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俺たちの共同学園生活  作者: 雪風 セツナ
入学編 ~特別試験~
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第17話


 俺たちは東門から出ると、学園のほど近くにバス停があった。どうやらこのバスは学園と居住区、商業区を経路としているようだった。そして、学園からのバスは三路線あるようだ。居住区を北回りでいくか、南回りでいくか、または、一直線とはいかないがまっすぐに商業区へと向かうかという三路線だ。おそらく学生と教職員のためのバスということなのだろう。バスの時刻表を見ると、あと5分ほどで来るようだ。俺たちはバス停で待つことにしたが他にも利用する学生もいて彼らの目的地も同じなのだろう。ところどころ聞こえてくる会話からもデパートやカフェなどといった単語があった。

「どちらから行く?」

俺は待っている間にどちらから向かうのかを決めておく方がいいと思い他のメンバーに尋ねた。

「デパートからでいいんじゃないか?近い方から順番にってことで。」

「私は遠い方、映画館からの方がいいわね。」

「………どっちでも。」

三者三様で全く意思は統一されていなかった。ここまで噛み合わないものかとさすがに俺も呆れてしまった。どうしたものか、と思い方針を決めようと再び声をかけようとしたところでバスが来た。そのため、いったんこの話は保留にしてバスに乗ることにした。



バスは学園東門前が終点であったため乗っていた学生が全員下りてきた。俺たちは他の学生と同様に並んで乗り、奥の2人掛けが固まって開いていたため、そこに座ることにした。

「それで、先ほどの続きだが、」

俺がそう切り出すと、

「あ〜、別に映画館からでも構わないぜ?特に理由もなかったしさ。」

と正悟が言ってきたので、

「それなら映画館からでもいいか?」

「いいわよ。」

白崎はそう返事をして、榊は頷いてくれた。

「そもそも、ショッピングモールもあるのにデパートなのかしらね。」

バスに乗っていて不意にそう白崎が聞いてきた。

「私的な見解になるがいいか?」

「いいわ、話してちょうだい。」

「わかった。まず俺は、普段買い物に行くとした状況で考えたんだが、これは決まったものを買いに行くのが通常だ。文房具や、食料品、日用雑貨だな。これらを買うときに、わざわざ複数の店舗を回るのは不便と思わないか?逆に何も目的もなくウィンドウショッピングをするような場合はあちこちいろんな店を観に行きたくならないか?そういう風に目的別にすみわけをしているんだと俺は考えている。」

「なるほどな〜、確かに俺はデートするときにはショッピングモールの方がいいな。店頭に並んでいるものを見ながらいろいろ話せるしな。デパートに行くとしたら確かに目的物決まってるかも。まぁコンビニが近ければそっち行くけどな。」

「早乙女君の意見は置いといて、貴方の言いたいことは分かったわ。ちゃんと双方が用途別に分かれていて、そのうえで私たちが普段使いとして行く頻度が高いと思われるのはデパート、だからこちらをスタンプの場所にしたのね?」

「あくまで俺の推測に過ぎないがな。問題も今白崎が考えたようにデパートとショッピングモールで迷わせる意図もあるのかもしれないな。」

「なるほど、ショッピングモールに行かせて他のクラスの解答の誤ったスタンプを押させるというわけね。」

「そうだな、まぁ3Fとあってショッピングモールに行けば違うと分かりそうだけどな。」

「………そうとも限らない。」

「あら、どうしてかしら?」

「………このショッピングモール今調べた。そしたら、ほら。」

そう言って端末を俺たちに見えるように回してきた。

「なるほど…。」

「へぇ…。」

「こいつはひっかけにもほどがあるな…。」

俺たちはそう感想を述べた。榊が見せてくれた端末にはショッピングモールの簡易的な案内図があり、どのあたりにどんな店舗が出ているのかをアルファベットで区分けされていた。これ以上の情報は今は端末からは分からなかったが、案内図は当然ショッピングモールにあるが、各店舗が数字で管理をされていたとしたら勘違いする人たちがいてもおかしくないだろう。そんな担任からのひっかけ問題の意地の悪さに何とも言えない空気になったが、バスは依然としてまだ目的地には着かなかった。



それから数度バス停に泊まりながらも、俺たちが乗ったバスはほぼまっすぐに商業区へと向かう路線だったので、歩くよりも早く商業区へと着いた。道中にバスから見えた建物は多くあり、マンションやアパートが多かった。

商業区には、思ったよりも多くの学生がいた。スタンプを探している俺たちのような学生もだが、私服姿で買い物をしている人たちもいてその人たちは少なくとも先輩たちなのだろう。学生だけではなく、大人の人もちらほらと見かけたが、本島にいるときほど見るわけではなかった。

「新庄君、周囲の観察をするのもいいけれど、映画館に向かわなくて?」

辺りの観察をしていた俺に白崎がそう声をかけてきた。

「すまない、癖でな。」

「気にすんなって。じゃあ早速行こうぜ、映画館はここをまっすぐだったよな!」

そう言って正悟が先頭に立ち進んでいった。

榊は何を考えているのか俺の方を見ていたが、俺が目線に気づいてそちらを向くと目をそらし、正悟についていった。

「何しているのかしら。早くいきましょう。」

白崎に再び促されて俺もついていくことにした。



商業区では多くの店が立ち並んでおり、時間的にもお昼時に近いということもあって飲食店へと向かう人も多かった。ただ、この島で生活している人の総数は決して多くないということもあって、このように店の多くがあっていいのか?と疑問に思うこともあった。

映画館に着くと、10番シアターへ行こうという話になったが上映している映画もあって入れないのでは?という話になり、まずは映画館のスタッフに話をするということになった。

「すみませ〜ん。」

今回は正悟が話しかけに行った。スタッフの人が女性だったからではないと思いたい。だが、気になったのはそのスタッフが若いということだった。自分たちと同年代としか俺には思えなかった。他のメンバーは気にしている様子はなかった。

「はい、なんでしょうか?」

「え〜と、俺たちは試験で島のあちこちにあるスタンプを集めているんですけど、そのスタンプの一つがこの映画館にあると思うんですけど入っていいですか?」

正悟がしどろもどろにそういった。話しかけに行ったのはいいがどう伝えればいいかは考えていなかったようだ。

「すいません、少々お待ちください。上の方に確認をしてまいります。」

そう言って、頭を下げると、シアター入場口を担当している人の方へ向かっていった。俺たちは彼女が戻ってくるのを待っていたところ、入場口の人と一緒に戻ってきた。

「君たちが入りたいっていう人たちでいいのかな?」

そう聞いてきたので正悟が、

「あっ、はい、そうです。」

と答えると、

「わかったわ。じゃあ、彼女と一緒に入るならいいわよ。けど、上映中のところには入らないでね?チケットを買わないで見ようとしているわけじゃないと思うけど、一応ね。何番シアターにスタンプ?があるかわかっているのかしら?」

「俺たちがあると考えているのは10番シアターです。」

「なるほど…。あそこね。そこなら今日は上映していないから今は言ってもいいわよ。10・11・12番シアターを昨日と今日はお客さんが入れないことになっていたからそういうことなのよね。」

と入場口を担当していた女性が納得したように、俺たちに入る許可をくれた。

そのまま俺たちを入場靴に案内してくれた。俺たちは彼女についていって入場口から10番シアターへと向かっていった。



現在時刻12:00  18:00までおよそ6時間 現在集めたスタンプ6


ここまでお読みいただきありがとうございました。


また次話もお読みいただけると嬉しいです。

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