってきた蒼が俺の上を通ったときに新品のジャージの匂いとは違う匂いがかすかにだが漂った。さすがにその匂いが男子のシャンプーでないってことはすぐにわかったぜ?それならこの部屋の男子と話しているときやすれ違ったときに同じ匂いがするはずだからな。その点から判断すると会ったのが女子だと推測できたし、こんな時間に蒼が会う相手なんて女子ではおそらく白崎だろ?榊は用があったとしてもこんな時間に連絡をしているとは思えないしな。付け加えるならば、俺たちと解散をする前から白崎は考え事をしていたからあいつが頼るとしたら蒼しかいないと予想できる。」

そこまでばれているなら仕方ないと思った。しかしこれだけの証拠でよく判断できたのだと感心してしまった。隠しても無駄だったなと思い、ため息をついてから、

「はぁ…、正解だ。寝ていたところを起こされてしまってな。目が覚めてしまったから散歩でもして眠気が襲ってくるのを待つために外に出たんだ。そして、散歩をしていたら連絡があって、話がしたいというから外にいてちょうどいいと思たんだ。それで会うことにしたんだ。さすがに話の内容は話せないが、いろいろあって千春から泣きつかれたのさ。」

俺は正悟に対して話せる範囲で答え合わせをするかのように起こったことについては説明した。

「なるほどな。いろいろの部分が気になるが他人のプライバシーは侵害しない方がよさそうだな。」

「そうしてくれると助かる。」

「おう。だけど、そのジャージは洗っとけ。俺は勘がいいから気づいたけど、榊も直ぐに気付くと思うぜ?あいつはあれで頭いいし洞察力・観察力も優れているはずだからな。」

確信を持っているかのように言ってきた。

「よく知っているな。」

俺は正悟の観察力・推理力に感心してそう言った。

「まぁ一緒にいれば気が付くよ。わかりやすかったし。」

「それで、正悟、今のお前が素のお前なのか?」

俺がそう言うと、少し雰囲気が変わった。いつもの正悟にしては推理力が違うことに加え、バカっぽい発言もなかったのだ。

「ふっ、半分正解で半分不正解だな。別にどちらの俺も俺であることに変わりないからな。ただ、学習面でこの能力を発揮できないだけだ。だから使い分けをしているだけだよ。」

後半に関しては自嘲気味にそう言ってきた。

「なるほど。まぁ細かい詮索については、今はしない。聞くと時間がかかりそうだし、話す気もなさそうだしな。」

「ふっ、正解だ。いつかは話すがまだ時期じゃないと直感が言っているからな。」

そう言うと正悟は黙ったので俺も目を閉じ眠りにつくことにした。

色々あって疲れてたがこれで二日目(三日目の朝ではあるが)は終わった。

ここまでお読みいただきありがとうございました。


また次話もお読みいただけると嬉しいです。

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