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俺たちの共同学園生活  作者: 雪風 セツナ
入学編 ~特別試験~
31/162

第30話

私の予定では1章は30まで終わらせるつもりだったのですが…


気が付けばここまで伸びていました(;^ω^)


ブックマークありがとうございます!

これからも頑張っていきたいと思います。

「まずは被害にあった生徒達には申し訳なかった。」

そう言うと鮫島先生を含め教員たちは頭を下げてきた。

「まずは簡潔にわかっていることと起こってしまった事件について話す。始めに、君たちに暴行を振るってきた男たちだが、彼らはこの学園を表向き退学になった者たちだ。」

その言葉に再び体育館内の生徒は動揺していた。そもそも表向き退学していたとはどういうことだろう、そして、そんな人たちがなぜこんな事件を?と生徒たちは不安になっていた。

「静かにしなさい、まだ話は途中だ。事件を起こした連中は全員逮捕することができた。そして、今頃はもう本島に引き渡されていることだろう。ある程度制限は課されているだろうがな。この島のことは口外しないように誓約書が書かれ、話そうとした時点で、、、ということになっている。これは事件を起こしてしまい本来ない送還だからな、緊急の措置だった。君たちにはこのような過激な処置はないが口外しないことは誓約してもらうことになっている、この話はまた3年後にでもしよう、無事に卒業できたらだが。話を戻そう。表向き退学というのは成績・素行による問題で不適格になったからだ。不適格というのは個人評価のことだ。基本的にマイナスに陥ることはないと思うがマイナスになって一定のポイントになった者、試験の内容によっては退学のリスクを負った試験が行われる。蠱毒といものを知っているか?知っているならばそれと同じことだと考えてもらうと理解が早いだろう。優れた生徒を輩出するために自分たちで生き残る努力をしてもらった方が成長してくれるとこの学園の理事長は考えたのだ。この学園の目的の一つの意識改革を行えるような生徒を輩出するためだ、並の生徒を多数輩出しても変化は小さすぎるということだろう。大きな変革のためには大きな流れを起こせるリーダーが必要だ。そのための教育もしていると言える。そして、君たちを上り詰めさせる特典として個人評価、相棒評価、どちらもの上位者にのみ卒業後の進路を確約している。それ以外のものは自分たちで頑張ってもらうとして、上位者には希望した進路に進めるように手配していいことになっている。」

それを聞いて多くの生徒は驚いた。高校卒業後なんて気が早いと思っていたかもしれないが、上位者には大学の希望を伝えれば入学はさせてもらえる、就職に関しても希望の会社には入れてもらえるということだ。その後をどうするか伝えてこないことに怪しさがあるが、俺たちには過ぎた餌に思えた。確かに、進路が確約されるなら頑張る意味があるだろう。

「そして、その競争に敗れたのが彼らだった。そんな彼らだが、ここで本島に送り返されても再入学させるのも大変だろうし、何よりもこの学園のことを話さないことを守るか懐疑的だった上層部は何を思ったか、夜間は退学者に基礎教育を施している。だから彼らは島から帰らずにこの島にいるのだ。そして、彼らは主導した人物に従ってポイントを入学したばかりの君たちから奪おうとしたのだ。新入生は確実に初日の方はポイントを大量に持っているからな、狙いやすいカモだったのさ。事前に対策できなかった我々にも落ち度はあった、すまなかった。彼らはこの学園の制度はもう受けていない。表向きはこの学園の生徒じゃないからな。そのため、ポイントなんて固定された分しかもらえないため、いつもギリギリだったのだ。それに耐えかねて今回の事件を起こしたと話している。今後もこんなことが起きないとは限らない、君たちの方でも十分に気を付けてくれ。そして被害にあった生徒には何かしらの補償が付く。保護者の方にも連絡をして謝罪をしておく。以上だ。何か聞いておきたいことはあるか?」

これまでの説明でおおよそだが俺の聞いた質問にも答えてもらってるとも言えた。蠱毒とは古代中国にあった呪術の一つだ。毒蟲や蛇を多数集めて一つの壺みたいなものに入れて最後に生き残った蟲の毒を用いて人を殺すということだ。生徒たちも学園という折に入れて生き残った優秀なものを輩出したい、そこから漏れた者たちは最低限しか面倒を見ないという冷酷なやり方をしていた。そのためにあのような連中が生み出されてしまったということだろう。

「質問はないようだな。本来この制度についてはこんな入学して間もない時に話すつもりはないことだったが今回の事件を経て事前に周知させる必要ができて説明した。君たちも生き残るために努力したまえ。蠱毒と違う点は優秀であれば全員が生き残ることができる点だ。誰一人欠けずに卒業できるようにしてくれ。以上だ、これで集会を終わりにする。」

そう鮫島先生は締めくくると、壇上を降りて他の教員と合流してテントの中へ戻っていった。



体育館は先ほどの話を聞いて重い空気になっていたが、時間が経つにつれて、それぞれが動き出した。俺は周囲にいた正悟、千春、舞依が状況を受け入れるのを待っていた。俺は一人で動いてもよかったが彼らが今の状態でついてきてしまっては自分で考えずに俺らに頼ってしまう恐れがあると思って大人しく待っていたのだった。

「ふ〜、中々に面倒な学園だったってことは分かったよ。」

正悟はそう言った。あれだけの話を聞いてそれだけの感想というのも彼らしいのかもしれない。

「そんな一言で済ませていいのかしら?」

千春は正悟に対してもう少し真剣に考えるべきだというようにキッと彼を見た。

「まじめに考えた上でのこの感想だ。俺だって退学にならないようにするにはどうすべきかって悩んだが、今は情報が足りないからな。それならなるように任せて頑張ればいいだろってな!」

正悟らしいまとめ方をしたが情報が少ないと言った時の彼の目は今までの正悟と少し様子が違うように思えたが、一瞬だったため俺の気のせいかもしれない。

「はぁ、まじめに考えていた私がおかしいみたいじゃない。」

「………千春は間違ってない。そこの男が単純すぎる。」

舞依も何か思うところはあったみたいだが、今は何らかの結論を出したようだ。



「さて、これからどうする?」

俺は彼らも結論を出せたようだからそう切り出した。俺はどこにいようと何を言われたとしても自分のやり方を変えるつもりはなかったため、あっさりと結論は出せていた。変えるつもりはないと考えているが、周りの意見を無視するとかではなく、自分の信念に反することはしないというだけで、柔軟な対応はするつもりだ。

「ん〜、普通に寮暮らしでいいんじゃないか?出費も抑えられるしな。」

正悟はそう言ったが、何か悩んでいる様子も見受けれた。

「………寮以外にある…?」

榊もすでに寮と決めていたようだ。しかし、千春は何かを悩んでいるようだった。

「千春はどうする?俺の考えも正悟たちと同じで最初は男子学生寮でいいと思っている。」

「私は…」

千春はそう言うと黙り込んでしまった。無理に聞くつもりはなかったため、

「まだ、自分の中でまとまっていないならば後でもいいぞ?」

俺はそこでこの話を終わらせてとりあえず俺たちの分だけでも提出してくることにした。

「…わかったわ。けど、別に寮でいいんじゃないかと私も思っているわ。ただ、少し考えていることがあるの。ごめんなさい。考えがまとまったら伝えるわ。」

「ああ、無理に結論を急がなくていい。まだ時間はあるからな。」

そして、俺たちは学務課へと向かった。


学務課は、本校舎の一階にあったが、長蛇の列ができていた。考えることは同じで全員が一気に押し寄せてきてしまったようだ。

「うわ〜、めちゃくちゃ混んでるじゃん。ただ提出するだけなのにこんなに並んでいるんだな。」

「………人混み嫌い。」

正悟は驚き、うんざりした様子で、榊は長蛇を見て嫌そうにそう言った。

「さすがに申請については受け付けているだけだ。希望書の審査は明日だから今日は出すだけで終わる。そこまで待たないだろう。」

一応俺はフォローのつもりでそう言ったが、こんな列ができていることから出すだけでも一苦労というのは分からなくもない。この混みようだから何かしらトラブルもあるかもしれない。

俺たちが並んで待っていると、この列とは違う場所に申請に行く人たちがいた。

「なぁ、蒼あれって…」

「ああ、おそらくそうだろうな。」

男女で申請に向かっていることから相棒(バディ)申請をしに行くところだろうと推測できた。

「マジか。早くないか?」

「いや、この試験をきっかけでそう言う関係になった可能性だけじゃなく、入学前からの仲かもしれない。」

「そうか、そういう可能性もあるのか。」

そう話していると、二人組の姿は見えなくなっていた。相棒と組むことはメリットとデメリット両方あるが彼らには一緒にいることの方が大切なのだろう。俺はそう考えていた。先ほどから口数が少なかった千春を見てみると、彼女は消えて言った二人組がいた場所をじっと見ていた。


ここまでお読みいただきありがとうございました。


また次話もお読みいただけると嬉しいです。


第1章も終わりに近づいているのでそこまで駆け抜けていけるようにします!

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