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俺たちの共同学園生活  作者: 雪風 セツナ
入学編 ~特別試験~
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第1話

続きが書けたので投稿をしたいと思います。

未だ慣れない点が多々あり、投稿は不定期になってしまうと思いますが書け次第19時ごろに投稿していきたいと考えております。


 外が騒がしくなってきたな。そろそろ島に着くのか?

 


 ピンポーン



 「皆様大変長らくお待たせしました。間もなく、“#創来島(そうらいとう)”に到着いたします。お手元の荷物を準備して船が付き次第下船できるようにしておいてください。」

 

 アナウンスも聞こえたことだし俺も準備するか、と言っても持ち込めるものに制限があって生活用品として預けたもの以外はほとんど残ってないけどな。

 

 この島での情報を規制するためということで俺たちは自分のスマホやパソコンなど外部と通信が可能になる電子機器は持ってくることができなかった。


 中には隠れて持ち込もうとした者もいたようだが乗船時の手荷物検査に引っ掛かり、実家に配送されてしまっていた。ゲーム機を持ち込むことはできたようだがネットワークにつながらないため、同じように持ってきた者か一人で遊ぶためにしか使えないと不満を漏らす者もいた。


 ここまで徹底していることにはさすがに俺も驚きだった。一応島ではスマホやパソコンが無いと困るだろうということから生徒の一人一人に支給されることにはなっているようだ。

 


 自分のカバンから出した小説やハンカチなどをしまって到着を待つことにした。

 



 アナウンスから約10分後、船窓からも次第に創来島が大きく見えてくるようになり、それから約30分後俺たちは無事に到着することができた。

 

 蒼雪も荷物を持ち船室から出て、他の降りる生徒の列の後ろに並んだ。前方には、仲良くなったもので集まる者たちもいれば、俺と同じように一人で並んで待つ者がいる。


「やべー、俺たちここで3年間過ごすんだぜ!」

「マジそれな!ここに俺の夢見た楽園があるんだぜ!」

「お前もハーレム夢見てんのか?どっちが最初に彼女作れるか競争しようぜー」


新生活に浮かれてそんな話をしている男子もいれば、


「はぁー、スマホ無いからマジでやることなかったんだけどー」

「本当それー」

「でもさー、それ抜きにしてもこの船思ったより快適じゃなかった?」

「まぁそれはそうだけどさぁ」


親しくなった最初の船での生活について会話をする騒々しい女子もいる。

俺は並んでいる他の生徒たちについて考察をしていると、



「ちょっと、前を詰めてくれないかしら?」


後ろからそんな声が聞こえてきた。


「すまない、考え事をしていて気が付かなかった。」


どうやら、周囲の考察をしている間に数人分の間が空いてしまっていたようだ。前の人との間隔を詰めて再び周囲の観察をしつつ考察をしようとしていると、


「また、考え事のようね。後ろにも待っている人がいるのだからしっかりと詰めてもらえないかしら?それともあなたが最後尾にでも移動してくれるのかしら?」


先ほどよりは間隔が空いていないにしても後ろの人物はそんなことを言ってきた。


「そんなに、そんなに間隔が気になるなら俺の前に並んでもらって構わないぞ。」


後ろにいた女生徒の身長は平均的より少し低めだったので、俺は目線を下ろしてその注意をしてきた女生徒の方を向いてそう告げた。


 女生徒の特徴としては、白髪ロングで、少し釣り目気味で強気な口調からも高圧的な印象を受ける。高圧的なところを除けばきれいなその容姿や細身の身体は美人といえるところにあるだろう。



「ちょっと、人の話を聞いているのかしら。人の身体をじろじろと見てきて何を考えているのかしら。」

「悪いな、誰が声をかけてきたか確認しただけだ。話を聞いていなかったことは謝罪をしよう。それで、前に並ぶのか?」

「ふん、人の話を聞いてないのね。結構よ、一人分の間なんてあってないようなものだもの。ただ貴方が詰めないでぼーっとしているのが気になるだけよ。」



彼女はこれで話は終わりという風に目線をはずして前を向いた。

俺も前を向いて前を詰めて並んで待つことにした。



「いやー、彼女、美人なのに性格きついな。」


俺の二つ前に並んでいた男が、順番を譲ったのか俺の前に来て話しかけてきた。


「美人かどうかはともかくとして、性格については否定しかねるな。」

「いやいや、彼女はけっこう美人だろ。きっと入学式のあとにでもお近づきになりたい男子はいっぱいいるはずだぞ。おっと、悪い。俺は早乙女 正悟(さおとめ しょうご)だ、よろしくな。」


地毛なのかわからない茶色がかった髪の軽い感じの男が自己紹介混じりにそう言ってきた。


「俺は、新庄 蒼雪だ。よろしく頼む。」

「おう、よろしく!いやー、周りに知り合いもいないし話す相手もいないし退屈でさー、そんなところに早速女子に絡まれてる面白そうなやつがいるものだから気になっちゃって。」


笑いながら正悟は俺にそう言ってきた。俺の受けた印象としてはよくしゃべるやつだとしか思えない。


そもそもこんな性格のやつなら俺でなくとも話す相手ならすぐに見つかるだろうと俺は思ったが口にはしなかった。

返答次第ではまた騒がしくなるのではないかと、この少しの会話で予測できてしまったからだ。


「俺は、面白味のない人間だから他の面白そうなやつを探してくれ。」


とりあえず俺はそう返して俺に会話の意思はないと示したつもりだったが、


「いやいや、お前はきっとこれからも面白いことに巻き込まれそうだ。俺の直感がそういってるからな。」

「そんな役に立ちそうもない直感を当てにするな。」


多少うんざりして俺はそう返事を返したが、なおも彼は俺に絡み続けてきた。出身はどこだとか、趣味は何か色々聞いてもないことを話してきたが、いい時間潰しにはなっただろう。



それからまもなく俺たちも下船して入学式が行われる体育館を目指して前を行く人たちに続いて歩きだした。正悟という賑やかな人物と共に。



道中も正悟は俺に話しかけ続けてきて騒々しく、返事をしなければしないで面倒だったので俺は適当に「そうだな。」「ああ。」と相槌を打っていたが、どうしてそこまで俺に話しかけ続けてくるのかわからなかった。


「にしても、(そう)は無口だなー、もっと話そうぜ。」

「無口かどうかはわからないが、必要以上に話す必要はないと思うが。」

「いやいや、会話はコミュニケーションとして必須だよ。これから同じ学園で共に生活をしていくんだから友人は多くいた方がきっと役に立つさ。俺の直感がそういってる!」

「また直感か。」


正悟とそんな風にくだらない話をしていると、体育館に辿り着いた。


体育館にはすでに多くの生徒がいて、クラス毎に集められていることがわかった。クラスを指定するものがどこにあるのか探していると、


「蒼、こっちにあるぞ。」


正悟は俺に教えてくれた。


「助かる。」


俺はそう返事をして、張り紙から自分の名前を探していると三組のところに名前があった。


自分の名前の上を見ると早乙女の名前もあった。

隣にいる正悟の方を見ると笑顔でピースサインまでしてきて鬱陶しく思ったが知り合いがいないよりはましなことだろうと思うことにした。


とりあえずスルーしてクラスのところに移動しようとしたら、


「いや、同じクラスになったんだから一緒に行こうぜ。」


と焦った様子で俺の肩に手をかけながらそう言ってきた。


「はぁ。」


思わず俺は溜め息をついてしまったが、一緒に自分たちのクラスのところに移動をすることにした。


三組はここで待機と指定された範囲では、男子と女子で別れているものの、近くの人と話す人、早く始まらないかとただ待っている人とに別れており、船で俺に注意をしてきた女子も一人で始まるのを待っていることを確認した。


「あれ、さっきの子じゃん。よかったな、蒼。同じクラスにいるぞ。」

正悟は俺にからかうようにそう言ってきた。


「別に同じクラスだとしても関係ないだろ。」


 俺は適当にそう返して始まることを待つことにした。

正悟は俺のその返事を聞いてからつまらなそうにしながらも、他の男子たちが何を話してるのか気になったのかそちらに移動をして話しかけていた。


本当にコミュニケーション能力が高いやつだと俺は感心した。



 それからまもなくして、全員が体育館に到着したのを確認できたのだろう、教員が司会席に移動して静かにするようにアナウンスをした。


「静粛に。これより、相棒共生学園の入学式を開始します。」


 どうせお偉いさん方の長い話が始まるのだろうと思っていたが、壇上に上がってきて話し始めたのはこの学園の理事長だけだった。


 そして、このときから始まったのだった、俺たちの三年間のこの学園を舞台として繰り広げられる激動の日々が。


お読みくださりありがとうございました。

次話も早く書けるように努力したいと思います。

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