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俺たちの共同学園生活  作者: 雪風 セツナ
入学編 ~特別試験~
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第29話

自分で思っていたより長くなってしまった…

「まだいるか。ではそこの女子。」

とまた違う女子を指名すると、今度は黒宮だった。

「はい。先生は初めに成績には関係ないというようなことを言っていましたが、実際には個人の評価に密接にかかわっていました。なぜ事前に説明してもらえなかったのでしょうか?」

「なるほど。つまりお前たちは何かしらの評価をされると事前に言われていればもっと頑張れたと言いたいのか?」

「い、いえ、そういうことでは…。」

「別にお前を責めているわけだはない。だが、この場で言わせてもらうが、社会に出てそれが通用すると思っているのか?全ての行動は自己責任だ。自分で判断して自分で行動をする、その過程に他人の意思が介在することはあっても結局は自分の決定だ。そしてその行動が誰にも見られていないとは限らない。誰かに見られているということは他人から何らかの評価をされているということだ。試験だと言った以上お前たち全員の行動は常に誰かが見ている。不正をしていないか、問題を起こしていないか、とかな。いい機会だ、よく覚えておくことだ。学園の時間と私的な時間のうち学園としての時間を送っている間はほとんど常に評価されていると想定しておくことだ。基本的に私的な時間にまで干渉することはないからその点は安心しろ。以上だ、他に何かあるか?」

先程まで手を挙げていた生徒は同様の意見だったのか、それとも質問をすることを止めたのか手を挙げる人はいなくなった。

「特にないようだな。そういえば、一つ言い忘れていた。この試験が終了した時点から今までかかっていた端末の制限がある程度解かれた。後で各自確認しておいてくれ。これで私からの話は終わりだ。」

最後に思いがけないことを言われたが月宮先生の話は終わった。

この試験中は端末の機能が一部制限されていたのだ。使えるのはマップ関連や連絡手段だけで、普通のケータイ・スマートフォンのように検索システムが使えなかったのだ。おそらく試験の問題について関連する事項を調べさせないための手段だったのだろう。



「それでは、続いて笹崎先生お願いします。」

「は〜い。」

鮫島先生が続いて笹崎先生に登壇するように言うと、のんびりとした返事をしたが月宮先生から一睨みされて、咳払いをしてまじめに話し始めた。

「それでは、私の方から相棒制度(バディシステム)について話をします。今回の試験では先程月宮先生がおっしゃったように男女で協力をさせようとしたものでした。中には一人で取り組み居力しなかった人もいますがそれは皆さんの自己判断によるものですので私たち教員の方からも言うことはありません。それでは、皆さんには一度説明しましたが新ためて制度について説明します。この学園では相棒(バディ)を決めてもらい、協力して取り組んでもらうことが多々あります。もちろん強制なんてことはしませんが、試験時はいない人同士で適当に組んでもらうことは了承してください。組むことになったら、相棒の人とは基本的に同じ部屋または家で生活してもらうことになります。この時はできれば健全な関係でお願いしますね、風紀を乱されても困りますから。私生活に関しては私たちも介入することはありませんが、問題を起こしてしまったときはこの限りではないので、問題を起こさないでくださいね?私としては自己責任ですし、青春の1ページとして若さゆえの過ちがあってもいいとは思いますけどね。」

「んっんん!」

笹崎先生が余計な一言を付け加えると、余計なことを言うなと言わんばかりに月宮先生が咳払いをした。笹崎先生は月宮先生の圧に気づき、慌てて話を戻した。

「そ、それでですね、相棒と組んでもらった方にはBPが贈られるようになります。こちらもPPと同じようにその相棒と合わせた評価に基づいてポイントが贈られます。説明したとおりPPよりも価値がありますが、一人暮らしと違って共同生活ですし皆さんが思うより負担は大きいですからね。ちなみにですけど、この集会が終わってから相棒申請はできるようになります。よく考えてから申請してくださいね。二人ないしは複数人のまとまった評価ですので今はまだ評価0ですからPPですべて支出してもらうことになります。」

そのことを聞いたときに多くの生徒は気づいてなかったのかハッとなっていた。今まで行われていた試験は個人の評価をしていたにすぎず、グループなどの複数人の集まりは評価していないのだ。個人評価が低い人は来月の生活すらも危ぶまれるから相棒と一緒に生活など夢のまた夢だ。

「ふふふ。皆さんが気づいてくれて助かりました。」

少し間が空いていたと思えば俺たちが言ったことを理解するための時間だったようだ。笹崎先生は残念なところが時々あるが、俺が思っていたより優秀なところがあるのかもしれない。一人一人の様子を壇上からわかっているという様子が見受けられるのだ、自分でもそんなことはないと否定したいが、そのことを俺は肯定も否定できないでいた。

「では、話の続きをしますね。この試験を経てPPが潤沢にあると思った人たちはもちろん申請しに来てくれていいですからね。メリットとデメリットを天秤にかけてメリットが傾いたなら行動をしてくれるといいですね。好きな子ができたらその子に想いを告げるの良いですよ、今の日本の制度上ならその子が他の子に取られちゃう可能性高いんですから。一人に恋人が一人なんてことはないですし、複数だって許されるんですよ?大人は現実的にそんなことは無理だって言ってしていませんけど、未来ある皆さんなら不可能ではないかもしれませんよ?それでは私からの話なんて今回はそんなになかったですけど、質問はありますか?」

そう聞いたところ、今回は前回も聞いた話とほとんど同じだったため質問はなかったようだ。

「じゃあ、みんな質問ないみたいだからこれで私からは以上になります。それじゃあ何かあったら気軽に聞いてね〜。」

最後に笹崎先生はまじめな状態を止めたのか緩く話を終わりにした。



「それでは続いて、大熊先生お願いします。」

次に壇上に呼ばれたのは大熊先生だった。

「次は俺から、住宅環境について説明するぞ。この集会が終わってからになって申し訳ないと思うが、19時ごろから学務課の所にこの住宅希望書を受け付ける。この用紙は今から配るから説明を聞きながら書いてもいいし、説明を聞き終わって考えて書いてもいい。この用紙は学生寮と学務課に置いてあるからいつでも提出できるぞ。では、鷲城先生、すみませんが配布の協力をお願いします。」

そういと、大熊先生と鷲城先生によって用紙が配られた。

「受け取っていない奴はいないか?」

そう言って壇上から見渡し全員が受け取っていることを確認すると、話を再開した。俺はひとまず話を聞いてから書くことにした。

「よし、じゃあ説明をするぞ。今回の試験で居住区を見てもらったが、空いている部屋や家はどこを希望してくれてもいいぞ。もちろんそれぞれにポイントが賃料として設定もされているからよく確認してくれ。払えなくなったら一月は見逃すが二月目に強制退去だ。賃料未払いでもいいなんて学生のときに覚えてほしくないからな。建物が被ってしまったときは悪いが先着順になる。基本的に建物は予約を認めていないから先に取られてしまってもあきらめてくれ。学生寮に関しては、学年毎に用意してあるから住むところがないなんてことはないから安心してくれ。だからホームレス生活は止めてくれよ?前にいたんだ、隣のやつが夜中うるさくて迷惑で注意しても直らないから部屋を出ていくと言って公園で生活する奴が。さすがにそういうときはこちらも対応するからやめてくれ。この用紙を提出するまでは学生寮だとしてもすぐに部屋は用意できないから昨日と同じように合宿所を使ってくれ。学園の始業式が始まるまで、つまり今日から2日後の月曜日までに申請がなかったとしても合宿所からは追い出すからな。その場合は強制的に学生寮になる。だからと言って申請しないということは止めてくれよ?学生寮の申請は遅くても数時間で終わる、今日はもう受付時間外だから明日の朝から申請受理に取り掛かるがな。だから、学生寮でいい奴はすぐに申請してくれ。どこか違うマンションタイプや家がいい奴は今日でも明日でもあってでもいいから調べて用紙に書いて提出してくれ。相棒と組んでからというやつらは相棒用の住環境を観に行って同様に提出してくれ。以上だ、何か質問はあるか?」

そう言って周りを見渡すと、男子生徒が手を挙げていた。

「おう、そこの男子、どうした?」

「支払いは一括ではダメなんですか?あと支払い方式はどうなっていますか?」

「そのことか。説明し忘れていた。支払いは数か月分を払うことは原則できない。毎月の末ごろに登録されたポイントの口座から引き落とされることになっている。だから、口座が空になっていると警告が来るぞ、気を付けてくれ。ちなみに、あくまで今行ったのは部屋を借りるタイプの話だ。家タイプのであれば一括で購入できるぞ。ただ、3年で卒業とともに出ていくから借りたのとほぼ同義だがな。これでいいか?」

「はい、ありがとうございます。」

「他にあるか?」

今度は手が上がらなかった。

「よし、それじゃあ俺からの話は終わりだ。ちゃんと用紙を提出しろよ。」

そう言って壇上から大熊先生は降りていった。



「本来ならこれで集会を終わりたいところだが、最後にお前たちに大事な話がある。」

鮫島先生はそう言って壇上に上がってきた

「お前たちのうち何人かはすでに関わってしまっただろう。今日いくつかの場所で起こった傷害・暴行事件について話をする。」

それを聞いて事情を知らない生徒の間では不安や戸惑い、緊張が走った。


ここまでお読みいただきありがとうございました。


また次話もお読みいただけると嬉しいです。

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