表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺たちの共同学園生活  作者: 雪風 セツナ
入学編 ~特別試験~
26/162

第25話


「質問いいですか?」

「ああ。いいぞ。」

「この質問に答えてもらえるかわかりませんが、彼らは言っていました。この学園の制度でこんなことをすることになったと。この学園の制度では学生をあのような行動をさせてしまうほど追い込むのですか?」

俺はずっと考えていた質問をぶつけることにした。あの時奴は言った。

『本当に知らないようだなぁ、この学園のシステムを。まぁ知らないならいずれわかるさ、この学園のクソみたいな仕組みをよ!』

この言葉の意味が分からなかった。おそらく生活していくうえでのポイントが足りないということは分かる。だからこそポイントを渡すように脅迫してきた。だが、犯罪に手を染めるほどのことだろうか?何かほかに原因があったに違いない。俺はそう確信している。


俺の質問は予想をしていないことだったようで他の先生も顔を見合わせてどうするか、という空気になった。少し経ち、何か話し始めようとしたところで、

「それについてだが…」

「お話し中すみません。」

職員の人に話を遮られた。

「試験を終えた学生が来ています。お話し中ではありますが彼らを待たせたままではいけないと思い声をかけさせていただきました。」

「ああ、すまなかったな。月宮先生、話の途中ではあるがここまででしょう。新庄だったな?」

「はい。」

「君の質問に対する回答は集会の時にしてしまおうと思う。本来ならまだ話す時ではないが既に知ってしまった生徒がいるなら隠すことじゃない。他にも同様の報告を受けてもいるからな。同じようなこと聞かされた生徒もいるかもしれない。だから君にだけ話しても二度手間になりそうだ。」

「わかりました。では後程の回答を聞いてそれでも疑問を持ったらまた個人的に聞かせてもらいます。待たせている人たちもいるようなので失礼します。」

「ああ、すまなかったな。」

俺たちは先生たちに会釈をしてからテントから出た。



俺たちがテントを出ると体育館にいた人の人数は増えていた。もう1時間程度しか残っていないからおかしいことではないが。そのうえで考えて慎重になっている人が多いのも気にかかることだ。まぁそれはそれぞれの性格がそうさせているだけだろう。真田たちの姿が見当たらなかったことからおそらく先程テントに入ってきたのは彼らなのだろう。そんなことを考えていると、

「ねぇ、少しいいかしら?」

遠慮がちに白崎が俺に話しかけてきた。

「どうした?まだ正悟たちに連絡もしていないから手短に済むと助かるのだが。」

「ええ、そうね。わかった、手短に言うわ。」

そう言うと少し間を置き、何かを決心してから続けた。

「その、あの時なのだけれど、覚えているかしら?」

「すまん、それだけでは全くわからないのだが。どの時のことを言っているんだ?」

俺はさすがにそれだけで察することは不可能だったのでもう少し説明をするように求めた。

「私を支えていてくれたときよ。私のこと名前で呼んでくれるって言ったのに、貴方はあの時しか名前で呼んでくれないじゃない。その、名前で呼ばれた時私嬉しかったのに、苗字に戻っていて寂しかったというか…。」

まさか白崎がそんなことを言ってくるとは思わなかったので驚いてしまった。表情には出さないように努めたが、何が彼女をそこまで変えてしまったのかわからなかった。

「あの時のことは忘れてくれというからその話もなかったことになったのかと思ってな。すまない。」

謝るのが無難なところと判断して、このあとはどうすべきか考えた。周囲の評価なんてものは気にしないが、さすがに女子を名前呼びすることはハードルが高すぎる。以前は名前呼びする女子はいたが、彼女は幼馴染だったからそうしてたという側面が強かった。彼女にも、

『名前呼びしていいのは親しい子だけにしなさい。』

と言われていて、昔の俺はそれを律義に守っていた。どう呼ぶかなんてものは人を判別する個体識別記号という程度にしか考えていなかった俺は基本的に苗字で呼ぶことが多かった。正悟は自分からそう呼ぶように言っていたからそう呼んでいるに過ぎない。

だが、本人がそれを要求してくるならそうすべきなのかもな…。

昔に彼女言われた言いつけを破ることに少しの抵抗を覚えるものの、彼女の目を見ると断るのも申し訳なく思い、

「千春、これでいいか?」

そう呼ぶと、不安そうに、それでいて照れ臭そうにしていた様子から嬉しそうにして、慌ててポーカーフェイスを装うとする彼女の百面相は見ていて面白かった。

「ええ、それでいいわよ。……ありがとう。」

彼女は嬉しそうにするのを隠しながら、最後に小声で感謝を告げてきた。



「さて、正悟たちに連絡をしようと思うが、いいか?」

白崎と話していてテントを出てすぐとはいかなかったが、正悟たちの今の居場所も分からないため連絡を取ることにした。一応合流しようということだが、白崎はどうするのか一応聞いておこうと思い彼女にも尋ねた。彼女も最初は俺たちと一緒に行動しようとするのが仕方なくという雰囲気だったからだ。今はそんな様子が見受けられないが。

「別にかまわないわよ。」

彼女もそう言うので俺は正悟に電話をかけた。数コールすると正悟に電話は繋がった。


「もしもし。」

「もしもし、蒼か?時間かかったな。何話していたんだ?」

「その話はあとでしてやる。集会の時にも話に上がると思うしな。」

「なるほどな。まぁでも話を個別に聞いた蒼から聞きたいから教えてくれ。俺たちに話せないところもあるだろうからそこは蒼が判断してくれ。」

「わかっている。それよりも今どこにいるんだ?今俺たちはまだ体育館なんだが。」

「ああ、そういえば場所伝えないとな。今いるのは俺たちが買い物をしたコンビニの近くだ。疲れたから甘いものが欲しくてな。」

「わかった、コンビニに行けばいいのか?」

「いや、蒼たちはそこで待っててくれ。集会まで1時間ぐらいだろ?あまり遠いと遅れそうだしな。適当に蒼たちの分も買ってあるからそこの近くで食って休もうぜ?」

「わかった。なら待っていればいいんだな?」

「おう。もし、近くにいい場所があれば見つけてくれると助かるが、そしたら俺たちも見つけられなさそうだからな。」

「それならここから適当に辺りを見ておく。よさそうな場所の辺りをつけるぐらいはできるだろう。」

「頼んだ、じゃあ切るぜ。すぐ戻る。」

「おう。」


「それで、どうすればいいのかしら?」

「ああ、正悟たちがコンビニで甘いものを買ってきてくれたらしい。適当に良さそうな場所をここから探そうと思う。」

「わかったわ。」

そう言うと彼女は、体育館から出て辺りを見渡すと、

「コンビニは西門のほうのでいいのよね?」

「ああ、そうだ。」

「それなら西門の方で探しましょうか。確かそちらの方にもベンチとかがあったと思うわ。」

彼女がそう言うので、

「それならそっちに移動するか。」

俺たちは体育館を出てから西門の方へ歩きながらちょうどよさそうなベンチを探すことにした。


よさそうな場所を探していると、辺りには体育館に向かう生徒や俺たちと同様に終わって休んでいる生徒がいて4人で休めそうな場所を探すのは少し大変だった。

「思ったより終えた生徒たちがいたのね。」

「そのようだな。体育館には慎重になっている人たちが残っているだけでそれなりの人数は終えていたようだな。」

そう話していると、少し体育館から離れてしまったが空いているベンチが二つ並んでいたのでそこに俺たちは移動した。

「ここならちょうどいいんじゃないかしら?」

「そうだな。ここなら戻る時の道で通るかもしれないしな。連絡の手間もなさそうだ。」

俺たちは二つのベンチにそれぞれ座って話した。場所取りをしているようで悪いと多少思ったがそこまで人もいないし問題ないだろうと割り切った。少しすると正悟と榊が歩いてくるのが見えた。二人ともそれぞれが袋を手に持っているのでそんなに買ったのか?と思ってしまった。


ここまでお読みいただきありがとうございました。


また次話もお読みいただけると嬉しいです。


Twitter始めました

更新情報などはそちらで報告していきたいと思います


現在やることが増えてしまい時間に余裕ができなくなるかもしれないので遅くなってしまったらすみませんm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ